[ 五悠でヤってるだけのはなし ]


(※ 本当にヤってるだけです)






「ん?」
そろそろ日付が変わろうかという時刻、五条がシャワールームから自室へと戻る途中、廊下で向こうから歩いてくる悠仁に出会った。
「あ、五条先生だ」
こちらを視認するが早いか駆け寄ってくる彼を意外に思い、
「どうしたこんな時間に?」
とっくに寝てる時間だろ、と口にすると。 曰く、「ちっとも寝れないからウロウロしてた」 との弁。
「ウロウロって」
いろいろツッコミどころはあったのだが、それを声にする前に。
「8時ごろに風呂出たら喉が渇いてコーヒーとエナドリ一本ずつ飲んだら全然眠れなくなって。 いつもなら用がなきゃ10時には寝ちまうんだけど」
「なんでそんなチョイスしたの。 そりゃ目も冴えるよ」
「だってそれしか冷蔵庫になかったから」
「あのねえ」
苦笑いを浮かべた五条に、悠仁はさらりと。
「けど、ちょうどよかった。 先生に会えたし」
「、」
面と向かって臆せず言ってのけられ、たまらず突き上げてくる衝動の中、
・明日は日曜日
・休日だ
・授業は無い
・自分にも予定は無い
・そういえばここ最近さわってないな
・前回さわったのいつだったっけ
・確か
・十日前?
・そろそろさわりたいなあ
・ここで会ったが百年目
・違う
・ここで会ったが十日ぶり
・いや実際普通には毎日のように会ってるけど
・先生久しぶりにアダルトモードに入りたいなあ
・イイよね悠仁
・よーし決めた
徒然と以上の項目を半瞬で脳裏に閃かせ、悠仁、と名前を呼びながら、
「じゃあ僕んところで夜更かしする?」
と手を伸ばした途端、即座にずざざざと三メートルほど飛びのかれた。
「おッ」
なかなかイイ反応するね、と親心(?) 的に誉めると。
「だってそのカオ、絶対エロいコト考えてるカオだし、」
これまたなかなかイイ読みを働かせてくる。 経験が招いた結果か。
そのまま、じりじりと後退する悠仁。
面白くてただ見ていたら、距離が四メートルにひらいた。
「そこまで警戒されると、なんか燃えるなあ」
「そーゆートコ!! 先生そーゆートコがアレなんだって!!」
距離、四・五メートル。
「無理矢理、っていうのも嫌いじゃないけど。 ああ、でもそんなことすると宿儺が出てきちゃうかな」
「えッ!?」
冗談で言った台詞に悠仁が気を取られたところで、一気に一挙に捕獲。
「ウソウソ。 ほーらつかまえたー」
「ギャッ!」
「駄目だよ悠仁。 こんな夜中に 『会いたかった』 とか言われたらその気にならない方がおかしいって」
「違うーーーー!!」
じたばた。
ぎゅう、と抱きしめると悠仁が勢いよく暴れ出す。
「何が違うの」
苦笑混じりで訊ねれば、
違う違うさっきはとりあえず言いたかったことを言いたかっただけで、
そんな意味で言ったわけじゃない誘ったわけじゃないエッチしたかったわけじゃない!! と暴れながらあまり意味の無いカワイイ言い訳をしつつ、
じたばたじたばたじたばた。
どかすかどかすかどかすかどかすか。
抵抗の度、というか暴れっぷりが目に見えて大きくなってきたけれども、五条からしてみれば何の苦も無く。
「そうやって抵抗されちゃうと、余計燃えるんだけど」
「・・・・!!」
面白半分で囁く。 真面目に受け取ったのか、ピタリと悠仁の動きが止まった。
「死ぬほど気持ちよくしたげるからさ」
「!! 〜〜〜〜俺もう一回死んでる! また死にたくないっての!」
ああそういえばそうだったっけ。 だけどそういうイミじゃないんだけどなあ。 と失笑。
「じゃ、泣くほど気持ちよくしたげる」
そう言い換えた途端、
「泣かねーし!!」
そう否定されながらも、かあっと頭に血が昇ったらしい。 思いきり赤面された。
全部カオに出るあたり、本当にコドモだなあ可愛いなあとと五条は口許を緩める。
とは言え、こんな夜中にこんな場所でいつまでも問答していても仕方ない。
「はいはい僕の言うこと聞いてー」
「うわッ」
造作もなく、ひょい、と小脇に抱える。
虚を突かれた悠仁は、少しだけじたばたを繰り返してみせたあと。
どこかで諦めたのかそれとも観念したのか覚悟を決めたのか、ぱったりとおとなしくなった。
そして 「先生、」 と呟く。
「何?」
「・・・・・・・・。 先生、大人なのに我慢できねーの?」
そんな、良い質問に。
「オトナだからガマンしないの」
