[ wrong・red ]


またも完璧パラレル。 て前提で見ていただければ助かります。


またもやお互い5周目くらい、のアナザーエンドの更なるパラレル(何それ) だと思っていただければ・・・・。
年始ネタ(・・・・・) ももうネタ切れになりつつあるのでスミマセン





堂島宅。 居間。 ソファーにて。




「で、最終的にあのお仲間君達にはなんて言って誤魔化したのさ?」




まさか僕のコトが好きすぎて犯人隠匿・証拠隠滅・共犯選択、
なんて怒涛の三連発で本当の事ぶっちゃけたワケじゃないだろうし、と嘲笑混じりで足立が訊ねると、
意外(?) にも鳴上悠は首を横に振った。
「・・・・・・・何も、言ってません」
「へえ?」
「何も言わないで、ただ、全部曖昧にしただけで」
「ふうん」
全部が全部、鳴上の言葉をそのまま信じて受け取ったわけではなかったけれど、おそらく事実なのだろう返答に頷いて、
「曖昧・・・・、ねえ?」
繰り返して足立は呟いてみせる。
「・・・・・・・・?」
それに思わず首を傾げた鳴上に、
「ああ、不満がある訳じゃないから安心していいって。 むしろ、イイ言葉だよね、『曖昧』 って」
ひらひらと否定の意で片手を振って、どこまでも軽さを交えてその続きを口にする。
「正直、世の中さあ、白黒はっきり着くコトの方が珍しいから。 刑事事件だって中途半端で有耶無耶のまま終わる事例が実はほとんどだし」
鳴上は目を伏せ、黙ったままだ。
「けど、中途半端ってのもそれほど悪くないだろ? 今回だって一番 『それっぽい』 のが犯人になったし、堂島さんも菜々子ちゃんもそのうち戻ってくるし、今現在生きてる僕たちの知ってる人物、もうこれ以上誰も傷付かないから。  ・・・・・・・・キミのおかげで」
多量に毒を含んだ科白を放ちながらも、
口調と表情だけはいつものまま手を伸ばし、あからさまに子供扱い・・・・、というよりはペット扱い。
いいコいいコ、と頭を二度ほど撫でてやると、
それまでずっと目線を伏せていたのだが、意を決したかのよう、鳴上が顔を上げた。
「どうして、今日は俺に優しくしてくれるんですか」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・はあ?」
思ってもいなかった問いに、おそろしく間の抜けたタイミングの疑問符で返してしまった。
が、
妙に必死な鳴上の様子に一瞬呆気に取られ、そして、足立は溜め息をひとつ。
「だってキミ、いつも僕に優しくして欲しそうなカオしてるじゃん。 今日だって、キミ一人なのをいいことに堂々と昼間から自分のところに引き入れてるしさあ? ま、そう言われりゃ年明けくらいは優しくしてやってもイイかなーって」
とは告げながらも、足立的には、まさか鳴上が一月三日に、一人で居るとは思わなかったのだ。
冬休みでもあることだし、あの友人兼お仲間連中と過ごすだろうと当然思っていたのに、まさか堂島宅に一人、だとは。
そもそも足立がここに来た理由からして、別段鳴上に用事があって来た訳じゃない。
未だ入院中の堂島から年の瀬に、
『悪いが、近いうちに悠と家の様子だけ見に行ってやってくれるか』 と(よりにもよって自分に、というあたりが喜劇的だが) 連絡があり、
仕方がないから 『はいはいわかりました〜』 といつも通り面倒くさがりつつ了承。
「年末年始なんて、どうせロクに家になんか居ないって」 と呟きながらのろのろと足を運んだ結果、
予測は鬼ハズレ、【居ないことを確認するために】 押したインターホンのチャイムから五秒後、
『はい、』 と玄関から顔を出した鳴上悠。
そして、「買い置きとかあまり無いし、大したもの出せませんが」 等々言われながらなし崩し、
靴を脱いで上がり込む展開に陥り、普段菜々子がちょこんと鎮座していた居間に通され、現在に至る。
