[ タイトルおもいつかない ]






「それにしても俺がココに一人でいるときばっか、ナイスタイミングで来訪するよなァ」
「はいィ???」
ふと思い出したかのように呟く銀時に、沖田は片眉を上げる。
「沖田くんがココ来るときって、神楽も新八も留守ってコト多くねェ?」
「あーーーー、そう言われてみりゃあ」
そうかも、と沖田にしては珍しくもすんなり頷きかけたのだが。
「もしかして狙ってナイショで日参してくれてるって?」
ニヤついた銀時の余計な一言に、
「んなワケねーです」
いくら何でもそこまで暇じゃねーです、と即座に返事を一刀両断パターンに切り替えた。
「・・・・・・フーン、残念」
「?」
すぐ斜め上にある銀時のカオ。
見上げるとつい先刻のニヤつきは消え、真顔に近くなったそれはほんの少しだが何某かの含みを帯びていて、これまた即座に沖田は機嫌を切り替える。
「ま、旦那の在宅不在宅留守居留守どきくらい大体見当つきますや」
軽く言って、
「あ、それでですね、」
「ン?」
近い近い距離、あえて一度言葉を切る。
「最初に言ったかもしれやせんが、俺、パトロールの途中なんで」
近い近い近い間隔、絡むキスの合間、
「旦那が思ってるほど長居は出来ねェんで。 あしからず」
さらり告げてやると、
「・・・・・・フーン。 残念」
まったく同じ返事を、先ほどとまったく同じ表情で返されて沖田は思った。


あ。 やっぱこのヒト読めねェ。


でもきっとそれはお互い様だろうから、それはそれで別に構わないのだが。












































「やっべ、もう夜じゃねーですかィ」
銀時に背を向けて窓の外、そこそこ高い位置にある月を見上げつつ、
「完全完璧に遅刻でィ、近藤さんと土方さんにまた怒られちまう」
沖田はぼやいた。
そして続けざま、
「あーあワンラウンドで終わってたらなー間に合ったのになーーー、」
などとわざとらしく宛てつけて喚くと。
枕の上、もそりと天パを上げて頭を起こした銀時に、
「わかったわかった、俺も一緒に謝ってやるよそのあと全速力でケツまくってトンズラするけど」
と一寸たりともココロにも思ってもいない、わかりやすいにも程がありまくる(・・・・) まさに取って付けただけの台詞を吐かれ、
「何言ってるんですかィ、可愛い可愛い俺に手ェ出してるなんて知れたら、アンタ真選組全員にフクロ・・・・、どころかナマス斬りの湾沈みにされますぜ」
対してこちらはあくまでも真顔、で返答。
シャツに腕を通しながら、
「近藤さんとか卒倒しちまうだろーなーーー、土方さんもマジギレだろーなーーー、山崎もパン祭りだろーなーーー」
と諳んじる。
一方で銀時は何を今更、
「えッ嘘だろオイ、アイツらとっくの昔に気づいて黙認だと思ってたんだけど違うのォォォ気付いてねーの気付かれてなかったのォォォォ!!!???」
本当に今になって何を慌てることがあるというのか、これは割と本気で驚いているようで。
「あ? 気付かれちゃいねェはずですぜ? 俺、ナイショにしてるし」
もしかしたらうっすら疑っちゃいるかもしれやせんけど、と付け加え、
「つーワケで、今日これから俺が帰って怒られて、万が一バレちまったら責任取ってくださいね」
くるりと振り向き、沖田はまだ布団の中の、心持ち蒼褪めた様相の銀時と目を合わせる。
「・・・・割腹? 銀サン、死に装束で割腹?」
「さァ?」
「責任取る、ってどーやんの? 御宅の沖田くんを俺に下さいってご挨拶? 誰に? ゴリラに???」
「さァ???」
「よくよく考えると、未成年淫行罪ってやつ? いや待てお前オトコだし俺もオトコだし」
ついてたついてた、とつい数十分前を思い出し脳内再生する銀時を、沖田はとことん醒めた目で眺めながら。
「野郎にも適用されますから。 あしからず」
言って、
「俺が 『旦那にアレされたァァァ!!』 て近藤さんに泣きつきゃ一発でお縄ですぜ」
と追討ち。
けれど勿論、
「でもまァ、んなこたしやせんけど、」
一旦安心させ、
「、よかった頼むぜ沖田くん」
銀時が安堵の息をついた途端。


「けど責任は取ってもらいますからあしからず」


言い切って上着に袖を通し、表情を悟られないよう、再び背を向ける。 と。


「責任、ねェ?」


どこか面白げに、言葉尻を捕らえられた。


「沖田くんが女の子だったらさァ、俺の身もココロも丸ごと全部捧げてやったのに」


ピクリ。 無表情で沖田は動きを止める。
銀時のその言葉の何かが何処かが否、全部が全部それこそまるごと癇に障って、せっかく腕を通した上着を再び脱いで、畳に放って、あくまでまだ背中を向けたままで、それから。
「オンナでなくてよかったですよ。 んな旦那に興味なんてねェし」
答えつつ、
「でも、」
ここでまたくるり。 振り向いて布団の位置までしゃがんで、身体ごと銀時と向き合う。
「アンタのそーゆー身も蓋もないとこ、さすがの俺もどうかと思うんですが」
『ン?』 と言わせる間もなく着たばかりのシャツを脱ぐ。 続けて下も。


「身も蓋もないそーゆー旦那だから、前より少しスキになりましたぜ」


「へえ? 俺ァ元からお前さん大好きだったぜ???」


したり顔の銀時に、沖田は掛布団を剥ぎ取ってのしかかる。
「今度は俺が勝手に動くんで」
宣言してマウントポジション。 何故だかまた硬くなりかけの銀時の下肢に迷うことなく手を伸ばした。




この場合、火をつけたのはどちらで、油を注いだのはどちらになるのだろう。










今夜は、というかまず間違いなく朝帰り。
遅刻どころか本日勤務はサボり決定。
さあ、近藤&土方への言い訳という名の責任は、どう取ってもらおう???










ヤろうと思っていたのですが、ちょっと無理でした。 (内容的&時間的に)
けど銀沖はいつでもどこでもヤれる(・・・・) ので、また別のとき長々とヤろうとおもいます