[ 同棲してみました。 2 ]



※ヤってるだけです




[PM 21:40]

こうなってしまっては、足立としてもその気になるしかない。
鳴上をベッドの上に乗せてしまった時点で、どのみち展開は決まってしまったも同然で、
どうせそうなってしまったら結局Sexになだれ込むことは確定だったから、、ここに来て今更四の五の文句を言う手間のほうが面倒くさいということをこの三週間で覚えていた。
だったら、こちらもそこそこ愉しんだ方がいい。
ふう、と前置きのタメイキを軽くついてやって、
「ったく・・・・。 ホントに元気だよなあ」
「否定はしません」
答えつつ、嬉しそうにぱたぱたと見えないしっぽを打ち振るう鳴上悠。
完全わんこモードに入った鳴上に、足立は続けて。
「そういえば言ってなかったけどさ、僕明日、非番。 丸一日休み」
「えっ」
「だからキミさえ頑張れれば、わりと疲れても僕的には問題ナシ」
でも悠くん普通に学校あるしねー、万一遅刻とかしたら堂島さんに怒られるだろうからなあ、と性悪めいて笑ってやる。 と。
彼は透明なしっぽが千切れるんじゃないかというほど、ぶんぶん振りながら。
「遅刻するくらいならいっそのこと、休みます」
「余計怒られるっての。 とばっちりで僕までお説教される破目になるからやめてよ」
「それもそうですね・・・・」
「て言うか、悠くんさえ普通に起きて普通に学校行けばいいだけの話でしょ?」
「それはそうか」
考え込んだあと、足立の言葉にはたりと真顔になる鳴上。 なんだこのやり取り。 時々思うのだが、ヘンなところでこの男は頭が悪い。
それに苦笑して、足立は更に煽る。
「グッチャグチャのSexもたまにならキライじゃないし」
素直に 【かなりその気になってる】 と決して言ってはやらなかったのだが、そんなこと鳴上には一切関係がなかったようで。
「、」
再び、口を口で塞いできた。
遠慮なく真上に覆い被さられ、キスが終わって続けざまに素肌の肩にきつく吸い付かれると同時、脇腹のあたりを手のひらが這う。
少し下がって、腰骨のラインを指先でなぞられそのくすぐったさに軽く身を捩ると、肩口にあった口唇が耳元に移動してきて、
「干乾びるほど頑張ります」
妙な決意を秘めてやけに力強く囁かれた。
「・・・・・・いや、何もそこまで」
半ば呆れ混じりで返答すると、
「二言は無いです」
「あー、まあ、それじゃ頑張りな・・・・?」
と、足立が言い終わるか終わらないか怪しいところで、今度は胸元をまさぐられ始める。
撫でられているうちに尖りはじめた乳首に指先が向けられ、はからずとも喉が小さく仰け反った。
傍目にはそれほど大して顕著に反応したわけでもないのに、鳴上は嬉しげに目を細めてくる。
「毎日、ちゃんと栄養考えて料理してるのに全然変わらないですね、体型」
どうしてこんなに細いんですか、と言ってくるわりに、顔は笑っていて。
「残念。 僕、何してもどうやっても太らない体質」
だからキミがどう努力して食事作ったところでずっとこのまんま、と言ってやると、
「さすがです」
妙に感嘆された。 対して足立はどう悪態をついてやろうかとも思ったのだが、くいくいと乳首を摘ままれると言葉より先に吐息が口をついて出てしまう。
それを見た鳴上がぺろりとそこを舐め上げてきて、
「ン・・・・っ」
思わず声をあげてしまい、胸元が小さく浮く。
如実な仕種に気を良くしたのか鳴上は、そのまま舌先で乳首を転がすように愛撫をしてきた。
「ッ、」
抑えようとはしているが、丁寧な施しに嫌でも身体はぞくりとした熱を孕んでくる。
噛み締めながらも小さな息を吐く口唇をまたキスで塞がれた直後、
反応しかけている性器を軽く撫でられた。
「・・・・ッ・・・、」
そこはすでに熱を帯びていて、手指が触れてくるとすぐに頭をもたげ始める。
その様子は触れる鳴上にも直に伝わり、
「もう、熱くなってますね」
「溜まってたんだよ」
「俺はもっと溜めてます」
「ええ・・・・?」
「足立さんと毎日一緒にいるんです。 どうしたって一日もたない」
「ちょ・・・・」