こうなってしまった以上、あとはもう。
成り行き任せながらもどこかで仕組まれていたとしか思えない展開に傾れ込むしかなく、足立は気を取り直す。
「ま、この8ヶ月間、悠くんもいろいろ大変だったしね」
主語はあえて言葉にしない。
真実をもって終わらせる勇気もなく、
だからと言って気付かないふりをしたまま続ける不安にさえ耐え切れなかった、
眼前の哀れな子供に、新春にかこつけた僅かばかりの返礼。
別にお年玉って訳でもないけど、と前置いて、
「犯して欲しいならそう言いな」
「ッ・・・・!!」
顔色を変え、息を飲む鳴上の腕を掴み上げて体勢を崩させ、
そのまま肩ごと押し倒し乗り上げるようにして畳の上、仰向けに引き倒した。
「駄目です・・・・っ!」
たまらずもがこうとする鳴上を抑え付けながら、
「キミいつもそう言うけどさ、毎回結局口だけ。 そういう前フリ、もういらないから」
当て付けるよう言ってやり、途端に目を逸らされて足立は声を出さずに笑い、そのまま鳴上のベルトに手をかけた。
一方で、本気でこの場所でSexに傾れ込もうとする足立に、鳴上は焦りを隠せない。
「でも、こんなところで・・・・!!」
居間。 時間もまだ思いきり昼間。 しかも、直通できる玄関には鍵もかかっていないのに。
なのに足立は肩眉を僅かに上げただけで、全く意にせず。
それどころか、
「こんな年明け早々、誰も来ないよ。 そもそも堂島家からして、今は誰もいないだろ?」
気軽な悪意が端々に見え隠れする口調で告げてきて、
思わず鳴上の抵抗が一瞬止まった隙に、一挙に下半身の衣類をまとめて脱がせ取られてしまった。
上半身はほとんど乱れていないのに、下肢だけが外気に触れて頭に血が昇る。
「やめッ・・・・」
ここじゃ嫌だ、と制止するが一笑に付され、構わず性器を握られる。
その時点ではまだ大した反応を示していなかったのだけれど、
手の内で軽く玩ばれて身体がびくりと震え、間を置かず全体的に擦り上げられていく。
「!!」
鳴上は焦って口許を手で覆った。 そうでもしなければ声が零れてしまいそうで、合わせて唇を強く噛み締める。
そんなふうにしていても、たっぷりと時間をかけて摩られ、どこか焦らすように柔らかく揉まれていくうち、
「・・・・っ・・・」
否が応にも性感はみるみる高まり、自らが足立の手の中で質量を増していくのが感じ取れてしまう。
若い身体は与えられる刺激にどこまでも素直に反応をしているけれど、
だからと言って当の鳴上からすれば、こんな場所で、しかも自分だけが衣服を剥ぎ取られただけの状態で、当然ながら行為の続行を容認できるわけがなかった。
「離・・・・して、下さい・・・・っ・・・・」
「えー? なんでー?」
「―――ッ!!」
揶揄混じりの疑問符と同時、先走りの体液を滲ませかけた性器の先端をついっ、と指先で撫でられて下肢が跳ねる。
「、・・・・っ、・・・・足、立さ・・・・」
「何」
「やめ・・・・!」
ここまで来ても制止の言葉を口にする鳴上に、足立は眉をひそめるかと思いきや、
逆に意外そうに数秒、その顔を眺めやったあと。
施す刺激を、無言で激しいものに変えた。
「――うぁ・・・・ッ!!」
途端に堪えきれない声があがる。
もういっぱいに勃ち上がり、張り詰めた鳴上のそれを先ほどまでとは正反対に乱暴に激しく上下に擦り上げられ、更にそのすぐ下の双珠までも反対の手で揉み倒されると、
「く・・・・ッ・・・・う・・・・」
喉を震わせ、たまらずに腰が動き出す。
どうしたって耐えられない刺激に濡れた先端からは僅かに白いものが滲み出し、
絶頂間近の全身は体温が上昇していく。
「あ・・・・、あ、・・・・ッッ!!」
上下に揺れる腰を抑え付け、根元から先端まで一際大きく搾り出すよう揉み込まれて。
遮るものも何もなく、鳴上は足立の手のひらを汚して絶頂に達した。




