※主人公の名前は公式(?) の 【鳴上 悠】 でやらせていただきました 




※とりあえず既出のものとはこれまた別設定で、11月中旬あたり? 
という感じの 「すでに出来てる前提」 でお読みいただければ幸いです











[ Shake hands、Right]










嘘をついている。(お互いに)
騙してだっている。(お互いに)
欺きあっても、いる。(お互いに)




それどころか揃って言わないことだって山のよう、
揃って告げられないことばかりを貯め込んだ自分とこの高校生男子であるはずなのに。
それでも。





――――――― それなりの距離で、それなりにSexはできる現実。































無造作に胸元に滑らせられた手のひらで露わな肌を撫で上げられ、
触れた指先が過敏な場所を探していく。
「・・・・・っ・・」
そして指先が謀らずとも乳首に触れてきた瞬間、身体が僅かに震えた。
触れた肉粒をそのままきゅっと指先で摘まみ上げられ、
揉みながら転がしてくる、高校生にしては些か手の込んだ愛撫に、
きつく噛み締めた足立の唇から、どうしても堪えきれない喘ぎが漏れた。
その敏感な反応が、組み敷いてくる鳴上には嬉しかった様子で、口許を僅かに緩めながら。
「聞きたいです、声」
「・・・・っ・・、嫌、だよ」
耳元でそうねだってくるけれど、速攻で却下。 きっぱり言い放つ。
そうそう思い通りになんてなってやらない。
だが鳴上はそんな程度では到底へこたれる様子もなく、
「ん・・・・っ・・・」
転がし続けている右側の肉粒はそのままに、空いている方に唇をそっと落としてきた。
ちゅく、と吸い付かれたあと、ぺろりと舌先で舐め上げられて僅かに足立の喉が仰け反る。
口腔内、硬くそびえ立つ肉粒を舌先でたっぷり嬲られ、時折吸い上げたり歯を使って刺激を送る愛撫を送られると、さすがに堪えるのもしんどくなってくる。
「つ、はッ・・・・!」
心臓のある左側の乳首を少しだけ乱暴に吸い上げられて、押し殺すことのできなかった甘い喘ぎが唇から漏れた。
たまらず上がったその声に、鳴上は俄然やる気を催したようで、飽きることなく両の突起への愛撫を重ねていく。
「・・・・悠、くん、・・・・しつ、こいよ・・・・っ・・・」
名前を呼んで、胸元の頭に手を添え、髪をグイグイ引っ張りながら文句を告げても、
「足立さんが悪いんです」
ただ一言、それだけ返してきてまた胸への愛撫に没頭する。
「ええ? ・・・・ちょっ・・・、も、ホント、もういいって・・・・!」
それに翻弄されながらも、
半ば意地になったかの如く自分の胸元を抱き込んできて離さない鳴上に、
絡む吐息混じりながらも、足立は込み上げてくる苦笑を隠せなくなった。
だから自分にしては珍しくも力ずく、有無を言わせない強さで鳴上の頭を引き剥がし、
「そう、ムキにならなくたっていいって。 確かに僕が悪かった。 そこちゃんと認めるからさ」
それでも口調はいつもの通り、軽く柔らかく。
「仕方ないじゃん、充電切れちゃってたんだし。 午後起きてすぐに電話したけど、キミとは連絡つかないし」
そう言ってやると、
「俺にだって、電話に出られないときくらいあります。 それに午後は友達と会ってたし」
小さくぼそりと呟かれたから。
ここで、試しに。
「へー? どこ行ってたわけ? 思いっきり圏外だったけど」
当然だが何も知らない素振り、興味オンリーのふりをして尋ねてみたところ、
「・・・・ジュネスです」
思いのほか素直に、そこは答えてきた。
けれどまさかその続きで 「その家電売り場から入ったテレビの中の世界」 とまで言えるはずはなく、口調に勢いは無い。
まあ言えるわけないしなあ、
僕だってまだ気付いたことに気付かせてやるつもりもないしなあ、と足立は頭の隅で考えて、
「あー・・・・。 あそこ、電波入らない場所とかあるからね。 わかるけど」
それとなく宥めるよう、納得したふりでこの場を収めようと、
ぽりぽりと頭を軽く掻きながら上半身を起こし、
「まあ、だから代わりに今こうやって一緒にいるんだからさ」
そう言って鳴上のその眼を覗き込んだ。