まるで馬鹿みたいな会話だ、との自覚はきっと互いに往々にしてあることくらいわかっている。
しかしながら本当に嬉しそうに、性器をゆるゆるとだがしっかりと揉みしだかれていくうち、
どうしたって生理的に腰が僅かだが揺らめきだす。
手の中の肉棒の様子と合わせて気付いた鳴上が、
「・・・・足立さん」
脈打つそこを丁寧に刺激しながら低く名前を呼んできた。
何、と応えてやる代わりに目を上げて視線を合わせてやると、自分から呼んできたくせ、結局鳴上は何も言わず、更に大胆に手のひらで全体的にきゅうっと肉棒を包み込む。
「、」
と、先端からつ・・・・、と透明なものが零れた。
足立としては、こうやって自らを愛撫され尽くした後、貫かれて(同性、しかも10も年下の野郎の) 欲の捌け口になることには未だに 『なんだかなあ』 といった部分も無きにしも非ずではあるのだけれど、
丁寧に刺激を与えられて、次の段階で扱かれて奉仕されて紡ぎだされる快楽と快感は決して嫌いじゃない。
結局のところ行為自体はそれほど常識を逸したものでもない、所謂単なるSex。
それでも、性感に身体は毎回、確実に反応を示す。
類に漏れず、今も濡れた肉棒が小さく脈打った。
それに無言で口角をあげ、鳴上はそのまま上下に扱き始める。
「ッ・・・、」
薄い背中が僅かに仰け反り、合わせてそこは鳴上の手が動くたびに質量を増していき、
大して時間もかからないうちに濡れた水音を立てるようになった。
「っ、ッッ・・・・」
唇を噛み締めていても息が弾んでいく。
いつもどことなく癪に障るから、あまり声は聞かせてやりたくないのだけれど、
「ん・・・・ッ!!」
すっかり勃ち上がった先端を指先で撫でられ、たまらず声が上がった。
「我慢しなくていいのに」
言いながら、愉しげに鳴上は先端を何度も何度も弄ってきて、敏感なその箇所はとぷりと大量の蜜を溢れさせる。
「しつこい、んだよ・・・・っ・・・」
荒い息のもと、足立がそう言っても効き目は無い。
「凄く悦さそうですけど」
ふっと微笑まれ、そのまま体液で濡れた指を後方に添えて最奥の周囲に触れてくる。
と同時にもう片方の手の指を代わりに肉棒に絡め、前と後ろと両方に刺激を与えてきた。
「ぁ・・・・!」
ぐい、と人差し指の第一関節までが埋め込まれ、自然と足立の身体が仰け反る。
手の内の性器も小さく震えて反応し、鳴上は等しく手指を動かしながらも問いかけてきた。
「痛くないですか」
「今、更・・・・っ・・・」
「です、よね」
わかりきったこと(・・・・・・) を訊いてきながら独りよがりで頷いたかと思った途端。
前触れもなく、埋めた指を付け根までぐいッと突き上げてきた。
「、ッ!!」
しかも、狙ってなのか偶然なのか、その位置が前立腺を掠めて抉って。
声も出せずに全身を戦慄かせた足立に、
「すみません、」
形だけ彼は謝って、尚且つ濡れる体液をその箇所に絡め、送り込むようにしながら内部を探ってくる。
内側の柔らかな肉が軽く痙攣し、鳴上の指を締め付けはじめた。
一度目の極みが近い。
先端から零れ落ちる中にも白色が混ざり始め、腰が浮く。
「イ、く・・・・ッ・・・」
「出してください」
吐精を告げた足立の性器を摩り、内部では粘膜を擦りながら鳴上が指先で前立腺を突き上げてきて、
「――――― ッッ!!」
張り詰めたそこはすぐに弾け、吐き出された白濁は鳴上の指を滴り、手首まで滴り落ちていく。
「っ・・・・、は・・・・っ・・・」
精を放って、自然と繰り返される荒い呼吸を抑えようとした足立だったのだが。
続けざまに内部で鳴上の指が動き出し、吐精の余韻が残る中、更なる刺激に背筋が戦慄く。
「ちょ、っと、待ちなって・・・・!」
「待てません。 それに、もう少しほぐさないと」
制止も聞く耳持たず、鳴上は更に指の数を増やしてきたかと思ったら、同時にぱくりと性器まで口に含んできた。
「待・・・・ッ・・・、ッッ!!」
達したばかりで甘く痺れたままの性器の先端はひとたまりもなくて。
一度口腔にすっぽり含まれて味わわれた後、舌先で根元からゆっくりと裏筋を通って舐め上げられ、
再び先端まで戻ってこられて軽く吸われる。
