[ XeCr・2 ]






どうせどうにかしてくれるなら、
いっそここまで好きにさせてくれたなら、
どのみちあんなに引っ付かせてくれたのなら、




もっともっと、




好キナヨウニサセテ甘ヤカシテ。


好キナコトヲサセテ甘エサセテ。




普段一緒にいられない分、思うようにあんなコトこんなコト、とことんサセテ。




いつも一緒にいる火神に嫉妬はしない。 だって仕方がないしアイツのことは嫌いじゃないし。
だけどその分、独占欲だけはどんどん強くなる。


























「オレ、黒子っちとと一緒に風呂に入るの、ユメだったんっスよ」
「な・・・・」
超特急で運ばれたバスルーム、その床にそろりと降ろされても、
一人ちゃっかりジーンズとシャツとを身につけていた黄瀬とは逆に、全裸のままの黒子は唖然としたまま、
ぺたりと座り込むしかない。
そんな黒子に、
「ここまで来たら、夢も叶えたいのが当然じゃないスか」
などと嬉しそうに言いながら、腕を伸ばしてじゃれ付く仕種で黄瀬は黒子にべたべたと引っ付く。
もちろん、そんな黄瀬の言動に息を飲んだのは黒子の方で。
なんとなく、
なんとなーく、イヤな予感しかしない。
そんな自分の本能に従って、ここからなんとかしてどうにかして逃げ出すにしても、何しろ自分と比べてもやたら背の高い相手と一緒にいるがゆえ、(実際にはそれほど狭くはなく、むしろ広い部類に入るのだろうが)
妙に狭く感じてしまう浴室内、唯一の出入り口であるガラス扉は当の黄瀬の後ろ、
しかも自分は全裸で、衣類一式は部屋に置き去りになってしまっているし、
そもそも逃げ出せるほど体力も回復していないし、現状は黒子にとって総て始末が悪い。
「・・・・・・・・一緒に湯船、くらいなら」
なんとなし、
なんとなーーーし、のイヤな予感を振り払いつつ、黄瀬の思惑に気付かないフリをして、
譲歩案でそれだけ、伝えてみる。
けれどそんなフツウの意味合いで受け取ってもらえるはずもなく、
「うん嬉しいっス。 けどもっと甘やかして?」
にこにこ笑いながらの顔とは裏腹に強い力でぐいと抱き込まれ、
「え・・・・?」
気がついて視線を上げれば、すぐ至近距離に嬉しげ楽しげな眼があった。
「黒子っち、」
「え・・・・???  ・・・・・・!!?」
まさか。
最大級にイヤな予感が黒子の背中を走り抜ける。