そもそもの原因は、足立の見事な寝坊にある。
つい昨日、午前中に会う約束で了承していたにも関わらず、その前の日の残業が祟ったのかものの見事に寝過ごし、目覚めて 「あ、」 と気づけばとっくに昼を過ぎていて。
一応かけていた携帯の目覚ましアラームはまさかの電池切れで気がつかず、
ウンともスンとも鳴らないまま日頃の睡眠不足を取り戻そうと、午後まで思いきり惰眠を貪ってすっぽかしてしまった鳴上との待ち合わせ。
一方でいつまで経っても待ち合わせた場所に姿を見せない足立の充電切れの携帯に、当の鳴上は何度も何度もかけてきていたらしいのだけれど、当然にして繋がるはずもなく。
以下、本日、互いの携帯が繋がるようになってから、
現状に至るまでのやりとりだ。




『あっ悠くん、ゴメンね〜、昨日は寝過ごしちゃってさあ』
『寝坊・・・・』
『携帯、電池切れしちゃってて目覚ましも鳴らなくて』
『二時間、待ったんですけど』
『ごめんごめん、けど二時間も待つなら、うちに来ればよかったのに。 玄関のドア叩いてくれれば、いくら何でも起きたよ僕だって』
『・・・・・・・・。 急な仕事でも入ったのかとも思ったんです。 だから連絡つかないのかと』
『うわ、ホント、悪いことしちゃったな。 じゃあ、これからうち来る?』
『え?』
『僕はもう早番だから仕事終わってるし。 悠くんもう学校終わったんだろ? 来ていいよ』
『・・・・いいんですか』
『いいよ。 で、昨日すっぽかしたお詫びに、好きなようにさせてあげるから』
『、』
『実を言うと僕としては昨日もそのつもりでいたんだけどさ。 どこかの二丁目とかならともかく、普通のラブホは男同士じゃ入れてくれないからね』
『・・・・・・・・』
『大体、キミと一緒じゃ目立ちすぎるし』




だから来なよ、と先んじてリアクションを起こし誘って、
言いつけに従ってすぐさま訪れた鳴上を自室に引き込み、「とりあえず、しようか」 と頭を撫でてやって以下略、今に至る。