五条はあっけらかんと返事をしておいて、はあ、とタメイキを吐く悠仁を片手に(・・・・)、足取りも軽く(・・・・) 自室へ直行した。
オトナはいろいろ忙しくて、我慢などしている暇と時間が勿体ないということを知っているから。
























「・・・・・・。 風呂入っててよかったあ・・・・」
小脇に抱えた悠仁の身体ごと、同時にベッドに縺れ込む。
と、自分の下にある彼からひとりごとのような声。
「ん?」
優しく抱き込みながら聞くと。
「だって汗クサイの嫌じゃん。 ・・・・昼、けっこう運動したし」
「えー? 悠仁そんなの気にする?」
「する。 先生いいニオイするから」
「ええー? 僕、別に何も付けてないよ?」
さわさわと頭を撫でながら言うと、悠仁はあからさまに視線を背けながら。
「けど、俺にはする」
ゾクリ。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。 ヤバい、かも」
素直すぎる物言いに、思わず確信を持って呟いてしまった。 ヤバい。 滅茶苦茶可愛がりたい。
「あー、まあ、それは、ありがとう、かな」
動揺というより逸りを隠した五条の返事に悠仁は少しだけ困ったよう、逡巡した結果、意を決したかのよう下から見上げてきて、何を言うかと思えば。
ホントはちょっと前から聞きたかったんだけど、と前置いて、
「なんでいつもエッチするときまで目隠ししてんの?」
そういえばそうだったかな、と五条は前回前々回、それから遡っていろいろ思い返しつつ。
「取る?」
悠仁が取ってほしいなら取ってもいいよ、と笑ってやる。 すると、
「・・・・えと、どっちでもいーけど」
自分かに聞いてきたくせ、慌てて取り繕うような反応。
じゃあ取ろうか、と無造作に素顔を晒す。 と。
「うッ」
「どした?」
「・・・・。 先生の素顔、ちょっと俺ヤバイ」
久しぶりに見た、ちょっとマジでアレだし、カッコよすぎて困る、やっぱり取ってもらわなくてもイイかも、などと悠仁が狼狽えだす。
二人揃って互いにお互いをヤバい、と評し合っていることに悠仁は全く気付いておらず、
いやあ僕も悠仁もホントお互いゾッコンだよねえ良かったよかっためでたしめでたし、と心の中で満足しながら五条は。
「何今更言ってんの」
シャツから腕抜いてベルト外すから少し腰上げて、と告げる。
「ん・・・・、」
素直に言うことをきくその仕種に、自然と口許が緩むのを止められない。
手は悠仁から衣服を剥ぎ取りながら、いいコだなあと寄せた唇で、彼の口唇を軽く舐め、続けて包むよう穏やかに吸ってやる。
浅いキスを繰り返しながら下着まで全て取り去ってやると、呼吸の合間、軽く閉じていた目蓋を上げて視線がぶつかると、悠仁はバツが悪そうに。
「・・・・なんで、俺だけ、ハダカ」
妙な区切りでそう言われ、ああそれもそうかなと五条は愉快気に笑ってみせ、
「僕もそのうち脱ぐから」
いつもそうだろ、と言ってやると、
「、ん」
曖昧に頷かれた。 怪訝に思い、顔を覗き込むと目線を逸らされた。 どした悠仁、と重ねて聞けば。
「・・・・・・・・。 なんか、やっぱ、ハズカシーし」
ぼそりと、そう口にする。
とっくにこんな関係になってるのに今更ソコ気にする???、などと五条的には思わないでもなかったが、よくよく考えてみれば(いや実際考えるまでもないが) このコはまだ十五歳なのだ。 こちら側にいるからいろいろなところが麻痺してしまっているけれど、世間の一般常識と照らし合わせてみるなら、バレれば自分にお縄がかかる年齢だ。
当然にして性的な経験など自分が手を出すまでほぼ皆無だった。 それからまださほど時間は経っていないというのに。
悠仁のあまりに良い子っぷりに、つい急がせ過ぎたか。 意識しないうち、自分の速度に合わせさせていたのかもしれない。 五条はほんの0・001ミリだけ自省する。 そして。
「じゃあさ、」
とりもたてず、そっと悠仁の腰骨のあたりを撫でた。
「・・・・!」
びくッと慌てるその身体を、身体をもって組み敷きながら自らも手早く器用に衣類を全て脱ぎ去る。 肌と肌が触れる面積が途端に広がった。
「これでいい?」
つい先刻弱いと言われたカオを使い、至近距離で確認を取れば、
「・・・・!!」
再び悠仁の身体がびくりと大きく竦んで、たちまち頬に血が昇った。
「え、あ、・・・・う、うん」
狼狽えながらもきちんと頷いてみせるところは、素直というか律儀というか可愛すぎるというか。