「若いねー」
シャツの袖に飛沫いた鳴上の精液を今更気にすることもなく足立は見やって、
達したばかりの肉棒を軽くさすってやる。
「ん・・・・っ・・・」
愛撫にも満たない軽い刺激でも、身じろぐ身体はあからさまに欲情をかきたて、
荒い息を整えようと懸命な鳴上の顔を正面から覗き込んだ。
「・・・・・・・・・、」
なのに鳴上はその視線を避けたがるかのように目を逸らす。
「どうしたのさ」
今更、と頬に手を添え強引に仰向かせると、
「・・・・・すみません」
何だかよくわからないが、謝られた。
何故かそれに僅かばかりの苛立ちを覚え、足立は小さく舌打ちをして、無言で鳴上の身体を反転させる。
それまで向かい合っていた形から、背と腰を向けさせ、畳に膝をつかせた状態。 四つんばいで。
当然にして晒される臀部に無造作に手をかけ、露わになった最奥に中指の先を押し当てた。
「ひ・・・・!」
性器とは違って濡れてもいないその箇所に突然直接触れられ、鳴上は喉を引き攣らせる。
普段であればローションなり体液なりで多少は潤いを持たせてからの段階であるはずの行為なのに、
今日に限っては何も無いまま、何度か指の腹で刺激され、
「う、あ・・・・」
戸惑いと恐れの混じった声でただかぶりを振っても、足立がその指を止める様子は無い。
自らの最奥を、ただ撫で回す指先に背筋が仰け反る。
「!! ・・・っ・・・・く・・・・」
途端、不意に指を突き立てられ、侵入の痛みに呻きが漏れた。
強引極まりない足立の行いに、言いたいことも抵抗もこの上ないほどあったししたかったけれど、
何かを言葉にすれば結局藪蛇、ロクなことにならず全て自分に跳ね返ってきてしまいそうだったし、
抵抗したところでいつだって無駄、無意味一辺倒に終わるということも今までの経験でわかっていたから、
鳴上は今はただ耐えるしかなく。
しかしそれも僅かばかりの時間が経つにつれ、痛みは徐々に引いてくる。
善くも悪くも慣れてしまった身体とは裏腹に、痛みが気にならなくなってくるにつれ、心境はとてもとてもいたたまれないものでしかない。
いつだって足立の良いようにされてしまう自分が情けなくて仕方がないのと同時、
だけれどどれだけ虐げられたとしても、一方で確かに満たされる何かを客観的に理解してしまってもいて、
だから、
だからそんな自分にこの上ない嫌悪感を抱きつつ、それでも、
それでも。
「ン、っ・・・・!」
突如、足立のもう片方の手が前に回ってきて、前触れもなく肉棒に指が絡められてきた。
不意の刺激に、思わず鼻にかかった声が漏れてしまうと。
「いい加減、諦めて集中したら? 無駄に痛いのイヤだろ?」
「・・・・・・・・ッ・・・・」
囁かれたけれど、答えようがなくて、ただ息を飲む。 すると。
「それとも、もうあんまり痛みも感じてないか」
「―― ッッ!!」
軽く笑いを含んだ声音の後、内側の指が明確に意図をもって蠢き出す。
「う・・・・・く・・・・っ・・・」
簡単に探り当てられてしまう、もっとも弱い箇所。
そこを何度か押し上げられ、その都度まるで内側の神経から弄られていくような快感に、肉棒は再び芯を持ち勃ち上がり始めた。
「わかりやすいよねえ、悠くん」
「や、め・・・・! っ、ふ・・・・っ・・・」