「んッ・・・・!」
ただでさえ過敏な箇所をしつこく刺激され、全身の熱がそこに集まるかのような錯覚。 蕩けそうなくらい、熱い。
続けざまの性感に下半身は過剰なほどの反応を見せ、更にもう一本指が増やされると、濡れた音がそこから起きるようになった。
合わせて肉棒に絡む舌は、愛おしそうに丁寧に、それでいてなまめかしく動き回る。
「っ・・・、は・・・・ッ・・・」
ここまでくると、嫌でも吐息が漏れてしまう。
なのにあまり乱れてくれない足立に、鳴上は業を煮やすと同時、我慢の限界も近い様子で。
「・・・・・・・・足立さん、」
「な・・・・ッ・・・!?」
僅かに上擦った響きで名前を呼んできて、足立が身じろぐ間もなく性器から口唇を離し、
三本の指が埋まったままのそこに舌先を寄せてきて、
「〜〜〜〜〜〜っ、」
半ば強引に拡げた指の隙間から舌を侵入させ、唾液を送り込んで潤いを持たせる。
それを数回繰り返し、そこが充分に綻んだところでまとめて指を引き抜き、足立の腰を抱え上げてきた。
いいですよね、と鳴上はひとりごち、勃ち上がって火照った自らを最奥に宛がう。
ぐ、と先端だけを飲み込ませ、浅いところをぐちっと抉って。
内側を摺られる感覚に、一度精を放っている身体はともかく、頭が追いついていかない。
鳴上の吐息もそこそこ荒くなって漏れる中、
「く・・・・っ・・・」
未だ下半身に残る絶頂の余韻を塗り変えるよう、更なる性感を送り込まれて堪えようのない息を吐いてしまうと、それに触発されたのか内側、浅めのところで留まっていた鳴上自身がどくんと脈打って大きさを増した。
その感覚すら、微細に受け取ってしまう内壁は足立の意思とは別のところで、鳴上自身をぐっと締め付け始める。
そうなってしまうと、鳴上の方がもたない。
「ッ・・・・・・、俺も、」
出させてください、と口走った途端、足立の返事も待たず強引に腰を進めてきて奥まで深く貫かれた。
「うぁ、――― ッッ・・・・!!」
「く・・・・!」
肉と粘膜の摩擦に、鳴上はこらえきれず体内に全てを注ぎ込む。
一方で、先に一度絶頂を迎えていた足立が内部で放たれた飛沫の熱を感じながらも二度目にはまだ届かず、せわしない呼吸を繰り返していると。
荒い息を吐きながらまだ繋がったまま、妙にほんわりとうっとり蕩けた顔で鳴上が上から見つめてきた。
何、と訊き返してやるほどの余力はなかったから,気付いても気付かないフリをしようとしたのだが。
「好きです」
お構いなし、に多分すでに何千回(・・・・) と告げられている四文字を今度も言われた。
一番最初にこの言葉を聞かされたときは 「はあ!!!!???」 と耳を疑ったし、
自分の耳の疑いが晴れればそれはそれで一体何の冗談か、もしくはドッキリかはたまた嫌がらせかそれとも何かの罰ゲームなのかともありとあらゆる可能性を探ったのだけれども、結果的に直訳するとまごこうことなき 「フォーリングフォーユー」。
どう考えたってどう解釈したって正気の沙汰ではないこの台詞なのだが、
さすがに何千回と聞かされ続ければ、慣れてくる。
「・・・・、そりゃ、どうも・・・・」
なんて適当に流せば、
「はい」
当の鳴上はどう受け取ったのか、満面の笑みで大きく頷いてくると同時、内側の肉棒があからさまにはっきりと硬度を取り戻すのを身体を持って感じ、同時に内部の鳴上の精がぐちっと篭った音を立てて鼓膜を打つ。
「・・・・は・・・・っ・・・」
どうしたって身じろいでしまう感覚に、浅い呼吸を繰り返す足立に引き続き鳴上はぴったりと上半身まで寄せ、器用に腰を使って下肢をグラインドさせる。
「ん・・・、く・・・・ッ・・・・!」
小さく声を上げる足立の様子に煽られたのか、鳴上の動きが激しくなる。
連続して穿たれ、足立の性器も再びしっかり勃ち上がりを見せたのをきっかけに、
「少し、変えます」
そう鳴上が口にしたかと思ったら。
それまで限界まで近づけていた上体を離し、しかし繋がったままを保った状態で鳴上は足立の片脚をぐいっと大きく抱え上げた。
続けて、ゆっくりと丁寧に自らの腰を退く。
「ふ、・・・・ッ・・・」