しかしあっという間に耳の端まで真っ赤にしてしまっているあたり、何だか少し気の毒で。
予想以上の反応に五条は瞠目し、結果。
恥ずかしがってる余裕もないくらい、かわいがろうと決めた。 泣くほど気持ちよくするとも伝えてもあることだし。
「声も抑えなくていいし、何も我慢しなくていいからね」
「えッ・・・・」
耳元で、通常より僅かに低く甘味を持った声で告げ、赤く染まった耳にぺろりと舌を這わせた。
「、!」
そのまま耳朶を甘噛みすると、悠仁は呼吸を乱し、首を竦ませる。 続けて耳の裏側まで舐めてやれば、
「ンっ・・・・」
くすぐったさが性感に繋がって首を背けようとしたけれど、構わず首筋にも口付ける。
さすがに跡を残すことはせず、優しく歯を立てるとその都度、身体を震わせた。
そんな軽い愛撫をしばらく楽しんでから、
「悠仁」
背中に手を回し抱き起こすと、幾許か緩んだ目で彼は五条を見上げてきた。
「口、あけて」
ここまでくると抑えがきかない。 五条は吐息ごと口唇を塞いだ。
「・・・・ぅ、」
先刻とは違って深く口付けられ、普段の悠仁であれば、まだ慣れない激しさと、羞恥心も加えられなかなか差し出せない舌を、今回は舌先が触れ合った瞬間にごく簡単に捕らえることが出来た。
ちゅく、と吸ってやると抱いたままの背中が小さく震える。
「、ン・・・・」
息継ぎの際に洩れる吐息は控えめだが甘い。 言えば悠仁本人はきっと認めようとはしないだろうけれど、この子はキスが好きなのだろうと思う。 キスに時間をかければかけるほど反応を増すし、決して嫌がらない。 尚且つ口唇を離すタイミングを決めるのも決まって五条が先であって、
「・・・・舌、出せる?」
「・・・・・・」
少しだけ口唇を解放してそう訊けば、悠仁は一拍置いたあと、ためらいながらも言うことを聞いた。
ちらりと差し出された舌先を口唇で食み、戸惑いがちなその柔らかさを堪能する。
しばらく味わって、それから今度は自分の口内に誘い込む。 と、悠仁の喉が小さく鳴った。
濡れた音を立てながら深いキスを繰り返せば、互いの唾液が顎から喉、胸元へ伝い落ちていくが意にせず、散々長いキスを交わし、まだ少しもの惜しげな悠仁の頭を五条は片手で撫でながらようやく口唇を離した。
それからその身体を仰向けに再びシーツに押し倒し、胸元に唇を寄せてあやすように手のひらで撫でてやる。 間を置かず、淡い色をした片側の乳首を口に含むと。
「ッ・・・・!」
悠仁が息をのむ。 続けて舌を絡ませ、軽く吸ってやると背中がしなるのがわかった。
「・・・・、っ」
小さなそれをころころと舌先で転がしながら、反応して上下する胸を愉しむ。
同時にするりと片手を下肢に向け、優しく性器に触れる。 と。
「ッ!!」
あるイミ油断していたのか、突然絡んできた指に悠仁は全身を硬直させる。 わかりやすすぎるその反応に五条は苦笑して、
「大丈夫だよ」
告げてゆっくり、ゆっくりと擦り上げていけば、硬くなっていた身体が徐々に力を抜いていき、最終的には胸元にある五条の頭を悠仁はあまり力の入っていない両腕でかき抱いてきた。
他に縋るものがないがゆえの仕種なのだろうが、そんな仕種も五条を喜ばせるだけでしかない。
悠仁としても、自分のそんな行動が多少に関わらず五条を煽るであろうことはぼんやりと理解していた。
だけれどもこんなとき宙ぶらりんの両腕をどうすればいいか判らなかったし、自ら言い出したことながら(・・・・) 素顔の五条に全身の隅々までもを晒す恥ずかしさも多々あって。
「ッ!?」
素早く体勢を変えた五条に突然ぐいっと両脚を広げられ、内腿に口付け心持ち強めに吸い上げられ、そこに薄く跡が残る。
首筋と違いまさかこんな箇所を他人には見せないだろうという算段で二つ、三つと赤い跡を付けて五条は、最後に悠仁の性器にふうっと軽く息を吹きかけた。
「んん・・・・っ」
「カワイイなあ、悠仁」
そんなところの間近でにやにや笑いながらそう言ってくる五条を、悠仁はできることなら思いきり蹴飛ばしたい気持ちに駆られるけれど、どうせ避けられるに決まっている。
引き続き恥ずかしいやら妙に悔しいやらで、「ううう」 と歯噛みしかけたのだが。
実質反応しかけているそこにそろりと舌を這わされ、途端にそれどころではなくなってしまった。
「うぁ・・・・ッ!」
たまらず上がった声に満足して、五条はぱくりと口腔内に含み入れる。