先ほどから、というより、こんな時、いつも似たような拒絶の言葉しか出ない。
そんな言葉、一ミリグラムさえの意味も役目も果たしてはくれないのに、それどころか此処で止められても困るのは自分のはずなのに。
「あ、ぁ・・・・!」
的確にその部位を指が突き上げ、たまらない射精感が腰を支配しはじめる。
内壁も無意識に足立の指をきつく締め付け、
「なに、もっと?」
「っ!!?」
ただでさえ狭いところに、無理矢理もう一本指が増やされた。
「う・・・・あ・・・・!!」
痺れるような痛みと圧迫感。 
二本の指を根本まで受け入れたそこは痙攣にも似た動きでひくひく収縮を見せるけれど、出血までには至らず、それどころか。
苦しみを覆い隠すほど、内側からの快感も強くなってきて。
「くぅ・・・・、っ・・・・」
鳴上は四つん這いのまま、小さく髪を振り乱す。
絶えず蹂躙してくる指の動きに、またも腰が揺れる。
「ぁ・・・・、ぅ―――ッ・・・・!!」
今にも漏れそうな感覚に、肉棒の先端がピクピクと戦慄きだした。
あと少しで、再び達してしまう。
その予兆に、ぶるッと太腿が震えて鳴上が限界を感じた瞬間、
ずるッと乱暴に指が引き抜かれ、
それを意識が察知するより一拍早く、背後から一気に貫かれた。
「ぐ・・・・ッ・・・・!」
割り挿し入ってくる質量に息が詰まったのは一瞬で、すっかり根元まで自身を埋め込んだ足立が微かに腰を上下させただけで、
見て取るほど鳴上の呼吸が荒くなる。
このままではすぐに絶頂を迎えてしまいそうで、足立はそれまでずっと弄っていた鳴上の肉棒を強く、握って戒めた。
「、・・・・・ッッ!!」
「早い早い」
少しは我慢しなよ、と背中ごし、嘲笑ってやりながら足立は腰を使い始める。
互いの下肢がぶつかりあう衣擦れ混じりの音に、鳴上は耳を塞ぎたくなったけれど、
今は耳より口許を覆っていなければ、喉から零れ出ようとする快楽混じりの声に飲み込まれてしまいそうで、
「ぅ、・・・・っ、う、・・・・っっ・・・・!」
片手で懸命に口を塞ぎながらも、奥を突かれるたびにどうしようもない押し殺した声が溢れ落ちた。
一方で、背後から責めてくる足立の吐息は熱を帯びてはいるけれど、まだそこまで荒くはない。
だから口調も声色もあまり普段と変わらないまま、
「すごいすごい、潤滑剤いらないくらいもう柔らかいじゃん」
「・・・・・っ、」
「それくらい、Sexに慣れちゃってるってあるイミ才能かもね」
煽る目的で言うと、もう返す言葉もないのか鳴上はただかぶりを振った。
足立としては、否定されれば一層煽り立ててやる方向でいたのだが、鳴上はすでに言葉を紡ぐ余裕もないらしい。
ふう、と軽く息をついて、それまで強く戒めていた肉棒からそっと指を外し、今度はゆっくりと、撫でて焦らしあげる。
「うぁ・・・・っ・・・あぁ・・・・ッ・・・」
じわじわ甘い疼きがその部位に重く溜まり、先ほどからずっと射精を阻まれていたそこが、
優しく撫で回されることでズンと重い快感を煮え滾らせ始めた。
「やめ・・・・っ、もう・・・・っ・・・・っ」
「イけば?」
「〜〜〜〜ッッ!」
鳴上が畳に爪を立てる。
絶頂がすぐ目の前だ。
「あ、ア、・・・・・ッッ・・・・!!」
がたがた腰が震え、ぱんぱんに膨れた先端から今にも吐き出しかけたその刹那。




