[ ナツノマボロシ ]



アニメゴールデン、6話見て勢いで書きました(笑)。
6話の鬱展開の反動で、有り得ないほどイチャついておりまする

この際、パラレルと思っていただければ幸いです。 イチャすぎて気持ち悪い






「今日って丸一日、非番ですよね」
「・・・・・・そうだけど。 それが何」
意識的にトーンダウンさせた吐息絡みの囁きを送ると、
抑えた返答とは裏腹に、背中から抱いた細い身体がピクリと動いたことが感じ取れた。
「それなら、もう一回くらいしたいです」
「ちょ・・・・っ・・・」
自分の衝動と欲動に、忠実すぎるほど忠実に鳴上は口にする。
するとさすがに慌てたよう、足立が軽く身じろぐけれど構わず、
冷房の風で心持ち冷え過ぎた感のある身体ごと羽交い絞め、そのまま薄い胸元に手のひらを滑り込ませた。




八月も下旬に差し掛かる頃合、
取り立てて何も予定の入っていない日の午前中、
寝乱れたシーツの上に二人、
そして今は長い長い夏休み真っ只中。




二度とは繰り返されない高二のひと夏だけの経験を、一層楽しいシアワセなものにしたいから。
・・・・・・などというのも勿論タテマエ以外のナニモノでもないことくらい、
当然鳴上悠としても自覚はしているのだが。




けれど、




八月も下旬、(あと十日足らずで休みも終わる)
何も予定の入っていない日の午前中、(勇者ミツオはとっくに倒したし)
寝乱れたシーツの上に二人、(髪もシーツもグシャグシャ)
今は長い長い夏休み真っ只中。(そう言っても休みなのは俺だけですけど)




出来ることなら時間も何もかも忘れて、許す限り欲動のまま引っ付いてくっ付いていたくて、
朝日が昇っても、その朝日が随分と高い位置に移動してからも、
昨夜の疲れからかそもそも寝起きが悪いのか、理由は正反対なのだろうが自分と同様にさっぱり起き上がる気配もない足立をしっかり捕まえて後ろから抑え込み、冒頭のやり取り。
「何、言い出すんだよ!?」
と目を見開く足立の意見は、
「そんなに意外ですか?」
なんて疑問符に疑問符で返し、肩越し、カオを近付ければ。




「大体、昨日何回ヤったか覚えてる・・・・!!?」
冗談じゃない!! と焦って足立は鳴上から逃れようとする。
が、一度捕らえた身体を今更離すような聞き分けの良い鳴上などではなくて、より束縛する腕に力を込める中、
「それからまだ、半日も経ってないって!」
正論と言えば正論の足立の台詞。
しかしそんな台詞など何の役にも立つわけがない。
一切合財聞き流し鳴上は、
「一日非番なら、大丈夫ですよね」
「大丈夫じゃない!!」
まず最初に結論を断定するところから始め、
「大丈夫ですから」
きっぱり反論されたにも関わらず、先手を打ってしまう。
細い首に素早く口許を寄せ、気脈の走る箇所を数回舐め上げ、
ゾクリとした感覚に僅かに足立が首を竦めたタイミングを見計らい、強く吸い上げた。
「ッ・・・・」
背面からの首筋へのキスに、彼の身体から力が抜けたことを知って鳴上は胸元の手のひらを動かし始める。
素肌の感触を愉しみつつ、きゅっと片側の乳首を摘まみ上げると、腕の中の足立の呼吸が僅かに乱れた。
そんな息のもと、足立は鳴上の愛撫を拒んで引き剥がそうと、手の上に自らの手を重ねて押し留めようとしてくる。
が、逆に好機を見計らい、力技で体勢をどさりぐるりと変え、足立を腕の中そのままに、正面から向かい合う形にしてしまった。
「ん・・・・ッ・・・」
胸への刺激に小さく反応する身体を嬉しげに見やり、ちゅくっと吸い付いた口唇で丁寧に首筋へキスを送って、彼とその身体をその気にさせようとする。
「・・・・ッ、ストップ・・・・!」
なのに、そこそこ感じている様相を見せながらも彼が口にするのは制止の言葉で。
普段ならそろそろタメイキとともに、なんだかんだ言いながらもお許しを出してくれる(※諦めモードとも言う) 頃合であるのに、ここまで拒否する足立はわりと珍しい。
怪訝に思い、一旦手を止めてそっと訊ねてみた。
「足立さん?」
「・・・・・・・・・」
首を横に振るだけで答えないのは、あからさまに嫌だということなのか。
わずかに眉根をひそめ、
「やっぱり、連続だとキツイですか」
わかりきっているはずのことを(・・・・・・・・)、改めて確認してみると、間違いなくその通り。
「夜、あ、れだけ・・・・ッ・・・・」
あれだけ好き勝手ヤられたら当然だろ!!? とばかり、きつく睨み上げられてしまった。
「・・・・・・・・・・・・・・・はい」
こんなふうに素直に首を縦に振らざるを得ないくらい、
確かに、
確かに昨夜のSexはそこそこ久しぶりだったがゆえ、普段より激しかった。
だってミツオ(・・・・) の件で多忙極まりなくなった堂島同様、
足立ともなかなか会えなかった日々が続いたのだ。
ただでさえ、こちとら無駄に(・・・・) 漲る(・・・・) お年頃(・・・・)、インターバルを置けば置いただけ、鼻息が荒くなってしまうのは仕方がない。
・・・・・・・・とは言え、組敷かれる方の足立からしてみれば、昨夜の名残りはそう簡単に消えやせず、
まだ重く身体の底に溜まってしまっているらしい。
「そうですね、足立さん体力ないですし」
言いながら軽い溜め息と共に、鳴上は束縛する腕をほどいた。
このまま強引に継続することも可能ではあったけれど、そこまで聞き分けの無いフリは出来そうにない。
いくらワガママは年下の特権、とはいえ、まさか無理に押し進めて彼の明日からの仕事に支障を来たしてもいけないし。