舌先で、みるみるうちに硬度を増していく感触を楽しみながら時折吸い上げてやると、膝を折り懸命に上半身を起こしてきて、両手で何とか五条の頭を押しのけようとする悠仁の腕に力が込められた。 けれどこんな程度では抵抗のうちに入らない。
構わず五条は小さく跳ねる腰を押さえ付け、強く弱く吸ったり舐め上げたりを繰り返す。
そうしているうち、若い肉棒はすぐに張り詰め、雫を湛えはじめた。
「素直だなあ」
「ン・・・・っ・・・・」
五条に吐息混じりで囁かれ、悠仁の下肢が震えた。 その拍子に先端からとろりと体液が滴ってしまったのが感じ取れ、自分ではコントロールできない性感にどうしていいのかわからなくなっていたら。
「ッッ!!」
突然、先端を甘く齧られてしまい、悠仁は背中を仰け反らせた。
先端部、括れのところ、裏筋と順番に優しく甘く歯を立てられるたび、鋭い刺激が下肢から背筋を伝って、全身がぞくぞく粟立つ。
「待ッ・・・・、待っ・・・て、先生・・・・っ!」
悠仁の制止も聞かず、五条は思う存分歯を立てたあと、優しく長く先端を舌で愛撫してやる。
自然と逃れようと揺れる腰を抑え、そろそろ白いものも混じりはじめた体液で濡れた性器に、歯と舌だけでなく、口唇も使ってたっぷり刺激を与えていけば、悠仁の上げる吐息よりも余程大きく、粘ついた水音が寝室に響き渡った。
「・・・ッ、・・・・う、う・・・・っ・・・」
腰が小刻みに動きはじめ、悠仁の呼吸がせわしないものに変わっていく。
とりあえずは一度ラクにさせてやろうと、全体を激しく刺激してやる。
「ッ! せん、せ、離・・・・・ッ!」
「一回、イっときな」
「〜〜〜〜〜〜ッ・・・・!!」
咥えながら言葉を発され、その振動に耐えかねて悠仁はぎゅっと強く目をつぶる。
沸き上がる射精感に翻弄され、膝が戦慄くのを止められない。
「ヤ、だ、離・・・・っ・・・・!」
離してほしい、と言いたいのに与えられる性感と乱れる呼吸で、言葉が紡げない。 どうしようもない。
悠仁のそんな様子にも構わず五条は先端を舌先で強く抉る。 と、悠仁の身体が一度大きく震えたあと、硬直した。 途端。
「ん、――――― ッッ!!」
唇を噛みしめたまま、悠仁は五条の口中に勢いよく精を吐き出した。


「は・・・・ッ、っぁ、・・・・は・・・・」
絶頂時、ほぼ自然に止めてしまった呼吸を胸を荒く上下させて繰り返す悠仁。
一度吐き出した性器はいくらか力を失って、五条の手の中で項垂れる。
「も、ッ・・・・は、なし・・・・っ・・・・」
悠仁の言うことはきかず、口中のものを事もなく嚥下し、五条は達したばかりのその先端にもう一度吸い付き、残滓を啜る。
力の入らない身体は、過ぎる刺激に耐え切れず小刻みに動いた。 最後の雫まで搾り出したい五条が一強く吸い上げる。 と、達した余韻にさえ浸る間もなかったそこはたまらず小さく精を噴く。
そこまで残さず飲み干し、上半身を起こしてずらし、五条は悠仁の顔を真上から覗いた。
無言で頬に手を添えると、ずっときつく閉じられていた目蓋が所在無げに開き、
「・・・・・・先生」
ぼんやりとこちらを見上げてきた。
僅かに汗ばんだ身体に、脱力した四肢。 快楽のあとのこんなぼんやりとした表情に、俄然そそられる。
「悦かっただろ?」
「・・・・・・・・・・・・・・・・うう」
悠仁は何某か反論したかったようだが、結局何も口にせず、ただ唸っただけですぐにふいっと目線を逸らし、
ややしてから。
「・・・・エロ教師」
「うわ。 何その実もフタもない言われよう」
「俺がああされるの苦手なの知ってるくせに」
「ええー? 苦手も何も、それ悠仁に自覚させたの僕だよ? その僕に言わせてもらうと、実際そこまでイヤってワケじゃないと思うんだけどなあ」
「!!」
あっけらかんとした五条の台詞に悠仁は固まる。 そんな彼をまじまじと眺め、
あえて煽るよう、指先で自らの口の端を拭う仕草を見せながら。
「イイ味だしね」
「〜〜〜〜〜〜〜〜ヘンタイ教師!!」
「あはは」
でもウソは言ってないだろ、と自己弁護。
悠仁としては快楽よりも羞恥が先に来てしまうというのが問題らしく、セックス自体はもう何度か経験させているにも関わらず、口の中に吐き出すことにいつも抵抗があるらしい。
初めてそうしようとした際、悠仁は驚きすぎて慌てすぎて慄きすぎた結果、とにかくじたばたと暴れ、想定外の抵抗に呆気に取られる五条を横目に、真っ裸で(・・・・) ベッドから飛び出し、真っ裸(・・・・) で部屋の隅に逃げ込んで、ちょうど真横にあったカーテンの中に包まりしばらく籠城(???) した前科(???) があるのだ。