引き抜かれていく感覚に、吐息が絡む。
もう少しで先端まで抜き終わる、というところまでいくと、そこで鳴上は深く呼吸をして直後。
乱暴なほど激しく強く、最奥を貫いて突き上げた。
「―――――― ああッ!!」
衝撃に掠れた声が喉から零れる。
構わず、鳴上はぐいぐいと腰を進め、時には上下に使って律動を繰り返してくる。
「う、あッ、あ、あ・・・・っ・・・っ!」
足立の噛み殺せない声が漏れる中、
荒い息のもと鳴上は更に愛撫を施そうと、空いている方の手を伸ばし、足立の性器を捕らえて扱き始めた。
その指先が先端を掠めると、彼自身を受け入れた内壁も反応して締め付けを強め、互いに息を詰めることになってしまう。
「ッ、凄い・・・・な・・・・」
「・・・・っ、う・・・・ッ・・・・」
くしゃくしゃになったシーツを掴んで頬を埋め、足立は眉根を寄せ刺激に耐える。
しかしそれも前立腺を狙ってぐりぐりと突かれると、掴む指先に力が込められた。
「そ、こ・・・・やめっ・・・・ッ!」
「悦いですか?」
「キ、ツ・・・・っっ・・・・!」
痛いほどの性感。
全身が戦慄きだす。
と、それまで片脚を抱え上げていた鳴上がそっとそれを下ろし、繋がったままいつものよう、正面からの体勢に戻してきた。
「それじゃ、こうすれば」
大丈夫ですよね、とまるで年下の子供(・・・・菜々子?) にでも言って聞かせるかのような声音で響きで告げてきて、なんだよ僕の方が十も年上だってこと忘れてない? などと足立がぼんやり思っているうち、
体重をかけて上から覆い被さられ、背中に腕が回される。
と、より深く奥まで侵入され、
「ツっっ・・・・、」
足立の喉が仰け反るのを見たが早いか、鳴上は再び腰を荒く使い始めた。
「足、立さん・・・・ッ・・・・」
体勢が変わったがゆえ、すぐ耳元で鳴上の激しい息遣いが聞こえて、頭の芯が熱を持ってぼうっとしてくる。
一方で内壁は擦られて捏ね回され続け、痺れるような快感が重く溜まってきた。
「ぁ、あっッッ・・・・!」
ただでさえも快楽に押し切られそうな中、ふいに性器に鳴上の指が添えて擦られ、
「ン・・・・っ・・・・!!」
両方から与えられる性感に一気に身体は頂点へと向かい、全身に力から入って不規則に痙攣する。
内側もきつくきつく、受け入れている鳴上を締め付けた。
「く・・・・、ッッ・・・・」
「う、ァ・・・・っっ!!」
今度は二人、ほぼ同時に絶頂に達する。
足立は再び鳴上の手の内に精を吐き出し、鳴上も先程同様、足立の中に二度目のものを注ぐ。
「ん・・・・っ・・・・」
自分の中で弾けた熱に敏感なところを灼かれる感覚に薄い胸を上下させて足立が喘ぐと、
鳴上は何度か腰を揺らして最後の一滴まで搾り出したあと。
ぐったり脱力する身体の中から名残惜しげに自らを引き抜いて、
「どうしても、好きです」
まるで宣誓するかのような響きでまた同じ台詞を告げられ、縋るようにキスで口を塞がれる。
口を塞がれてしまったから、足立は返答もなにもしなくて済んだため好きなようにさせてやった。
昼のデスクワークが祟っているのか、なんだか今になって物凄く眠い。
もう今日はこのまま眠って、明日目が覚めたらシャワー浴びればいいか、と思っていたら。
ゆっくりと鳴上の口唇が離れていき、そのまま。
「・・・・・・もう一回」
「え?」
囁かれて、呆気に取られた一瞬のうち、首筋に唇を落とされた。
そしてつうっと舐められる。
「明日、休みだって言いましたよね」
「うん。 休み」
「なんだか俺も本当に休みたくなってきました」
「そしたら僕が堂島さんに言いつけるから。 それでもいいなら好きにすれば?」
「・・・・・・・・。 気合で起きて学校行きます。 だからもう一回だけ」
「・・・・・・・・・・・・・・・・。 好きにしなよ」
「はい」
まるで睦言にも似た会話に、とことん鳴上は嬉しそうに頷いて、性懲りも無く足立の下肢に手を伸ばし、性器を包み込んでくる。
そのままゆるゆる扱き続け、萎えていたそこが芯を持ち始めたところで身体の位置をずらし、口唇を落とした。
濡れた先端を咥え込み、躊躇なく舌先で先端を擦ってくる。