―――――――― しかしここまで来てしまったら、自ら若い熱を抑えるのにも問題があって。




「・・・・・・・・ええと」
時間にしてごく僅か数秒間、鳴上は少しだけ考える。
そして、
「それなら、」
導き出されたのは実はずっと、
ずっといつかお願いしてみたかった、その行為。
「? 悠くん?」
どうせ普段なら絶対、絶対イヤがられて却下されて拒否されるとわかっていたから、今までは一度も頼んでみたことはなかったのだけれど。




「・・・・・・口で、して欲しいです」




「はあ・・・・!?」




切り出してみた途端、予想通りの足立の唖然とした表情に、鳴上はああやっぱり、と苦笑う。
自分的に彼のものを口で愛撫することは散々してきたけれど、
逆に彼に自分自身を咥えてもらうことは一度もなかった。
しかし成程、
「嫌だ」
きっぱりあっさり断られる。 まあ予測していた、妥当な反応だ。
それでもこんなところで 「そうですよね」 と引き下がるくらいなら最初から頼んだりするはずもない。
苦笑いは決して変えないまま、
「してくれないなら、ずっとジュネスで仕事サボってたこと、叔父さんに言います」
「なっ・・・・!!」
さらりと脅迫。
足立は一瞬絶句しながらも、
「今更。 言ったところで堂島さんだって頭から丸ごと信じたりするわけが・・・・」
悪足掻くから、
「俺、ちゃんと日付と時間も控えてありますから。 足立さんとあそこで会ったときの」
「!!」
にっこり笑って、威圧。
すると、
「キミって・・・・・」
呆気にとられたカオのあと、足立のその表情が少しずつ諦めの混ざったものになり、
「一回だけでいいですから、お願いします」
下手(?) に出るかたちで頼んで促せば、
「・・・・・・・・どうせ、やってやらない限り、ずっと譲らないつもりなんだろ」
のろりと彼はシーツの上、身を起こし鳴上の前に屈み込む体勢になってくれた。
「オトコの浪漫、てやつです」
「僕にとっちゃ、不満でしかないよ」
そんな無駄口を叩きつつ、
堂島さんに告げ口されるよりはマシだから(!) とりあえずしてあげるけど絶対納得はしてないからね、
と念を押しながらも足立は鳴上のものに手を添え、続けて口を寄せてきた。
ギシ、とベッドが軋んで、
そして這わされる、温かな舌。
瞬間、ビリッと身体に熱が走るのを鳴上は自覚する。
「なんか・・・・・足立さん、」
「黙ってなって・・・・!」
自棄になったかのような言葉に反し、思いのほか鳴上自身への行為は丁寧に感じられた。
ゆっくりと全体を舐め上げられたあと、今度は柔らかな口腔に先端が含まれ、吸い上げられる。
口内の粘膜を使いながら、強弱をつけて。
ちゅくちゅくと音を立てながらの舌先が先端に這わされれば、
否応がな若い身体の欲動は煽られていき、鳴上自身は瞬く間に熱を持った。
「・・・・っ、・・・んっ・・・・」
膨れ上がって質量を増す鳴上自身に、足立の口から、吐息混じりの声が漏れる。
合わせてその眉根も顰められていて、それを見るに多少なりとも申し訳ないと思いながらも、
「凄い・・・・、イイ、」
「・・・・っ・・・ぅ・・・!」
「足、立さん」
なんか、すごく上手くて困るんですけど、などと呟きながら欲に突き動かされた衝動のまま、ぐい、と頭を押さえ込み、続行を強要。
「ん、ッ・・・・!」
自らも腰を前後させ、足立の口腔を突いていく。
その度に膨れを増す鳴上自身に喉の奥まで侵入され、蹂躙される足立の顎が疲れを帯びてきた頃、ようやく鳴上は限界を覚え、彼の口中に精を吐き出した。