そのときは口八丁手八丁、宥めたりすかしたり言いくるめたり優しく促したり、
・・・・・・・・まあ、結論からいえば実力行使でお縄を頂戴して(・・・・・・・・) 行為に(半ば無理矢理) 及んだというのが本当のところではあるのだけれども。
しかしそれを承知で、五条はこの行為を重ねていく。
キスもそうだけれど、粘膜を粘膜で擦り上げていく快楽は特別で、もう少し慣れたら悠仁にも僕の咥えて欲しいなあ、なんて思っているのだが、そのあたりはまだ早いがゆえ、今のところ言わないでおいている。
とか何とか理由付けをしていても、実際のところは悠仁がカワイイから、という一点に収束されて終わるというのが事実なのだけれど。
「ま、逃げ出さなくなっただけでも進歩したよ」
「!! まだソレ言う!!?」
「あははは。 アレは忘れられない。 ・・・・それより、」
「うわッ!」
行為への羞恥とは別の恥ずかしさにまたぞろ顔を赤くした悠仁をころりとうつ伏せにし、シーツと腰骨のあたりに腕を通し入れ、両膝をついて腰を上げ掲げた体勢になるように導き、臀部に手をかける。
「・・・・・・!!」
途端、悠仁はびくりと反応をみせて、けれども体勢を崩すことはなく、五条は自らの指を口に含み、唾液で濡らしながら。
「素顔になって正解。 ココ、よく見える」
「・・・・な・・・・ッ! ン、・・・・ッ!」
たまらず振り向いて言いかけた悠仁の文句が、不意打ちで途切れる。 五条が前触れもなく、濡れた指の先で奥の窄みに触れたせいだ。
竦むそこを何度か優しくなぞり、僅かに緊張が緩んだところでゆっくりと中指を奥まで埋め込んだ。
「つ・・・・っ・・・」
指自体を濡らしたとはいえ、内側はまったく潤いが無い。
埋めた指をきつく締め付けてくる、やわらかいが狭い内部を探るよう、撫でる。 心持ちやわらかみを増したところを繰り返しさすってやると、悠仁からはくぐもった声が漏れ、締まりに強弱がついてきた。
それをきっかけに、五条の指は目指す箇所を探り出す。 とっくに覚えて知っていたそこは、大した手間もなく見つかった。
「ひ、―――― ッ!!」
前立腺の部分を曲げた指先でくいっと押され、悠仁は大きく背中を仰け反らせた。
「ぁ、ア、・・・・ッッ・・・・っ・・・!」
目の前にあった枕を掴んで堪えようとするけれど、ほんの少し触れられただけで、下半身が痺れるほど感じてしまう。 見て取った五条は容赦なくポイントを擦り、内壁のしなやかさを楽しみながら、同時に受け入れの準備として丁寧にほぐしていく。
どうしたって強い性感から逃れようと腰を退いてしまう動きを見逃すこともなく、力で押さえて今度は爪の先で抉るよう、刺激を与えた。
「あ・・・・、、ッ、ぁっ・・・・」
抑えきれない甘い声が悠仁の口から零れてしまう。 それまで締め付けるだけだった内壁が、徐々に収縮する動きをみせたところで、五条はそこに顔を寄せ、埋められた指と最奥の縁との境目をそろりと舌先でなぞった。
「や・・・! ヤダ、やだって・・・・! せん、せ・・・・ッ!!」
強引に作られた隙間から、濡れて柔らかく温かい舌先が入ってくる。
どうすることも出来ず、悠仁は掴んだ枕に爪を立てた。
「ぅ、あ・・・・っ、あッ・・・・!」
限界まで差し入れた舌で、五条が内側を舐めているうち、刺激に負けたのか悠仁の太腿ががくがく戦慄きだした。 もう大丈夫かな、とこのあたりで指を二本に増やして入口をより拡げる。
二本の指と舌で享楽を与えているうち、悠仁の上体が崩れ落ちた。 肘で支えるだけの力もなくなったようだ。 頬を枕に埋め、うつ伏せで腰だけをこちらに向けて喘ぐ姿が扇情的で、
「・・・・こっちも」
「あぅ・・・・っ」
少しの間、放っておかれた悠仁の性器が、再び熱を持って雫を滴らせているのを見て、五条はもう片方の手でそれをさすった。 ヒクリと内部が反応する。
「・・・っん、・・・う、ぅ・・・・ッ、・・・・ぁっ・・・」
懸命に押し殺そうとする声はもはや半ば涙声で、どうせならとことん泣かせてやりたいなあなどという加虐的な思いが頭をもたげて来たけれども、それはまた、後で。 後日の愉しみに取っておきたい。
そんな勝手な計画を頭に、五条は絶えず唾液を送り込みながらも、手の内に収めた悠仁の肉棒を音を立てて扱き上げた。
「ん、・・・ぅ・・・・ッ、っ・・・・、はっ・・・」