「、ァ・・・・ッ・・・・!」
手指で弄られるのとは違う、直に粘膜を感じて思わず吐息が漏れた。
鳴上はただ一心不乱に、口腔内と口唇とを全体的に使って本格的に口淫を施し始める。
「・・・・っ・・・・」
ゆっくりと、時間をかけた馬鹿丁寧な愛撫に足立の腰が戦慄く。
「んッ・・・・!」
先端の窪みを舌先で突付かれると、下肢が浮いて質量を増し勃ち上がった。
「まだイケそうですよ、足立さん」
「喋ん、なって・・・・ッ・・・!!」
含まれたまま言葉を発され、歯が僅かに先端を掠め、たまらず制止。
しかし構わず鳴上は、足立の細い内腿をそうっと撫でてきたかと思いきや、今度は括れの部分に舌先を向けてきた。
「ん、ン・・・・ッ!」
そこを舌で弄くってこられ、性感を堪えようとして爪先に力が入る。
が、結局大した我慢も出来ないまま、夢中で鳴上が口淫を施してくる性器を中心に、下肢全体から甘い疼きが湧き上がってきて、じくじくと重い快楽が腰に響き始めた。
「も・・・・ッ、いい・・・・っ・・・・ッ」
昂ぶった先端をついっと吸われ、直後に裏筋を指先で擦られながらしつこいほど口唇でも食み回されて、
身体が一気に絶頂近くまで持っていかれる。
足立としては、とっくのとう、自分で動く気はない。
だから顔を上げた鳴上に、両腕を使ってころりと大胆に体勢を変えられても、抵抗することさえ面倒くさくてそのままだった。
為すがままの足立をうつ伏せ状態にして、鳴上は今度は後ろから腰を抱え込み、最奥への愛撫を開始してくる。
一度彼のものを受け入れたその箇所にまず浅く指を潜り込ませ、自らの精液でぬめった内部の感触を確かめるよう、色々な角度で内壁を擦り上げる。
「ッ、は・・・・ッ・・・・、ァ・・・・!」
その感覚に嫌でも内壁が収縮し、軽くかぶりを振って耐える足立に、
「この中の、俺のですよね」
「や、めなって、そういうコト言うの・・・・ッ・・・・」
どうしてこういう時になるとやたらオヤジ臭いんだよ、とお小言を言ってやろうと足立は身を捩る。
が、鳴上は後ろから足立の太腿をしっかりと抑え込んでしまっていて結局体勢は覆られず、
しかもそれを察知したらしく指を深いところまで埋め込まれ、先手を打たれてしまった。
「う・・・あッ!!」
しかもしかも、一番弱いところを狙われる始末。
俺もまた限界です、と吐息混じりの鳴上に続けざまに前立腺を強く強く突き上げられ、
「く・・・・、はッ!!」
鋭い性感に息が詰まりそうになるくらい、悶えてしまった。
そんな足立の媚態に、前述通りすっかり鳴上自身も臨戦態勢で熱を取り戻し済みで。
細い腰を片腕でぐいっと引き寄せ、埋めていた長い指を忙しなく引き抜き、そこに猛った先端を宛がう。
と、打ち付けるようズクン、と一挙に奥まで貫いた。
内壁の濡れた粘膜に根元まで包まれたと同時、グイグイ締め上げられ急速に彼の呼吸も荒くなって、
連動して腰の動きも激しく、貪られるものになる。
「あッ、あ、ぅあ、ア・・・・ッッ!!」
後ろから深く貫かれる体位で、足立は奥の奥まで鳴上に抉られた。
先程の愛撫で膨れ上がったままの性器が震え、揺さぶられる勢いで時折、先端がシーツに擦れる刺激でさえもキツい。
内側の鳴上は一切合切の遠慮も無し、深い部分を容赦なく突いてきて、
気付けば性器に手指が絡み付き、乱暴に根元から揉み込まれて。
「ッ!! ひ、ッッ・・・・!」
たまらず足立は絶頂を迎える。
一拍置いて一際強く締め上げる内壁につられ、
「・・・・う・・・・ッ・・・・!!」
小さく呻いて、鳴上も再び内側に精を放ち、
そのまま、揃って重なってシーツの上に崩れ落ち、呼吸が整うまで数十秒。 
・・・・・・更に数十秒。
・・・・・・・・更に更に、数十秒が経過したにも関わらず、
いつまで経っても動こうとせず、どかない鳴上に、
「・・・・・・・・重い」
早くどきなよ、と言いながら、のそりと首だけそちらに足立が向けようとしたら、またも馬鹿の一つ覚え。
「好きです」
告げられて、やっと身動きをした鳴上に背中、肩甲骨の下のあたりに強く長く口付けられた。
