「だっ・・・・ダメです!」
「えー? 何がダメなんスか」
自分の腕の中、真剣に狼狽する黒子の顔を、黄瀬は心外そうに覗き込んで最後まで言わせず。
「何がって、こんなところで」
「へえ。 ダメな理由が場所ってことは、身体がキツイとかツライとかって訳じゃないってことっスね」
「・・・・・・!!」
信じられない、といったように見開かれる瞳を宥めるよう誤魔化すよう、
本気で抵抗されないうちにくいっと小さく顎を持ち上げ、上を向かせた唇に、素早く自分の唇を重ねた。
隙をついてするりとするりと口腔内に入り込んできた濡れた舌に、黒子はいとも容易く舌を絡め捕られて吸い上げられる。
「ッ・・・・」
その拍子に偶然にも、息苦しさと黄瀬のこの暴挙から逃れようと止めさせようと、
無理に伸ばした右手が水道のコックのレバーを掴んで、それまでバスタブに給湯されていた湯が、
一瞬の間を置いた直後にシャワーの暖かな雨に変わり、
飛沫が床上の二人の頭上から降ってきて、揃ってみるみるうちに全身濡れそぼっていく。
「・・・ふ、・・・ッ」
シャワーの流れ出る音に混じり、激しいキスの濡れた音と、甘苦しげな黒子の息が僅かに耳を打つ。
しかし黄瀬は未だ貪る唇を離さない。
「・・・・っ、・・・・!」
全てを味わっていくかのように、息継ぎのたび何度も何度も僅かずつだがキスの角度を変えては口付け、
執拗に舌を絡ませて腕の中の黒子の体勢を、自分の都合の良いものに変えていく。
そしてざあざあと流れ出続けるシャワーで、濡れて頬に張り付いた髪がうざったくなった頃、ようやく唇を解放した。
「身体、ちゃんと洗ってあげるっスから」
吐息が触れ合うほどの至近距離でそう囁きながら、黄瀬は弱いとつい本日知った耳朶にかぷりと優しく噛み付いた後、しっとり濡れた首筋に、跡を残さない程度に調節しながらも、強く弱く啄ばんで。
「黄、瀬く・・・・ッ」
「んー?」
笑いながら、軽く胸にもキスをする。
その感覚に小さく跳ねる胸元に、黄瀬は一層楽しみを覚えてしまったらしい。
「・・・・、ッ・・・」
ちゅく、と這わせた舌で、ぺろりと肉粒を舐めあげ、瞬時に形を顕して硬く立ち上がってくるそれをなぞり上げるように愛撫していく。
巧みなその舌先と、絶えず降り注ぐシャワーの雨。
一秒ごとに、つい先程までの行為の燻った熱が蘇り、黒子の全身の感覚が過敏になっていく。
と、
「ん・・・っ・・・・!」
舌先で嬲られていた肉粒に突然歯が立てられた刺激に、思わず堪えきれなかった声が漏れてしまった。
それは、浴室だけあってより大きく残響してしまい、慌てて唇を噛み締めたのだが。
「ハズカシがらなくったっていいっスよ〜」
もう今更っしょ? と宥めるよう黄瀬は言って、そのカワイイ声に余計にやる気をにじませた。
「じゃ、とりあえずオヤクソク」
心底嬉しげにそう言い放った後、愛撫の手を止め、(しかし片手でしっかりと黒子を抱き込みつつ)
器用にも腕を伸ばして片手でポンプを押して手のひらに乗せたものは、淡い色のボディーソープ。
「、」
黄瀬の意図を読んだのか、黒子が息を呑むのを抱き込んだ腕と胸で感じ取れたのだが、
「これでオレと黒子っち、同じ匂いになるっスよ♪」
戯言で覆い隠しながら、ボディーソープでぬるぬると滑る手のひらで、かまわず黒子自身をするりと撫で上げる。
「あ・・・・ッ・・・!」
途端に大きく震える身体を抑え込みながら、その箇所全体をボディーソープで覆い隠すように、
未だそれほど反応を見せはじめてはいない黒子自身を緩やかに扱き上げた。
「ん・・・ッ、・・・・っ・・・!!」
みるみるうちに泡立って、滑る手と指で敏感な部分を刺激され、黒子の腰をぞくりぞくりと快感が駆け上がる。
「・・・・、っ、・・ん・・・ッッ・・・・」
声を堪えるため、唇を噛み締めても喉が苦しく音を立ててしまい、呼吸がうまく出来ない。
「声出して、黒子っち」
黒子自身にゆるりと指を絡ませながら、気づいた黄瀬はもう一度口唇を重ね合わせ、きつく噛み締められたそれを柔らかく吸う。
それから、口唇を移動させて細い首筋を何度も何度も繰り返し吸い上げて、
一方では泡だらけの指先で硬くそびえ立つ胸の飾りをくりくりと転がし、摘まみ上げた。
「・・・・っ!」
弱い箇所を同時に愛撫され、無意識に黒子が髪を振って身悶える。
と同時、泡と指とで過敏に反応する黒子自身はみるみるうちに勃ち上がり、黄瀬の手の戒めの中で確実に大きさを増していく。