すでに完全に突っ伏してしまいながらも、悠仁は小さくかぶりを振る。 こんなふうにされ、恥ずかしくてたまらないのに、身体は動かない。 あんまり認めたくないけれど、こうされると滅茶苦茶キモチいい。 だけれど一方では物凄くツラくて、今はちょうどその中間点に無理矢理立たされていて、
しかも一体いつになったら解放してもらえるのか分からない。 どうしていいのかわからない。 自分じゃどうすることもできない。 五条の好いようにされるしか。
「悠仁」
そんな状態でいると、ふいに名前を呼ばれた。
充分に潤い、準備の整ったそこから顔を上げた五条は、埋めた二本の指の動きは止めないまま背後から上体を伸ばして悠仁の耳許でささやく。
「悦すぎて、やっぱ泣いちゃった?」
「ッ・・・・、違、・・・・っ・・・」
悠仁は泣いてない、とバレバレでも言い張ろうとする。 が、まあそこは深追いしないでおくのがオトナだと思う(・・・・)。 ので、スルーして。
「じゃあ今度は、僕を死ぬほど気持ちよくして?」
誘うその声は、自分が思うより煽られていたらしい。 思いのほか、掠れていたし、
可愛い悠仁の媚態をずっと目にしていた自らの下半身はとっくに怒張もしていて。
「、」
く、と悠仁が息をのむ。
ずっと埋め込んでいた指をまとめて引き抜き、五条は両腕で腰を抱えあげ、自らを一気に奥まで突き入れた。
「ァ、あぁぁぁ・・・・っ!!」
肉壁を割り入ってくる衝撃に、悠仁は声を抑えることができない。
本来受け入れるべきでないところに過多な質量の熱い肉棒が押し入り、擦れる感触だけで過剰に刺激を受けてしまい、内側が急激に収縮する。 同時、齎される性感に悠仁の身体はがくがく震えはじめた。
「ッ・・・・う、うぁ、ぁ・・・・っ・・・っ」
奥まで自らを埋め込んで、五条ははほとんど動いていない。 ほとんど痛みは無いが、だからこそ彼の熱と硬さをより一層感じ取ってしまい熱量と質量に翻弄されて、、どうしたらいいのかわからないのを通り越し、もう何も考えられなくなってしまう。
「・・・・ふ・・・・ッ・・・!」
ぽつぽつと糸を引いて雫を滴らせていた先端から、ほんの僅か白いものが飛び散った。 けれどそこはまだ芯を保ち、上を向いている。
「ん、ちょっとだけイった?」
気付いた五条の手が、小さな絶頂を迎えてびくびく引き攣る肉棒を捕らえ、焦らすようゆっくりと扱き上げながら、合わせて下肢を使い始めた。
「―――― ッ・・・ひ、ァ・・・・ッ!!」
悠仁の喉が一瞬詰まり、背中が弓なりに反る。
「っ、ッぁ、や、やだ・・・・ッ、俺・・・っ・・・、もう・・・・っ・・・」
枕に顔を伏せた悠仁の声はもう途切れ途切れで掠れて涙に濡れていて、小さくかぶりを振りながら乱れる姿態に五条も堪えきれなくなる。
「・・・・あんまりヤダヤダ言わないでほしいなあ」
表向きは苦笑してみせたが、一度素早く腰を引いて自らを抜き、ほとんど力技で悠仁の身体を抱き、仰向け両脚を抱え上げたが早いか、再び己を激しく突き入れた。
「〜〜〜〜ッあ、ぐッッ!!」
「ッ、」
奥の奥を突いた瞬間、悠仁の先端が勢いよく白濁を放った。 連動して内壁がきつくきつく締まり、五条も咄嗟に息を止め、連れて行かれそうになるのを何とか先送りにする。 そうして、
「ゴメンゴメン、悠仁の可愛いカオが見たくてさ。 ・・・・って、だ、大丈夫?」
挿入の衝撃で見る間もなく達してしまった悠仁は荒い息で喘ぎつつ、余韻にくったりと脱力してしまっていた。 内側に五条がありつつも、何だか今にもこのまま落ちてしまいそうだ。
「ゆーうーじー?」
「・・・・ん」
呼びかけにもぼんやりとした返事の彼を起こそうと、五条は少々強めにぐいっと内部を抉った。
「んんッ・・・・!」
途端、身体が戦慄いてまた少し先端から白いものが飛び散る。
「まだ残ってた? いいねえ、若いねえ」
「、んッ・・・・、ぁ、ぅあ・・・・っ・・・!」
意地の悪い揶揄も、理解して受け止めるところまで行かずに悠仁は喘ぐことしか出来ない。
一方で五条を受け入れている内側は、何度も押し寄せてくる快感に伴い別の動きをみせ、次第に搾り取るように五条の肉棒に絡み付き吸い付いてきた。
「・・・・凄い、よさそ」
「ふ・・・・、ぅッ・・・・」
上半身を倒し、悠仁の性器を自らの腹で擦ってやって、シーツを握りしめていたその手を取り、
ほら、もっと近くでと五条は自分の首に導いてやる。