ピピピピピ、と無機質な着信音が突然響いた。




「ッ!!」




脱がされ、放り出された衣服の間に転がっている携帯を目で追うと、陽介からの着信で。
手を伸ばせばすぐに届く位置にそれはあったが、出られるわけもなく、ただその画面を息を詰めて凝視していたら。
「出なよ。 あのお仲間くんだろ? 出ないと、妙な心配してココに駆け付けたりしちゃうんじゃない?」
腰の動きを止めた足立にそう告げられ、
「・・・・・っ・・」
言われるまま鳴上は覚束無い手つきで携帯を取り、




「・・・・・・花村?」
最大限の努力をして呼吸を整え、平静を努めながら、
「悪い、すぐに出られなくて」
『あー、別にそこまで待たされたって訳じゃないって。 ていうか、お前ひとりで何してっかなーって』
いつもの、普段と何ら変わりない陽介の声。
『正月もそろそろ終わるし、明日にでもお前んとこ押しかけてみようかなってさ』
こんなあられもない格好で、後ろから犯されながら聞くにはあまりにそぐわない親友の、
『そうでもしねーと、ジュネスの正月セールに駆りだされて冬休みが終わっちまうし』
あえて鳴上に気を遣わせない様相の口調と内容に、
「・・・・ああ、明日、・・・・なら、」
大丈夫だと思う、と絡む息を懸命に押さえながら返答したのだが。
聡い、否、敏い陽介は何かを感じ取ったようだ。
『・・・・・・・・。  鳴上、なんか、声、おかしくね?』
声をひそめて、そう訊ねてきた。
「、あ、・・・・・・、実は風邪気味で、・・・・・・少し、熱があるんだ」
とってつけたような言い訳。
すると、
『なんだよ、一人で平気か? なんだったら、俺、これからそっち行ってもいいぜ』
「、いや、・・・・・・そこまで酷くないから」
来なくていい、と告げようとした鳴上と陽介の会話をそれまで無言で聞いていた足立の腕が突然伸び、
「ッ!」
有無を言わせず鳴上の手から携帯を奪い取って、そのまま。


「ああ、花村くん? 大丈夫、来なくていいよ。 彼はね、僕が面倒みてるから」


その行動に、目を瞠ったまま動けない鳴上を尻目に、足立は電話の向こうの、
『!!  足立・・・・さん・・・・・?』
驚く陽介にたたみかけるよう。


「最後の最後までね、ちゃーんと見てるから心配いらない」


微笑とも嘲笑ともどちらとも取れる笑み混じりで、
それは陽介に伝えているのか、
それとも貫かれたままの自分に告げているのか、
妙に穏やかな声音のそれは、どちらに対して向けた言の葉なのか、
そして真意さえきっと誰にもわからないまま。