「・・・・ね、イイっスか?」
尚も声をあげようとしない強情さに苦笑しつつ、黄瀬は添えた指で裏筋を愛おしげに擦り上げながら囁きかけた。
「やめ・・・・!」
囁きに対する黒子の返答は、ずっと流れ続けているシャワーの音にかき消されてほとんど聞こえず、
むしろくちゅくちゅと指先から紡ぎ出される濡れた音の方が大きいくらいで。
「黒子っち?」
どうしても黒子の口からそれが聞きたくて、彼自身を上下に大きく扱き上げながら、無理を承知で強請ってみる。
が、
やはりと言うべきか当然というべきか、黒子は絡む息の下、懸命に声を堪えるだけだ。
なのに愛撫により、腰はもうがくがくで床についた膝も震えていて、
上半身だって黄瀬が支えていなければとっくに床に伏してしまっていそうな現状だというのに、
なのに懸命に快楽に耐える黒子の姿に、否応なく黄瀬のココロも欲も逸る。
「―――― ッ・・・!!」
くりくりと先端をぬるつく泡と爪先で刺激を与えれば、直後に反応する細い身体。
どこまでも主導権を握っているのは自分の方であるはず、
無理矢理こんなシチュエーションに持ち込んだのも間違いなく自分であるはずなのに、
少しずつ自分の頭の芯から持っていかれるような感覚。
黒子がこんなことをさせるのは、間違いなく自分だけのはずで、
自分がこんなに逸るのも黒子しかいなくて、それはもう絶対的にわかっているはずなのに、
どうしてこんな。
こんなにも独占欲が暴走するのか。
「も〜、全部黒子っちのせいスよー・・・・?」
「何、が・・・・っ・・・」
「あんなトコロで緑間っちの名前とか出すから」
「・・・っ、・・・・!」
勝手な物言い。
でもだって緑間のご託宣がなかったら、今日のこの僥倖は訪れなかったかもしれない訳で、
というコトは、それほどまでに黒子が緑間の言に信頼を置いていたからこその僥倖だったのかもしれなくて、
ああやっぱり前言撤回。
嫉妬もするし独占したいし独り占めだってしたいし占有占拠。 誰にもやれない。
「ちゃんと責任、取るから」
「ッ・・・・んぁ・・・・っ・・・・」
ふっと目を細めた黄瀬の囁きと、絶えず自身に与え続けられる愛撫刺激に、次第に黒子の先端から透明なものが滲みはじめてきた。
支える片腕に、少しずつ細い腰ががくがくと震え出すのを感じ取りながらも、
決して激しさを増すこともなく、泡を絡めてぬるりと手のひらと指を滑らせ、上下に擦る動きで愛撫を続けていく黄瀬。
その動きは緩やかだが、時間をかける分、確実に黒子を追い上げる。
「・・・・黄瀬く・・・・・ん・・・・!」
下肢からぞくぞくと沸き上がってくる重い熱。
ぐっとこみあげてくる射精感に、その部分のぬめり方はもはや泡だけのせいじゃない。
気付けば膨れ上がった黒子自身は、びくびくと脈打って解放を願う。
だが黄瀬は、黒子自身がそんな状態であるにも関わらず、前触れもなく、張り詰めたそれの根元を強く強く握り込んだ。
「んう・・・・ッ・・・!!」
そのままだったなら、あと僅かで達せるところであったのに、寸前で解放を遮られる苦しみに、黒子の腰が大きく戦慄いた。
「・・・・なッ・・・」
「だって、流さないと」
黒子が目を瞠ると同時、黄瀬は悪戯っぽく笑って。
そうして、ずっと出しっぱなしだったシャワーを片手を伸ばして取り、
勢いよく湯の流れ出ているノズルの部分を根元を戒めたままの黒子自身に向け、大量の泡を流し始めた。
「ひ、――――ッッ・・・・!!」
限界まで過敏になった部分に、激しく叩き付けられる絶え間ない水飛沫。
それは絶頂の手前で堰き止められている身体には耐えられない、どうしようもなく強すぎる刺激で。
「・・・ッ、う・・・・あッ、ああ・・・・っ・・・・!!」
たまらず黒子は身を捩るが、離しはしない黄瀬の手の内で熱の塊が大きく脈打つ。
苦しげに背中を仰け反らせる身体から、ひとしきり泡を流し終えると黄瀬はまたもやシャワーを放り出し、
尚も自身に絡めた指から力を抜くことはせず、素早く自らの身体を下方にずらして黒子自身の先端を口内に含み入れた。
「ん・・・・ぁ・・・・ッ!」
暖かな口腔と、柔らかな舌が直接に触れてくる感覚に、
図らずとも腰が震え、喉の奥から堪えきれない声が唇の端から零れ落ちる。
「やらし。 でもって可愛すぎっスね」
「っっ・・・・!」
笑った黄瀬に、ちゅっ、と先端を軽く吸われた勢いで跳ね上がってしまった腰はもうどうしようもなく、
そのままがくがくと震えて上下に動き出してしまう。
黄瀬はそれを合図として全体的に唇と舌の動きを激しくさせ、特に念入りに裏側の部分を丁寧に何度も何度も舐め上げ、続けて括れの部分に丹念に舌を絡ませて愛撫刺激を与えていった。
「離、してくださ・・・・ッ・・・!!」
絡んで荒い吐息の下、すでにとうの昔に限界も限界な黒子自身は、一目瞭然なほどに膨れ上がって自己主張し、渦巻く甘い快楽で痛いほど疼く。
「えー? こんなに可愛いのにー? って言いたいところっスけど」
嬉しげに黄瀬は笑って。
一度言葉を切り、それからふっ・・・・、と唇の端を緩めて視線をやわらげた。
「黒子っちのお願いなら、聞かないワケにもいかないか」
言って即座に指先の戒めを解き、素早く後ろに滑らせた手のひらで双珠を大きく揉み上げながら、
蜜の滲んで止まらない先端の窪みにくいっ、ときつく舌先を割り込ませる。
「あ・・・・っ・・・!! っ・・・く・・・・!」
途端、びくりと黒子が大きく身体を震わせた直後。
黄瀬の口中、溜まった熱が吐き出されていく。
その弾けた白蜜を、僅かたりとも飲み零したくなくて全て飲み干し、
最後の雫まで唇を離さずに、受け止めた。