「結婚してください」
「嫌だ」
「どうしてですか」
「どうしても。 ・・・・・・ところで明日の夕飯、何?」
「明日はチーズフォンデュです。 ジュネスの輸入食品フェアで今夜の材料と一緒に全部まとめて買ってきました」
「ふーん。 輸入てどこの国の?」
「確か、スイスのチーズだったような」
情事の後の、毒にもクスリにもならない雑談。
鳴上からの耳タコ求婚をそれにすり替え、かわしたつもりだったのに。


「結婚しましょう、足立さん」


鳴上悠のしつこさはいつでもどこでも相変わらずで、隙あらば真顔でそう言ってくる。
だから足立はほんの数秒考えて、


「じゃ、5分以内にスイス語でプロポーズできたらちょっと考えてやってもいいかなー」
だけどスマホ禁止。 パソコン使用も禁止。 辞典でも事典でも使って自力で調べてきな、と告げてみたところ。
「!!!!  調べてきます」
それまで伏せていたベッドから鳴上はがばっと身を起こし、
ほとんど一足飛びで隣の部屋へ駆け込んで行って、やっと一人になった足立がふああ眠い、とひとつ大きな欠伸をしながらそちらを眺めること、しばし。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。


鳴上が姿を消した隣の部屋から、何やらがさごそ音がする。
まとめて何かをひっくり返すような音。
私物の中から、参考書でも引っ張り出しているのだろうか。 もしくは言語辞典か。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・!!!!
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・!!!!
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・!!!!


挙句の果て、
最終的にはペルソナまで(・・・・・・・・何の??? ・・・・・・・・何で???) 召喚したらしき気配。


そしてきっかり5分後、


「スイス語なんて存在しないじゃないですか!!!!」


息せき切って戻ったかと思いきや、「酷いです」 とがっくり気落ちする鳴上を見上げ、足立は。


「悠くん、とりあえずさあ」


真っ裸でウロウロするのやめたら? と呆れ返ってタメイキをついた。















[翌朝 AM 7:45]

やはりというか何というか、見事に大寝坊した鳴上があわただしく登校していくのとは正反対に、
Sexの跡の色濃く残るベッドで一人、足立は惰眠を貪った。












【『同棲してみました。 3』 に続・・・・く、かと】




ヤってるだけです。 いつものことです(笑)