「・・・・・・せん、せ? え・・・、あ、ッあ、あ・・・・ッッ!」
即座に動き始めた五条に、反射的に悠仁は回した両腕に力を込めしがみ付く。 身体中に響く快感は、そうでもしていないと受け止めきれそうにもなかった。
「く・・・ぅ、ッ・・・・、あ、ッや・・・・ッ・・・・」
弱い弱いポイントを、濡れた先端が狙って突いてきて、たまらずに腰が揺れ、逃れようと動く。
「逃がさないよ」
「・・・・ッッ!!」
五条も、次第に強まる締め付けの快楽に声を艶めかせながらも、更に悠仁の悦点を集中して穿っていく。
「や、め、そこ、ヤダ・・・・っ・・・・!」
「ソコってどこ? ・・・・ここ?」
「っ、―――――― ・・・・!!」
分かっていて、なのに思いきりぐりぐりと突き上げてくる五条。 悠仁は声も出せない。
弱いところを重点的に愛され、内部が蠢く。
耳元で五条の吐息が響き、悠仁は揺すり上げられながらも、今までずっと閉じていた目を薄く開いた。
「どした?」
それにすぐに気が付いた五条が、心持ち動きを抑え気味にして覗き込んでくる。
「・・・・やっぱ、先生、・・・・カッコいい、よな、・・・・って」
思わず本心、考えていたことをそのまま口にしたら、
「お眼鏡にかなって光栄かな」
嬉しげに笑った五条に、軽いキスをもらった。 そうして、
「ん・・・・ッ、ん、う・・・・!」
ぐいぐいと容赦なく前立腺を攻められ、漏れるような快感に涙が浮かぶ。 すでに下肢はぐしょぐしょで、勃ち上がった性器はとぷとぷと蜜を滴らせて熱い。
「・・・・く、」
きゅうきゅうと吸い付いてくる柔らかくも弾力のある内壁に、五条も限界を感じてくる。
腰の動きを強く早く、手では絶頂近く膨れて張り詰めた悠仁の性器を包み、激しく根元から先端までを揉み上げ擦り抜いた。
真っ直ぐ高みに連れて行かれる容赦のない愛撫に、悠仁の身体が大きく痙攣を始めた。
「も・・・・っ・・・、イ、く・・・・!!」
悠仁の限界を告げる、縋りつくような声。
誘われて五条の腰も、纏わりつく重く甘い快感に流されそうになる。
「は・・・・、ッ・・・・」
「うぁ、あ、あッ・・・・!」
激しく穿ちながら腰を引き寄せ、
「一緒に、 ・・・・ね?」
奥の一番やわらかいところをぐいぐいと突き、それから角度を変えて前立腺を抉ると、
「あ、う、・・・・ぁ―――― ッッ・・・・!!」
たまらず悠仁は一際大きく戦慄き、五条の手を大量の精で濡らした。
間髪入れず内壁が強くきつくうねり、痛いほどの締め付けを見せ、五条の絶頂も促し、
「ク・・・・!」
喉を詰め、絶頂の呻きを堰き止めてそのまま悠仁の中に吐精する。
内側を濡らす熱に悠仁の全身から完全に力が抜けるのを感じ取り、五条は自らを引き抜き、それから息も絶え絶えの悠仁に浅く口付け、啄ばむキスを送ってやる。
「・・・・ん」
度重なる絶頂の余韻に、きっと何が何だかわからなくなっているのか、大した反応もみせず、ただぽやんとした視線で、ぼんやりこちらを見上げてくる表情は普段のそれよりも更に幼い。
「そろそろ眠くなってきた?」
抱いた手のひらで、背中を穏やかにぽんぽんと叩く。 と。
「ねむ、い・・・・かも・・・・」
実際のところ 『かも、』 どころではなく、激しい全身運動の反動か、訪れた睡魔に今にも悠仁は負けそうだ。
「それじゃ寝ちゃいな。 朝、早い時間に起こしてあげるから」
「・・・・うん。 ・・・・ありがと」
ぽんぽん叩いていた背中を撫でる動きに変えた途端、すーすーと寝息が聞こえ始め、
この温かい子供と一緒に、自分も少し眠ろうと五条は思った。
























「ゆーうーじー」
「・・・・・・・・・」
「ゆーうーじー?」
「・・・・・・・・・う・・・・」
爆睡していたところ、何だか物凄く近くで名前を呼ばれ、悠仁は無理矢理意識を覚醒方向に引き戻された。 重くて仕方のない目蓋をのろのろと擦り、ぼやけていた焦点を結ぶ。
「五条、先生・・・・?」
なんで五条先生が素っ裸で隣にいるんだろ、と寝ぼけた頭で考え、
「っ・・・・・・?」
ぽやぽやしたまま思わず隣で片肘を付きつつ自分を眺めている五条を見る。 それから。
「ッッ!!!!」
慌てて思い出した。 記憶が呼び起こされた。 脳裏に色々よみがえった。
何故か思いきり焦りながらベッドの中、上掛けを捲り上げて自然と自分の下肢を見る。
「〜〜〜〜〜〜!!!!」
五条はその様子を受け、やたら楽しそうに口の端を上げて。