「平気・・・・っスか?」
達した後、たまらず崩れ落ちた黒子の、水滴と汗とで乱れて頬に張り付いた髪を丁寧に払ってやって、
黄瀬が声をかけて顔を覗き込むと、
「〜〜〜〜〜〜、きっ、黄、瀬・・・・くん・・・・!?」
そんな状態ながらも、黒子にしては珍しくもあたふた狼狽、ポーカーフェイスの欠片も感じ取れない表情で、信じられない、といった様子。
「んー? 何?」
「な・・・・なんで、飲・・・・・」
どうやら、黄瀬が飲み干したことに物凄く慌てている、というか、
咎めたいオーラが薄く浮き出ている様相なのだけれど、
それでも頬は赤く上気しているし、吐蜜直後で呼吸は収まっていないそんな姿では咎められても、何一つ痛くも痒くもない。
「飲みたかったから飲んだだけっス。 あ、もしかして黒子っちもオレの飲んでくれるとか?」
ふざけて言いながら、宥めるように触れるだけのキスを未だ落ち着かない唇に落とそうとすると、
「イヤです」
ぼそりと呟かれ、キスにはふいっと顔を背けられて堂々と拒否。
あ、ヤバ。 怒らせちまったかな、と内心焦った黄瀬だったが、
それはそれ、後でいろいろフォローするとして、そろそろ自分自身の欲もつらい頃合で。
どんなに顔を覗き込んでも、視線を合わせてくれない黒子にキスをすることは諦めて、
「・・・・それじゃ、」
心持ち低めの声と共に、性急にその両脚を大きく開かせ、両腕を使って抱え上げた。
「っ、・・・・」
こうなってしまったら想定せざるを得ない行為とはいえ、奥まった箇所を部屋よりも明るいバスルームの照明の下、晒す体勢を取らされる格好に、
黒子が無意識のうちに腰を引いて逃れようとするが、間髪入れ最奥をつつつ、と撫で上げて抵抗を封じ込める。
黄瀬は指先で最奥の周囲を焦らすように辿ってから、
そのまま指を内側に侵入させた。
「・・・・ッく・・・・ん・・・・!」
僅かに身じろいだ黒子だったが、埋めた指で確かめる限り、
内側はつい先刻まで受け入れていた名残、黄瀬の残滓まだまだ残し持っていて濡れている。
更に温かな湯の効果もプラスされ、すでにぬるついて、受け入れる様を呈している。
「ん。 イイ感じ・・・・」
添えて埋め込む指の本数を増やし、より奥まで深く差し入れてみても、内壁は抵抗もなくそれを受け入れて、
「―――――――、 っっ!!」
黄瀬が戯れに指先を、奥まった位置に狙いを定めて撫で上げると腰が大きく戦慄いた。
その部分を執拗に、楽しみながら何度も押し上げると、
「っあ、・・・ぅ・・・・っ・・・・」
直接的に与えられる快楽刺激に翻弄されるのか、
身体を使って開かせた両脚の中心部では、先ほど一度達したばかりの黒子自身が再び欲を取り戻し、
小刻みに震えながら頭をもたげ始めていく。
「・・・・黒子っち、イイ?」
「ん、・・・あッ、ぁ・・・っ、ぅ・・・・・っっ!」
過敏になっている自身の先端を、爪先で軽く撫で回されて黒子の身体がビクッと大きく跳ねて仰け反り、
その反動で受け入れさせられている黄瀬の指を内壁がきつく締め付け上げてしまい、直後に無論その刺激は自分に響き返ることになる。
「そんなに締めたら、指、抜けなくなっちまうっスよ・・・・?」
「・・・っそん、な・・・コト、知・・りませ・・・・・っ・・・!」
ボクのせいじゃないです、と言外に喘いで反駁する黒子に、黄瀬は笑ってそっすね黒子っち悪くないスこれっぽっちも、と告げながら先ほど交わし損ねた、触れるだけのキスを無理矢理落として、
まだ少し込められている身体の力を抜かせるべく、そっと黒子自身に手を添え優しく擦った。
「・・・・っ、ふ・・・・っ・・」
優しく緩やかに扱き上げられる、甘い愛撫に否応なく反応してしまう身体は、徐々に少しずつ緊張をといていく。
そして時期を見計らった隙、埋めていた指をまとめて引き抜き、
とろりと白色と湯の混ざったものが滴るにも構わず、腕の力を使って黒子の身体を持ち上げ、
バスタブの合い向かいの壁に黒子の背をぴったり密着させて預けさせながら、いつからか乱暴なほど猛って昂ぶりを見せた自身の先端を、つい先ほどまで指を受け入れて蕩けた入口に強く押し当てた。




