[ たぶん犯罪 だけどレンアイ されど犯罪 ]






「困りました、ねえ。 未成年・・・・どころではなく、まだローティーンじゃないですか」

「ええー? 大佐、ロリコン、ダメですかぁ?」

「いえいえ。 一定以上のレベルに達していれば、選り好みや好き嫌いはありませんよ。 その点を考慮しても、アニスは十分に合格ラインです」

「その言い方だと、基準クリアなら来る者は拒まず、ってカンジなんですけど」

「ふむ、まあ、そうとも言えますね」

「・・・・腹立つ・・・・」

「で、何故にこう、突拍子もなく?」

「そんな、突然でも何でもないですよぅ。 アニスちゃんはずっと、ずーーーっと前から大佐のことが大スキでぇ(ハート)」

「それはどうも」

「ここ最近はなんかもう、大佐のことを考えるだけで胸がドキドキしちゃったりなんかもしてー(ハート)」

「それはそれは。 小さい胸をときめかせてしまってすみません」

「『小さい胸』 ってもっかい言ったらメガネたたっ壊す・・・・」

「失礼。 じゃあ言いません。 生憎スペアの持ち合わせが無いもので、壊されると困ってしまうもので」

「ならいいでーす。 何年かしたら、ティアみたいになりますから」

「予定は未定ですよアニス。 なんとなーくですが、アニスの場合、何年経っても大して今と変わらないような気がしますね、私には」

「エヘ。 そのロン毛、ぶち抜いてもいいですかあ?」

「いやですねえ、誤解しないでください。 きっと何年経ってもアニスは若々しく可愛らしいままですよと言いたかっただけです」

「なら良し(ハート)」

「で、これからどうするつもりです?」

「う〜〜〜ん、最初は、大佐がその気になって襲ってきてくれればいいなって思ってたんですけどぉ、なんかちっともそんな雰囲気もないし。 だから、アニスちゃんから襲い掛かっちゃおっかなって」

「おや、襲いオオカミになる訳ですか。 これはまた随分と小さ・・・・じゃなかった、可愛らしいオオカミですね」

「ぶー。 違いますーーー。 オオカミは大佐。 可愛いかわいいアニスちゃんは差し詰め、ふかふかのうさぎちゃん、てあたりで(ハート)」

「形容詞が違うのでは? 凶暴な肉食兎でしょうに。 ああ失礼、失言でした。 ほらこうやって謝っていますから、トクナガを口に突っ込むのは止めてください」

「ぶーぶー。 そんなことしませんよう。 (してたけど) 大佐の口をふさぐのはトクナガじゃなくて、」








つたない、目を閉じて懸命の。
ちゅー。
子供、否、少女の唇の柔らかさと温かさに、大人は紅い眼をふっと細めて笑って。








「わかりました。 アニスのここまでのお誘いを断るわけにも行きませんし。 覚悟を決めて、襲われオオカミになりましょうか」

「やったあ(ハート)。 うしっ、作戦通り!!」

「でも一応、念のため確認しておきますが、本当に良いのですか? 乙女の純潔は 『いざ!』 『ここぞ!!』 という時のためにとっておくべきものなのでは?」

「(大佐わかってない!) だから、今が 『ここぞとばかりにいざ!!!!』 って時なんです。 ぶー」














あたたかな肌。 起伏はあまり無いにも関わらず、やわらかい肢体。 絡む黒髪。 滑る長髪。
どちらでもない、後に退けないのは少女。
「一度、止めますか?」
と問われ、破瓜の痛みに涙目になりつつも、
「やめたら、ぶん殴る・・・・」
の一言で返して。














「まだ、痛いですか」

「ヒリヒリする・・・・」

「どれ、見せてみなさい」

「イヤーーー!!」

「何を今更・・・・。 とりあえずは、出血が止まれば大丈夫なはずですが」

「・・・・・・・・・・」

「アニス?」

「・・・・・・・・・・」

「アニス???」

「・・・・・・・・・・。 ひとつ、聞いてもいいですか」

「何です?」

「大佐、私のコト、少しでも好きですか?」

「・・・・・・何を、まったく」

「だって聞くの忘れてたんだもん・・・・・・」

「わかりませんか、ねえ」

「・・・・・・・・・・わかるワケないじゃん」

「好んでもいない子を抱くほど、飢えてもいないし不自由もしていませんよ、私は」

「・・・・・・・・・・」

「しかも、アニスですからね」

「?」

「中途半端で生半可な心構えで、アニスに手は出せませんし」

「・・・・・・・・・・・」

「ま、いずれこの既成事実を脅迫の対象にしても構いませんが、まあ誰も信じないでしょうね。 今までそういう生活をしてきましたから」

「ちゃは、やっぱり?」

「また、だからといって公的な立場的にアニスと私との関係が変化するとも思えませんし」

「えーーーー??? あ、ちょっと待ってください大佐。 今、公的にって言いました?」

「はい」

「じゃあ、私的にはやっぱ変わるんだあ」

「・・・・・・・・・・」

「て、コトはやっぱ、」

「流石に聡いですね。 という訳で、百年の恋でもすることにしますか」

「もっちろーん! あ、でも、大佐の場合もう百年の三分の一以上は過ぎてるから・・・・できてせいぜいあと五十年ちょっとかも。 最期はしっかり看取ってあげますから心配無用で(ハート)」

「失礼な。 私は三百歳くらいまで生きるつもりでいますが」

「・・・・・・・・・ホントに生きそうだから怖いし。 しかも今と外見とか何にも変わってなさそうですごくイヤ」

「今、何か言いましたか?」

「いーえー? 大佐はいつでもカッコいいな、って」

「そんなまたごくごく当然のことを」

「・・・・・・・・・・ケッ」

「アニスー? 今の舌打ちは何ですかー?」

「いーえー??? 私の大佐のあんまりのカッコよさに、つい喉が鳴っちゃってー」

「私もアニスの 『控えめな胸の』 可愛らしさに、ついつい笑みがこぼれてしまいます」

「ぶちコローーース」




















ジェイド・カーティス
職業:軍人 階級:大佐 年齢:三十五歳
ステディ(十三歳・唱師) の胸は、今のところまだ無い。




そしてたぶん、今後それほど育つ見込みも、無い。








何年ぶりだろうアビス。
まさかのノーマルです(?)。
父娘でもおかしくないあたりの年齢差ラブ。 けどこれが許されるのは二次元だからってコトで