「もう9時半過ぎだけど、起きられる? シャワールーム行ける?」
「は!!?  エ??? くじ、・・・・って、9時半過ぎーーーーーー!!!?」
さあああ、と顔色をなくし蒼褪める悠仁に、
「ゴメンねー、僕も寝坊しちゃった」
まあ日曜だしイイよな、と一切悪びれずに笑って誤魔化す。 が、当の悠仁はそういう訳にはいかないようで、
「俺10時に!! 伏黒と! 釘崎と! 出かけ・・・・!!」
マジかマジか絶対間に合わない、こんなグチャグチャのガバガバのメタメタのガビガビじゃ風呂にも入んなきゃマズイしアレだし遅刻するって言ったってスマホも俺ん部屋じゃん連絡できねーじゃん絶対間に合わねーじゃん、と頭を抱え込む。
「そんな焦んなくても。 恵には悠仁ちょっと遅れるよって僕が連絡しとくよ」
「・・・・なんか不自然すぎね? なんで先生が、って伏黒が思ったり、」
「そんなん平気だよ、あの子もそこそこ聡いから。 そもそもとっくに気付いてるハズだし」
「ファッ!!?」
開いた口が塞がらない悠仁を前に、どこから取り出したのか五条はスマホで伏黒と何やらへらへらと話し、
それじゃ野薔薇にもそう言っといて、頼むねーと軽ーく通話を終わらせ、
「と言うワケで、悠仁は午後イチで二人と合流ねー。 それなら余裕だろ?」
「・・・・午後イチ、」
まあそれなら、と悠仁はほぼ無理矢理懸命に自分を納得させようとしたのだが。
「うん。 だからさ」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・エ???」
伸びてくる五条の腕。 逃げられるはずもない。
「ちょ・・・・、待、なん、で・・・・ッ! 起きたばっかで・・・!」
昨日ヤったばっかじゃん! とも喚きたいのだが、そう言う前に。
「えー、だって僕1回しかイってないしー。 全然足りないしィー」
「先生はそうかもしんないけど! ・・・・・・・・!」
そこまで口にして悠仁は黙り込む。 自分はあんなに、とかさすがに言えない。 当の五条がこれまたやたら嬉しそう愉しそうにニマニマ見てくるから、尚更。
「と、とにかく、絶対ムリだって!! ヤっちゃったら、午後イチとかも絶対ムリ!!」
跳ね起きようとしても、相手が悪すぎる。
「ンっ・・・・」
みるみるうちに組み敷かれ、ぺろりと喉元を舐められ続く言葉が出て来ない。
昨晩、というか数時間前にあれだけ愛された身体はまだひどく敏感なままで、重なった身体の素肌が触れ合うだけでぞくぞくとしたものを齎してくる。
「あと2回くらいはさ、悠仁の中でイかせて?」
「なッ・・・・」
有無を言わせないキスで口唇を塞がれる。
流されるしかなかった。




















結論から言えば、その日曜日、悠仁は五条の部屋から夜まで一歩も出ることがかなわなかった。
伏黒へのその旨の連絡はセックスの合間に再度五条が入れたらしいが(※その際悠仁は意識飛ばし中)、果たしてどう伝えたのか、ちょっと恐ろしくて聞く気にもなれない。
「伏黒は、まあ、平気かもしんないけど、釘崎が・・・・」
アイツに何て言おう、とぼそっとぼやいたら。
「野薔薇にはちゃーんと真希、呼んどいたから。 問題ない」
そのあたり、僕に抜かりは無いよと言う五条に、
「へ? なんで?」
悠仁が首を傾げると。
「なんで、って、野薔薇は真希にメロメロだし。 真希さえいればゴキゲンも直るから心配ない。 真希が来た時点で悠仁のコトは頭からキレイさっぱり消えてなくなってるから大丈夫」
「・・・・・・は?」
ええとそれはつまり。
野薔薇は真希と。
そういう、コト、で。
「ビックリした!! 俺スゲーびっくりした!!!!」
「ってコトでさ、最後にもう一回」
「ムリ無理ムリ!! 無ーーーー理ーーーー!!!!」
この後も何度イかされたか、当の本人もわからないほど可愛がられ、
ようやく解放されたのは夜もそろそろ遅い時間、丸1日ぶり、悠仁が自室にようやく戻ってスマホをみると。伏黒から、
『明日 昼飯 おごれ』
それだけ届いていた。








翌日、悠仁は伏黒から、
『釘崎と真希とのイチャイチャを延々と見せつけられつつ自分は二人の荷物持ちで1日が終わった話』
を淡々と聞かされることになったが、その詳細はまた、別の機会に。






















『初めてものがたり』 にしようかと思いましたが痛いの可哀想なのでやめました。