「・・・・ッ、・・・っ・・・!」
大量に放たれた精液にたまらず咳き込み、足立はそのほとんどを口許から零す。
「マズ・・・・!」
咄嗟に口を手で覆い、指の間からトロリと白いものを滴らせながら、その不味さに遠慮もなしに顔を顰める対面、鳴上は吐精の余韻に荒くなった呼吸のもと、
「ありがとうございました」
嬉しくて、この上ない笑みでもう一度抱きしめたくて、腕を伸ばしたところ。
するりとさりげなくも堂々とかわされてしまった。
「・・・・汚れたからシャワー浴びてくるよ」
だからシャツ取って、取れなきゃシーツでもいいや貸して、と突然、脈絡もなく足立は言い出す。
「?」
「キミは寝てていいからさ」
何故か唐突過ぎるうえ、不自然極まりない足立の行動に、
鳴上は半信半疑ながらも。
だって伸ばして触れた手には確かに熱がこもっていて、
言葉の端々はほんの少しだけれど掠れ気味で、
「あの、」
待って下さいもしかして、と素早く捕まえ、迷わず片手で下肢に触れてみる。
と、予測通り、既に軽く握っただけどわかるほど熱を持ち、彼自身は勃ちあがり始めていた。
「や・・・・めッ!・・・・」
直に触れられ、たまらず仰け反って足立は下半身を震わせる。
「なんだ、足立さんだって・・・・」
更に嬉しくなりながら、握った手を少しだけ上下させると、途端に全身が跳ねた。
「違、・・・っ、っア・・・・!」
足立は否定するけれど、どうしたってこの反応では誤魔化しようがない。
「違わないでしょう」
意気揚々と鳴上は足立の体勢を簡単に変え、
腕を押さえ付けて自分の身体の下に組み敷いて再びシーツ上に押し倒した。
「その気になってくれて、嬉しいです」
「!」
耳元で囁いて、僅かに指先に力を入れる。
それでいて焦らすような間合いで刺激をしてやれば、徐々に先端から先走りのものが浮かんできて。
「ん、ん・・・・ッ・・・」
足立はもがいて、なんとか鳴上の身体の下から脱しようとするが、
一度しっかりとここまで抑え込まれてしまっては、それも適わない。
しかしそれでも頑なな足立に再びお願いするかのよう、鳴上は頬に口唇を落とす。
「無理、させませんから」
「いいって! 風呂場で自分で処理するから!!」
「ダメですそんなこと」
とりあえずどっちにしろラクになった方がいいですよね、と囁く。
真夏の昼間、日差しがベッド脇のカーテンの隙間から幾筋か差し込む中、
足立の下肢を膝を折らせた格好で半ば力ずくで開かせると、
晒された彼自身はすでに大きく勃ちあがり、先端から透明な蜜から零れ落ちていた。
「こんなに・・・・?」
「・・・・ッ・・・!・・・・」
その形を指の腹で辿ると、ビクッと震えて噛み締めきれなかった吐息があがり、
「あ・・・・!」
何度も繰り返し、裏筋を辿ってやれば、嫌がる素振りとは裏腹に腰が揺らめく。
そんな姿を目に焼き付けたくて、鳴上は本格的に刺激を施し始める。
「あ・・・ぁッ・・・」
あがる声に合わせ、添えた指を上下に擦り上げながら、敏感な先端を強く刺激すると、
粘つく蜜は一層零れる量を増し、鳴上の指までしとどに濡らしていく。
何より一番弱い窪みに沿って指先を這わせてみると、足立の口から、堪えきれない甘い声が漏れた。
「・・・・、ん・・・ッく、ぅ・・・」
「悦いですか・・・・?」
訊いたところで答えてくれるはずもないが、見ればわかる。 もういっぱいに膨れた彼自身。
見て取り鳴上は、限界を告げたいがごとく、とろとろと蜜を流し続ける先端を最後に一撫で、
優しい愛撫を送った後、今度は後ろ側、と足立自身から溢れて零れた体液ですでに濡れている、
奥まった箇所に滑らせた指先で触れた。
「・・・・ッ!」
直後、細腰が大きく跳ねる。
「や、め・・・・ッ・・・!」
「どうしてですか」
どうしてもこうしても悠くんキミいい加減に、と言外に訴えてくるけれど、あえてここは無視をして。
昨夜の激しかった行為の余韻を残し、普段より柔らかく綻びを見せている最奥に、くぷりと一本、指を滑り込ませれば難なく受け入れられた。
その指を、鳴上は丁寧にゆっくりと前後に動かし始める。
「うぁ・・・、ッッ・・・・!」
痛みは一切、ないらしい。
内側から攻められる感覚がたまらないのか、足立は小刻みに内腿を震わせ、
それでも与えられる刺激を紛らわせようと、何度もかぶりを振り続ける。
加えて、此処まできても身をよじって逃れようとしてもいる様子で、
こんなになっているのに、どうして意地を張るのかと鳴上は不思議で仕方ない。
内側はこんなに絡みついてくるし、ココだって、といつからか覚えたその箇所を、
埋まっている指先で軽く突いた途端。
「ひ・・・・ッ!?」
先端から蜜を零し続ける足立自身が大きく震え、ぴゅくっと白いものを一滴噴いた。
「こんなに反応してるのに」
告げながら、既知した内側の弱い箇所、先ほど軽く突いたところを今度は少々強めに、何度も続けて押し上げる。
たまらずあがる、途切れ途切れの足立の制止。
「、・・・・そこ、ッ、・・・・やめ・・・っ・・・・ッ!・・・」
全く気にもとめず、グイグイと押し上げるたび、すでに限界かと思われていた足立自身は更に膨れを増し、その都度絶えることなく溢れ出てくる先走りの蜜が、とめどなく指だけでなく、手首まで濡らす。
一方で足立の、
がくがく震えて何の役にも立ちそうもない手は力なくシーツを握り締めて頼りないことこの上なくて。
「や、め・・・・ッ・・・!」
「止めて困るのは足立さんの方だと思います」
「!!」
どうせなら言わずもがな、より深いところまで追いやりたくて、
硬く上を向き、小刻みに震えて勃つ彼自身をそっと空いている方の手で捕らえて包み込み、ごく素早く扱き上げた。
ひ、と短く喉の奥であがる叫び。
「―――― ッッ・・・・!!」
「ほら、やっぱり」
隠すこともなく意地の悪さを露見させ、追い討ちをかけるかのように鳴上は指をもう一本増やし、
揃えた二本の指で更に内側、奥を突き上げる。
強引な性感に、足立がそう耐え切れるはずもない。




