[ ペット ]


※ゴールデンアニメ  アナザーエンドあたりの話だと思っていただけると幸いです






何かを意識していたとか、
逆にあえて全てを無意識下に置いていたとか、
無我の境地にいたとか、
そういった訳じゃなかった。




ただ、ほんの十数秒、真上に見える天井をぼんやり眺めていただけだった。




なのに、その僅かな間に彼が、自分に向け一言二言、言葉を放ってきていたみたいで。




「・・・・・・・・聞いてる? 僕の話」




だから僅かに眉を曲げながら突然、足立がその手を自分の顔のすぐ脇、
薄っぺらい枕の上に些か乱暴に付いてこちらを覗き下ろしてきても、一瞬戸惑ったあと、鳴上はうまく答えることが出来なかった。
「・・・・・・すみません」
ちょっとぼんやりしてて、と正直に返答する。
と、
「途中、何回か小さく頷いたりしてたけどね」
などと嫌味っぽく返されてしまうけれど、事実であるからして。
「すみません」
「それとも、事後にそんな放心しちゃうほど悦かったって? いつにも増して声、凄かったし」
「・・・・・・!」
今更、そんな仕草もただ滑稽なだけなはずなのに揶揄られて息を詰める。
おそらくそれは半ば当たっていたからであって、それどころか、むしろ的を得た指摘であったからかもしれなくて、実際、つい先程までの情事の余韻にの脱力感に全身で浸かっていたことは確かだった。
口篭る鳴上に、足立は小さく口許を歪める。
「他人の話、聞いてるようで聞いてない。 そういうとこ、キミって劣ってるよね」
「すみません」
「あのさあ、さっきから謝られてばっかりなんだけど。 ・・・・・・って、まあいいか。 反論とか反抗されるより、100倍マシかな」
「そんな、」
何故だか焦って鳴上が言葉を発しようとするのを、「わかってるって、悠くんはそういうコじゃないって」 と、足立は苦笑いで制する。
劣ってる云々も、見方によっちゃいくらでもどうとでも変わるんだろうし、と彼はひとりごとのように前置いて、
「ま、生きていくうえで困らないだけのモノがあればいいんじゃない? どうやったって、キミも僕もそんな長生きしなそうだし」
軽口を叩いてくる。
ベッドの上、仰向けになったままその顔を見上げることしかできない鳴上は一概にどう答えていいのか本当に分からず、ただ黙っていたら。
「特に、キミが僕より生きながらえるコトはあんまりなさそうだしさあ?」
10も年下に向かって吐くには少しばかり不穏当な一言と同時、
身体を覆っていた毛布を翻され、
え、と鳴上が思う間もなく、あっという間に裸の身体の上に、乗られてしまっていた。
ぎしり、とベッドが軋む。
「・・・・な・・・・っ・・・・」
驚く鳴上が絶句していると、足立はそんな表情を面白そうに眺め下ろし、
「まだ声出るだろ? もう一回くらい、付き合いなよ」
軽く言い放ち、伸ばした手で未だ濡れたままだった鳴上自身を握ってきた。
「・・・・っ・・!」
咄嗟に、というか今度こそほぼ無意識に、その手を外させようと鳴上が身じろぐものの、
しっかりと握り込まれてしまい、続けて手の中で揉むように弄ばれる。
「ちょ・・・・、待って下さ・・・・っ・・・・んっ・・・!」
乱暴に、なのに的確に揉みしだかれて、反応してしまう。
本当に本当に今更も今更、なのにかあっと羞恥が頭に昇り、逃れようと身体を捩るのだけれど、
どのみち上下関係は決まっている。
「足立、さ・・・・っ・・・」
「ん?」
「ん、ァ・・・・っっ・・・!」
普段通り、へらりと薄く笑われた。
けれど笑っているのは口許だけで、足立の目は決して表情を変えておらず、だから鳴上は不安に襲われる。
「ッッ!!」
柔らかい先端を、くいくい指先で押し潰されてたまらず背中が仰け反った。
「・・・・っ・・・!!?」
続けてぐいッと突然片脚を抱え上げられ、驚いて目を見開く鳴上に構わず、足立の指が先刻の情事のまま、まだ濡れたままの最奥に触れてきた。
受け入れてから大して時間も経っていないそこは、ほぼ抵抗もなしに骨ばった指を受け入れる。
内側もいまだ熱を持ち、充分な潤いを湛えていることを確認し、
「ああ、これさっき出した僕のか」
「っ、・・・・!」
呟く足立にもう一本、指を増やされた。
人差し指と中指とで内壁を擦られ、腰が震える。
自分でもわかるくらい、内部は熱くて蕩けてしまいそうで、鳴上の意思とは別にその部分だけが足立の指を決して離さないよう、蠢いて吸い付いた。
そんな反応をしばし堪能したあと、ゆっくりと引き抜かれていく指。 代わりに当てがられる彼自身。
「あ、――――あッ!!」
それに一気に奥まで貫かれ、鳴上の背中が反射的に反り返る。
びくびくと小さく身体が震えてしまい、どうしても零れてしまいそうな声を押し殺そうと鳴上は、
懸命に口に手を当てて抑えようとするのだけれど、
「我慢したってイミないって」
言われ、簡単に払いのけられてしまう。
「ぅ・・・・あ、・・・・っっ・・・・」
ぐぐっ、と奥を突き上げられ、腰が浮く。
そんな鳴上の様子を眺めつつ、足立はそのまま単調な律動を繰り返した。
「・・・・・・っ、・・・・ン・・・・っ・・・・」
加減も角度もほとんど変わらないその動きは、激しく荒ぶられるより余程じっくりと性感を溜めていくかたちになってしまい、徐々にだが確実に全身が上気していく。