「あ、―――・・・・!」
熱い熱の触れる感覚に、黒子が息を詰める。
「・・・っく、狭・・・・」
腰を進める黄瀬もあまりの悦さに、片目を細めて悦楽の吐息を零しながら一挙に最奥まで自身を埋め、
間を置かず激しく腰を使って動き出す。
一度目の行為と、そして先程までの愛撫で蕩けているはずではあるのに、
猛った黄瀬を迎え入れ締め付ける強さは極上で、気を抜けば全て持って行かれそうになるほどに狭く、きつい内側。
自らも熱い吐息を零しながら、黄瀬は一度最奥を突き上げた後、
すぐに己を半分ほどずるりと引き抜き、その箇所からすぐ近くにある黒子の弱いポイントをぐいぐいと先端で押し上げた。
「あ、あ・・・ッ! ・・・・ッ・・・・!」
最も鋭敏な部分を連続して容赦なく刺激される快感に、
互いの腹の間で屹立している黒子自身から、とめどなく透明な蜜が零れ始める。
気づいた黄瀬は、そこを手で愛撫してやる代わりに、自らの腹部を寄せて膨れ上がるそれを何度も擦り上げる刺激を送った。
と同時、前への快楽に内壁がたまらず反応し、
収縮した刺激で黄瀬にも快感が返される。
「す・・・げ・・・・!」
「ん、んッ・・・・っ・・・・!!」
前後から攻められる快楽に、身体を仰け反らせる黒子に黄瀬は連続して抽挿を繰り返し、
高みを目指す動きで追い上げていく。
黄瀬の腰が動くたびに、繋がった場所からシャワーの音ともバスタブの湯の音とも違う、
湿って濡れた水音が密やかに鼓膜を打ち、抑えることも出来ない互いの荒い息遣いに混って響いた。
快楽にガマンできないと、黒子が何度も首を横に振る。
そんな仕種は、もう限界近い証拠でもあって、
きゅうきゅうとこの上なく締め付けられる黄瀬も、自身の快楽を辿って追う。
「・・・・ん・・っ、黒子っち・・・・」
「も、う・・・・っ・・・! ・・・・く・・・・ッ・・っ・・!」
しっかりと抱え上げた腰、繋がった下肢ががくがくと大きく揺れ、
一際大きく内壁を抉ったと同時。
互いの腹で、繰り返し何度も何度も擦り上げられた黒子自身が弾けて達した直後、
黄瀬もまたも内部で続けざまに欲を放ち、全てを注ぎ終えた後、