「ッ、・・・・っっ・・・・!!」
シーツを掴んだ指先が、白くなるほどきつく全身に力が入って、
今にも絶頂を迎えようと細腰が戦慄いた瞬間。




ふいに、鳴上は彼自身に添えていた手と指との動きを止めた。
内側に埋め込んでいた二本の指も、足立がそのまま達してしまわないよう細心の注意を払い、
丁寧に引き抜く。
「な、・・・・!?」
寸前まで追いやられた挙句、訪れた絶頂感を無理に抑えなければならず、
下半身に溜まったままの熱に、足立は戸惑わざるを得ない。
「、・・・・」
と、当惑する年上の男に鳴上は、あくまで表面上だけは優等生、の面持ちで胡散臭い笑顔で。
「挿れても、いいですよね」
「・・・・・・っ、」
言いながら大きく開かせた脚の間に、自分の身体を割り込ませる。
「何、言って・・・・!」
「挿れません、とは言ってないです。 無理はさせないって言っただけで」
「・・・・・!!」




あまりの鳴上の台詞に、絶句して固まる足立に、自分でも無茶苦茶言ってるな俺、と思うけれどもうこうなってしまったら仕方がない。
大体にしてこんな展開、最初からわかっていたような気もしないでもないし、
そもそももう全部が全部、理屈じゃない。