それでも我慢して、口唇を噛み締めて声を抑えていたら。
「ヘンなところで意地張るよなあ」
「っっ・・・・・」
「無意味なのにさ」
せせら笑うかのような響きで言い放たれ、汗なのか涙なのか分からないまま、微かに滲んだ視界の中、足立を見上げると、彼は今度は確実に口許を歪めて吊り上げる。
そんな足立の表情が鳴上は実はとても苦手で、
けれどとてもとても目を逸らすことも出来なくて、どうすることも出来ず結局、強く目蓋を閉じるしかなくなった。
そういう苦し紛れの反応が、更に足立の嗜虐心を大きくしてしまうということに、鳴上本人はまったく気付かない。
だから足立に面白くて仕方ない、というようにあえて加減しつつ腰を使われ、
「・・・・・っう、く・・・・っ・・・」
激しく追い上げられるのとは違う、下半身に少しずつ重く溜まっていくような甘い疼きに溺れてしまいそうになりながらも、きつく目を瞑り眉を寄せ、必死で快楽に流されることを我慢していた鳴上だったのだが。
「あ、あ、ぁ・・・・っ」
次第に甘い、沸きあがる声を抑えきれなくなってくる。
「ん、エロい声」
「んぅ・・・・ッ!」
煽るように笑った足立に乳首をぎゅっと捻られ、胸ごと喉が仰け反った。
最初は痛いほど抓られた乳首を、続けて今度はくいくいと軽く玩ばれ、痺れる快楽がそこから背筋を伝う。
「は・・・・っ・・・・」
「悠くんさあ、」
緩い律動を継続させたまま、いつの間にか寄せられていた上半身。
耳元で突然名前を呼ばれ、
「自分が今、どんなカオしてるかわかる?」
「・・・・ッ、」
言われた途端、足立を受け入れている内壁が戦慄いて反応した。
それに気を良くしたのか、足立は互いのこの上ないほどの至近距離から。
「ほんと、だらしないカオだから」
「っん、ん・・・・ッ・・・・」
否定、できないけれどたまらず鳴上は首を横に振る。
途端、「見せてあげたいよ。 キミに」 と言われながら二人の身体の間で反り返って主張する鳴上自身を軽く撫でられ、
「―――――ッッ!!」
喉が引き攣り、下肢が粟立つ。
「次あたり、録ってみたりしとく?」
「嫌、だ・・・・っ・・・」
反射的に拒否、の言葉を吐いてしまったのだが別段足立は気を悪くした様子もなく、
「冗談冗談。 そんな嗜好じゃないし」
ナマで見るのがやっぱり一番だからさあ、と狙って初めて弱いところを押し上げられ、
「んんッ!」
鳴上は腰を震わせた。
その箇所を、今度は執拗に連続して突かれ、
「う・・・・ぁ、ァ・・・・っ・・・・」
堪えることも出来なくなって掠れた声を漏らし、せめて快楽にだけは耐えようとしていたのだが、
次第にそれもままならなくなってくる。
吐息は上擦り、声を出さないと息ができない。 
「ぁッ、あ・・・・、く・・・・ぅ・・・・ッ・・・・」
蓄積されていた熱が、絶頂を誘うところまで来ている。
そそり立つ鳴上自身はとうに零れ落ちる先走りの体液でぐしょぐしょで、
充血し膨れ上がって吐精がすぐそこまで迫っていることを示していた。
止めようとしても止まらない。 腰が足立の動きに合わせて揺らめいて、より強い快楽を得ようとする。
追い上げられた鳴上の身体に気付きながら、
限界が近いのは足立も同様で。
「――――・・・・く、・・・・・」
軽く唇を噛み、鳴上の中を蹂躙する動きは確実に激しくなっていく。
「う・・・・あ、あっ・・・・!」
鳴上の身体が小刻みに痙攣を始める。
白いものが混ざった蜜を溢れさせながら、ぱんぱんに張った鳴上自身が偶然、足立の腹で二度三度と擦られた瞬間、たまらず足立の背に手を回してしまう。
「あ・・・・っ、うぁ・・・・っ、・・・・もう・・・・!!」
「・・・・・・イく?」
限界を訴える鳴上に、わかっていながらも聞き返す足立。
「っう、・・・・っう、あ、ァ・・・・っ・・・」
吐精の寸前で、返事などできるはずがない。 それでも必死で顎をコクコクと縦に動かし、
絶頂を訴えたら。
「ン。 ――――僕、も」
低く掠れた声でそう聞こえた直後、ズクッ!と激しく奥を突き上げられた。
「ッッ!! ひ、あッ・・・・!!」
堪えようもない。 勢いよく弾けた白蜜が互いの腹を汚し、
「く・・・・、」
合わせてぎゅっと収縮した内壁に締め付けられた内部の足立自身も、連なって吐き出す。
「ん・・・・、っ・・・・」
最後の一滴まで搾り出すように、中を軽く突いてくるその刺激に鳴上自身も少量、飛沫をまた散らした。
絶頂の余韻に全身を支配されながら、
未だ自分の中にいる彼を放したくない自分を抑えきれず、鳴上は背中に回したままの手に力を込める。
「・・・・・・何。 どうした?」
突然しがみついてきた鳴上に足立は微苦笑を隠さなかったけれど、
しばらくはそのまま、動かないでいてくれた。





















底無しに身勝手で自己中心的な貴方にはもう絶対逆らえないし、むしろ縋り付いてでも離れたくないだなんて、(とっくに見抜かれているのだろうけれど) 絶対言えない。














なんでこんなギクシャクしたえろになったのか自分でも不思議。
(※わたしの)リハビリで書いたえろだと思ってください。 申し訳ないです!