黄瀬が眼前の黒子の肩口に顔を埋め、


「・・・・マジ、オレ、今、死んでもいいくらいシアワセかも・・・・」


惚気も惚気、一万パーセントくらいの本音本心が呟きとして漏れ出でてしまったところ。


「・・・・・・今、こんな状態で110番とか、ボクが困ります」


そんな言葉が途切れ途切れに返ってきて、


「昇天するなら今しかないっレベルっスよ」


満面で破顔、幸せ全開でこの上ないほど、モデル業でもどこでも誰にも見せたことのない蕩けるカオで、
本日、何度目なのかもう数えていられないほどのキスをした。




神様仏様緑間様。 こんな可愛い黒子っち、もう絶対オレのものっス。





































最終的に、結果オーライ終わり良ければ全て良し、
素敵な託宣をくだしてくれた緑間に黄瀬は感謝する。


そして後日、事細かに詳細を緑間本人に報告してみたところ、
「・・・・・・。 わざわざ語らなくて良いのだよ」 とあからさまに嫌なカオをされたその横、
「へー! で、??? もっと詳しく」
と思いきり興味津々な人物が一人。
その様子に黄瀬が 「ん?」 と怪訝に思いかければ、
「いや、オレとしてもせっかく先人がいるんだから、今後の勉強っつーか予習? その方がオマエもイイよなー?」
などとあっけらかんと口にするのは誰でもない、高尾で。
「不要なのだよそんな予習は!!」
「えっじゃあぶっつけ本番? それがイイってコト? まあ真ちゃんがそう言うならオレは別にイイけど。 よし。 そこらへんは任せとけ」
「高尾!!」
珍しくも今にも頭から湯気を出しそうな眼鏡と、けらけら笑う高尾。
「えっ、・・・・ああ、 ・・・・・・あー! そういうことっスか。 なるほど」
やっとここに来て、黄瀬はその意味合いとこの秀徳二人の関係に気付いて納得して諒解し、
たぶん緑間より1000倍くらい話の通じやすそうな高尾に的を絞って話しかける。
「知りたいコト、何かあったりするっスか」
「あ、とりあえずローション。 どこで買った? やっぱ通販?」
「高尾!!」
一歩ひいたところからの緑間の怒声にも、微塵も高尾は揺るがない。
「あとは事後処理とか。 地味ーに大変だよな?」
「あ、それはっスね、あんまやりたくないスけど最初に新聞を敷いとくとイイらしくて」
「うわ、マジでそれは最後の手段だろ」
「高尾!!!!」
揺るがないどころか、むしろ無視。 まったく怯まない。
「オレも、それは今後もちょっと避けたいっス」




「――――――――――――――― オレは帰る」




「あ〜あ、帰っちまったけど緑間っち。 イイんスか」
呆れたのか匙を投げたのか見切りを付けたのか見放したのか(たぶん全て)、
踵を返して振り返りもせず、みるみるうちに遠ざかっていく緑の眼鏡を見やりながら、一応黄瀬は聞く。
すると当人曰く、
「へーきへーき。 どうせ明日も学校で会うし」
「やっぱ同じ学校同じ部って最強っスね」
「だろ? 毎日楽しいぜー? 役得役得」
やたら楽しそうにそう答える高尾に、何故か黄瀬は妙に安心しつつ、
「で、そっちの進展の方は」
どうなんスか、と好奇心いっぱいで尋ねてみれば。
「まだ攻略中。 つっても全部フラグは踏んでるし、エンディングも完璧にわかってる中でのお楽しみ回収ルートってとこ」
「なるほど」
「あ、今度またいろいろ報告するからさ、互いに仲良くしてこうぜ?」
「大歓迎っス」










こんなところでちゃっかり妙な同盟が結ばれていたことを、緑と黒、二人はまだ知らない。














おーやーくーそーくーーー
ここまでマンネリだと逆に斬新☆ て気がしてきませんか。

・・・・・・・・・・・・しないですね・・・・・・・・・ごめん・・・・・・・