「好きなんです」
真顔で告げたあと、最後に小さく笑うのは鳴上のいつもの常套手段。
常套、というだけあって、それはもちろん効果があるのだからこそ、いつもいつも使われるわけで。
「だから、お願いします足立さん」
放っておかれている彼自身を、つ・・・・、と指先で辿る。
「っ、ぅ・・・・ッ・・・」
ひくひく震えるそれと、小刻みに揺らぐ腰。
鳴上が見たところ、本当にあと少し、もう僅かで達せるほどの瀬戸際だ。
こんな状態で中断するなんて、足立だってどうしたって耐えられないに選択肢は決定している。
「これで、本当に終わりにしますから」
重ねて告げると。




「・・・・・ホント、ワガママすぎるって・・・・」
視線を逸らしてぼそっ、と呟かれた。
「堂島さん、一体キミにどんな教育してんだよ・・・・」
しかし足立のそんな素振りはあくまで表面だけのものであって、
実際、先ほどから放っておかれたままの自身は痛いほど膨れ上がり、迎えようとしていた絶頂をやり過ごされてしまった上、一度掻き回された内壁は、より強い刺激を欲している。
だから。
「ほら。 来てイイよ」
ようやく出してくれた(※無理矢理出させた) お許しに鳴上は目許を細め、
足立の最奥に猛った自身の先端を押し当て、侵入したや否や、そのまま強引に奥まで突き入れた。
「ぅ・・・あ・・・!」
鳴上自身が内壁を擦り上げていく感覚に、たまらず喘ぐ彼に正直な吐露。
「・・・・好きすぎて困るんです、いつもいつも」
「っぁッ、・・・・あッ・・・・」
聞こえているのかいないのか、足立は断続的に声を漏らす。
甘いそれに気を良くし、鳴上はゆっくり動き出した。
最初からキツイ、と云われ続けた通り、昨夜充分すぎるほど蹂躙し味わい尽くした場所であるはずなのに、今感じている今もこの中は息を飲むほど熱く狭く、きつく締め付けを持つ。
「ッ、・・・・!」
絡み付いてくる内壁を擦り、また先端で突き上げると、
痛みを覚えるほど膨れ上がり張り詰めた足立自身がビクン、と震え、
「っ、・・・・ッ・・・!!」
元々限界だったその先端から透明な蜜に、少しずつ白濁したものが混ざり始めた。
尚もひくひく戦慄く腰を抑え込み、鳴上は更に深く抉っていく。
「・・・・んッ、く・・・・!」
内部の弱いところをピンポイントで狙って押し上げ、
快感に無意識で逃げうつ腰をしっかりと抱えて離さず、何度も強く律動を繰り返す。
「、・・・っ・・くぅ・・・ッ・・・・」
揺らし、また突き上げていくうちに、いつしか足立の腰も律動に合わせて揺らめき始め、
互いに快楽を貪り合う形になる。
「う、・・・ぁッ・・・・!」
大きく突き上げ、締まる内側。
相応に鳴上も追い上げられ、全身が熱い。
「・・・・ッ、」
衝動に駆られるまま、乱暴な突き上げに足立の背中が仰け反って、
鳴上の視界に映った胸元、その硬く尖って色付いた小さな肉粒に口付け、思いきり吸い上げる。
「んんッ!!」
まさか今になって胸にそんな愛撫を送られるなんて思ってもいない足立の、
濡れ落ち、せわしない吐息混じりの声。
「ぁ・・・・あぁ・・・・っ・・・」
合間に入る、声にならない声。
そろそろ本当に限界らしい。
もう随分無理を聞いてもらっているし、これ以上さすがに無茶はさせられない。(・・・・今更?)
「っ・・・・、俺も、もう、」
自らも高みが近くなり、全てを持っていくかのように鳴上は腰を深くまで突き込むと同時、
放っておかれっぱなしの足立自身に手を添える。
「ひ・・・・ッ・・・!」
ビクンと痙攣する内腿。
もうずっと先端から零れ続けている蜜によって、濡れてより敏感になってしまっているそれを添えた手のひらで数回、
上下に擦り上げると、後ろが一層締まりを良くして内壁がきつく収縮した。
続けて先端の括れをぐいぐいと揉んで、直後裏筋を撫で上げて侵入した身体の最奥を腰を使って乱暴に強く抉ると同時。
「――――― うぁ・・・・ッ!!」
一際大きく足立の身体が反り返り、鳴上の手の内に白濁した蜜が吐き出され、
追って鳴上も最奥に、熱い迸りを注ぎ込んだ。
