「それじゃ。 明日あたりまた、電話してやってよ」


そう言い切って陽介との会話を勝手に打ち切り、鳴上に渡さないまま通話を終了させご丁寧にも電源までオフにして、そのままポイっと放り出した足立曰く。


「なんか、?マークと!マーク混じりでゴチャゴチャ言ってたなあ。 下手すると余計心配して、逆にこれからココに来かねない勢いだったよ」


「な・・・・っ・・・・」


絶句する鳴上に、


「それとも、そこまでバカじゃないか。 いろんなイミで」


あはは僕としても後者だと思いたい、と軽くフォローしてやって足立は、
「大体、こんなところで邪魔されてもねえ」
「足・・・立さん・・・・ッ・・・・ン、う・・・・っ・・・・」
さすがに声を荒げかけた鳴上を黙らせようと、それまで止めていた腰と手の動きを再開させる。
陽介からの電話で一度冷めかけた性感が瞬く間に覚え起こされ、
「んッ・・・・あ、ア・・・・っ・・・・」
こらえきれず声を零しながらも耐える鳴上を見下ろしつつ、
「ま、もう、誰に見られたところで、今となっちゃ大して何にも変わらなさそうだけどさあ・・・・?」
足立が呟いた台詞は、蹂躙される彼に届いたのかどうか。
「・・・・・ッ・・・く、は・・・・っ・・・」
下肢が戦慄く。
阻まれる絶頂感に、膨れ上がりながらもまだ解放できない甘苦しさに張り詰めながら先端からは白色の混ざったものを滴らせる性器を何度もゆっくり擦られ、
あと少しで達せそうなところまで高められてはいるが、摩られながらも根元は再び握られ戒められていて、
まだ吐精は許してもらえなかった。
内側で動かれ、突き上げられながらも前立腺だけを避けられる穿たれ方がもどかしく、
鳴上の腰が大きく揺れる。
と、
「――――― 、待ってな」
苦笑混じりの足立の切っ先が突如角度を変え、
内部の一番敏感なところをピンポイントで凶暴に押し上げてきた。
「うああぁッッ!!」
痛いほどの鋭い性感に、たまらず悲鳴にも似た声があがる。
戒められてさえいなければ、今の刺激で絶頂まで辿り着けるはずだった。
けれど未だしとどに先走りの蜜を垂らし続けることしか出来ず、精を放てない肉棒は足立の手の中で、
痙攣を起こしたかのように震えるだけだ。
「は・・・・っ、は、ぁ・・・・ッ、あ・・・・!!」
そんな状態で連続して腰を打ち込まれ揺さぶられ、
畳につく膝が砕けそうになる。
今にも崩れ落ちてしまいそうな身体は快感以外、何も感じ取れなくて動かなくて。
「あっ、あ、ぅ、ぁ・・・・ッッ・・・・っ・・・」
声ももう抑えられない。
内側を余すところなく攻められ、頭の中が真っ白になる。
下肢だけでなく、全身がビクビク戦慄き出した。
その様子を背後から見て取り、自らも限界を迎えようとしていたため足立がずっと戒めていた指を外し、
素早く根元から先端まで、濡れた音を立てて一気に扱きあげてやれば。
「ひ、 ぅあ、ぁ――――― ッ・・・・っ!!」
喉の奥で掠れた声をあげ、鳴上は勢いよく欲を吐き出して絶頂を迎える。
連なって内側が足立自身を絞り上げ搾り込み、
足立も数秒遅れて鳴上の内部に白濁を注ぎ終えたあと、軽く数回抜き差ししてそれから自らを引き抜いた。
満たしていたものが失われていく感覚に鳴上は咄嗟に息を詰め、そうして。
「あ。 畳、ずいぶん汚しちゃったねえ?」
背後から耳元で囁かれ、
「・・・・・・ッ・・・・」
急速に現実に引き戻されながら、腕ごと突っ伏す。
そのまま息を落ち着かせるため十数秒。
みるみるうち冷えていく汗に体温を奪われ、身体が寒けを覚え始めたあたりで、
ふと、足立のことが気になって、顔だけ向けると。
「あー、なんか眠くなってきた」
自分だけさっさと衣服を整え、悠長にもふあああ、と欠伸混じりで頭を軽くかいていて、
それでも。
小ずるい肉食獣の目をしながら。




「嘘、吐くのかなり上手くなったねー」




「、」




目を見開く鳴上に、「さっきの電話」 と足立は言葉を足す。




「さらっとその場で嘘が口をついて出てくるんだから」
しかもあんな場面で状態で、と笑う。
「少しずつ、僕に似てきたんじゃない? キミ」
それはそのうち、ただ息をするのと同じように、無意識でも嘘ばかり吐けるようになる兆し。
すると、鳴上は一瞬だけ目を伏せ、
「・・・・・・いえ。 元々です」
何を言ってくるかと思いきや。
「俺は元々、卑劣で小賢しい狡い子供だから」




だから、




「足立さんのためなら何でも、どんなことだってどんな嘘だって吐きます」




と呟いた声は途中で一度掠れて消えかけ、
それでも確かに足立の耳に届いて。




「ふうん」




と無感動に頷きかけた刹那、
自分よりよっぽど凶悪なカオで、鳴上が嗤ったような気がした。




「、」




まさかそんな。 この子供にあんなカオが出来るはずがない。








たぶん、錯覚だ。















クリスマスに出すつもりのものが正月ネタになり、
それが更に一ヶ月近く遅れた(・・・・)という・・・・ガクリ・・・・

しかも正月成分がほぼ皆無(・・・・)という・・・・・・・・ガクガクガクリ・・・・パタッ・・・・