「コーヒー、淹れました。 熱いですから気をつけてください」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・いらないよ」




互いに少し眠って、気がつけば夕方になっても、あれからずっと足立は不機嫌極まりない。
いつもの如く勝手に台所を使った鳴上が、湯気の立つコーヒーを淹れてきても目さえ合わせようとせず。
もしかしたら結構真剣に怒らせてしまったかもしれない、と気がついても時すでに遅し(・・・・)、
反省してみたところで、後の祭り。
「・・・・・・・・。 すみませんでした」
改めて謝ってみたところで、
「うわー。 好き勝手ヤった後で謝られてもねえ。 今更」
イヤミたらたらで返されて終わる。 手の付けようが無い。
・・・・・・どうしたら、
・・・・・・・・・・どうするか、
と少しばかり思案していたら。


「あのさ。 悠くん、帰らなくてイイの?」


昨日からずっと居るけど、とタメイキ混じり、何故だか足立の方から聞いてきた。


「・・・・帰っても、やることといったら課題くらいしかないから」
事実を素直に答えると。
「じゃあ帰ってその課題、やった方がいいよ。 あとはさ、ヒマなら菜々子ちゃんの宿題とか手伝ってあげたら?」
「そのつもりではいます」
「・・・・・・・・。 って返事ってことは、まだしばらく居座る気?」
「夜には、帰りますけど」
ここにきて何だか急に煮え切らなくなった鳴上に、またしても足立はタメイキを吐き、
本当はわりとそこそこずっと怒ってようと思ってたんだけど、それも出来なくなるって一体どういうことなんだよ、などとぼやきながら。
「なんか、いつにも増してヘンだよ悠くん。 どうした?」
ぐるりと身体ごと向きを変え、前から覗き込んできた。
そうされては、ワガママを押し付けまくった前科(???) があるがゆえ、誤魔化すこともしたくはなく、
またも正直に口を鳴上は開く。




「一昨日、嫌な夢を見たんです」




「ユメ? どんなの」




「・・・・季節は少し先の冬に近い頃で、俺が渡すタッパーとか鍋とか、足立さんがそのまま放置したり、捨てたりする内容で」




「はあ? 放置も何もキミの場合、押しかけてきて 『惣菜作ってきました食べてください』 → 『でも一人の食事だとつまらないから一緒に食べましょう』 → 『ついでに泊まっていっていいですか』 → 『一緒に寝たいです』 → 『がるるる、ワンワン!!』 みたいな感じで、どうしたって放置なんてさせてもらえないパターンばっかりじゃん」




何言ってんの突然、
・・・・・あー・・・、今のくだり、自分で言ってて呆れるっていうか、何この押しかけ高校生、
改めて考えると悠くん、キミってさああ、と足立は宙を仰ぐ。




「でも、その夢が何か妙にリアルで」




目が覚めても未だに本当にこの現実と、どっちがリアルなのかよく分からない、と鳴上が呟くと。




「そうやって今更コドモぶったって遅いって」




夢見が悪くて怖がって許されるのは菜々子ちゃんくらいまでだよ、といつの間にか機嫌を直したらしい足立に苦笑され、
なんだか妙に安心して、ずっと持っていたコーヒーのカップを渡す。
と、今度は素直に受け取った足立が口を付け、




「〜〜〜〜〜〜アチッ!! 何、ちょっとこれ熱すぎだよ!!?」




火傷したらしく僅かに涙目、で口を覆うすぐ隣で近くで耳元で、




「だから言ったのに」




熱いですから気をつけてください、って。




囁いて、鳴上はシアワセそうに笑った。

























それは八月下旬、
何も予定の入っていなかった日に押しかけて、彼が2日続けて非番だと知るや否や、
他愛もない脅迫じみたことまで持ち出し振りかざして、
十も年上のオトコにさせてしまったお口の御奉仕。




「足立さん、そういうところ全然大人じゃないですよね」


「うるさいな。 キミなんか実質、童貞のクセに」


「え? 足立さんで卒業させてもらいましたけど。 俺的には公式で」


「公式ってなんだよ!?」


「公式は公式です。 むしろ俺、一生、足立さんしか知らなくてもいいし」


「気持ち悪いよ冗談抜きで・・・・!!」





















―――――――――――― 残暑お見舞い、申し上げます。













オマージュ(ぷっ) として、6話の欠片を一部だけ入れてみました。

ああこれ完全パラレルだわー(・・・・・)・