「外での待ち合わせはまた今度でいいじゃん? その時はどこへでも付き合うからさ」
そう言うと、覗き込んだ眼をふっと鳴上は落とした。
「・・・・でも足立さん、大抵忙しそうですから」
そしてぼそり、と呟いて、
「だから今日は、本気で本当に俺の好きにさせてもらいます」
「・・・・・・・・。 は?」
あまり穏当ではない響きを急に纏った鳴上の一言に、足立がまばたきを一つ、した直後。
足立の意識がそこに向く前に、下肢に手が滑り込んできて、内腿をそろりと撫で上げられた。
続けて先程とは逆、今度は鳴上に力ずくで腰と両膝を抑え込まれ、顔と唇とがその箇所、
先刻までの胸への愛撫で心持ち熱を貯めている中心部に落とされようとする。
「っ、ちょ・・・っ・・・!」
咄嗟に足立は片手を伸ばし、鳴上のその肩を押し留めようとしたのだけれど、
すでに遅く、次の瞬間。
「ん・・・・ッ・・・!!」
鳴上の舌先が、半ば首をもたげかけていた中心に触れた。
元から反応しかけていた箇所は、濡れて柔らかな舌の感触、ただそれだけで身体全体を震わせるほどの快楽として受け取ってしまう。
「い・・・きなり、・・・っや、め・・・・!」
あまり認めたくはないが、鳴上の口淫はたぶん経験と年齢のわりにはとても巧くて、
覚えが早いというのか、単に飲み込みが早いというのか、
たった数回の今までの行為で足立のポイントを押さえ、巧みな刺激を与えてくる。
「だって好きにしていいって言ったのは足立さんです」
「そ、ういう意味じゃ・・・・っ・・」
「そういう意味にしか受け取れません」
簡単に一言で流され、先端を軽く吸い上げられた。
「・・・・っ・・ッ・・・!!」
鋭いその刺激に、たまらず足立は緩く腰を浮かせてしまい、自然と鳴上に向けて自らを差し出す姿勢になってしまう。
それを幸いと鳴上は浮き上がった腰を支えつつ、熱を持つ先端を何度も何度も舐め上げた。
「・・・・あ・・・あッ・・・・!」
腰をしっかりと押さえつけられてしまっている上、
十歳も年下の、この子供に文句を言おうと声を口にしようとしても、もう甘い喘ぎしか出て来そうにない。
「ぅ・・・・、んッ、く・・・・」
空いている方の手で口許を抑え、なんとか我慢しようとするけれど身体は与えられる快楽に弱く、
何度も舐め上げられていくうちに先端からはじくじくと透明な蜜が沸きあがってくる。
最初は鳴上の舌先を濡らす程度だったその蜜はみるみるうち量を増し、次第に足立自身を伝って零れ落ちた。
鳴上は一切手を抜かず、零れ落ちる体液を全て舌で掬い上げるよう、舐めていく。
丁寧な愛撫は、執拗と紙一重で。
敏感な部分を長い時間をかけて弄られる足立としてみれば、背筋に震えが走るほど、甘く、同時に苦しい。
「し・・・つこい、って・・・・! キミ、いろいろホントに・・・・!!」
なんとか甘い責め苦から逃れたくて、半ば逆ギレ(?) にも似た怒声半分、懇願半分で声を荒げたら。
「、!」
ふいに鳴上の舌先が、それまで触れていた先端から突然離れた。
甘苦しい感覚から解き放たれ、思わずほっと息をつくと同時、熱を湛えて勃ち上がっているそこは、
思考とは逆に、更なる快感を欲しがって熱く疼く。
「・・・・悠、くん?」
突然動きを止めた鳴上に、足立が疑問符を浮かべながら注視すると。
「でも次はいつになるか分からないから」
足立が聞き取れるか聞き取れないかの、ギリギリの小さな声と早口で鳴上は短く言い捨て、
「え?」
と聞き返されることを先手を打って防ぐかのように。
一旦離していた先端を、今度は口腔の中に素早く含み入れた。
そのまま柔らかな口唇と、内側の粘膜で激しく擦り上げながら扱き上げていく。
「――――ッ、あ、ァ・・・・っ!!」
体温を体温で刺激される愛撫に、足立の喉が仰け反る。
「っ、ぅ・・・・、っ・・・・は、っ、ッッ・・・・!」
鳴上の口許が動くたび、ぞくぞくしたものが背筋を駆け上がり、びくびく腰が戦慄いた。
「ん、・・・・・ッく・・・・ぅ・・・」
慌てて手で口許を抑えるけれど、もう声は押し殺せない。
見て取った鳴上は口腔と舌との愛撫に加え、それまで腰を押さえつけていた手を足立自身に移動させ、付け根から中腹部分を指で上下に扱きはじめた。
「あ・・・・ぁッ!」
とろりと足立自身から零れ落ちた蜜が濡らす鳴上の指が、敏感な裏側を撫でなぞっていくと、
たまらず下肢が跳ね上がる。
「っ・・・・んっ、・・・っ、・・・・!」
乱れた髪が乾いた音を立ててシーツを掠め、追い上げられ迫る高みに汗が滲んだ。
「このまま、」
「―――!」
出してください、との鳴上の言葉に混じり、すでに絶頂を迎えようとしているほど膨らみ張り詰めたそこに熱い吐息が触れ、
たまらず足立は鳴上の肩口に爪を立てた。
食い込む爪の痛みにもまるで構わず、鳴上はひくひく震えはじめたそこを更にたっぷり、いとおしげに舐めあげていく。
そうして、僅かだが蜜が白濁の様相をみせる頃合になると、
絶えず溢れる先端の窪みに、心持ちとがらせた舌先をくいっとこじ入れた。
途端、
「ッ、―――・・・・っ、・・・ッ!!」
ぶるっと大きく身体を震わせ、鳴上の口腔に足立は自らのものを吐き出したした。




「・・・・ッ・・・」
口内に広がった白濁を喉の奥まで飲み干して、
達したあとも銜えたままの足立の先端を鳴上は繰り返し吸い上げ、最後の蜜まで強請る。
過敏なそこを吸われるたび足立は腰を小さく戦慄かせ、
ようやく鳴上の唇が離れていくと即、脱力して荒く深い吐息を何度も何度もついた。
「・・・・・足立さん」
口許を手の甲で無造作に拭った鳴上は体勢を変え、
名前を呼びながらせわしなく胸を上下させている足立の顔を覗き込んで来る。
荒い息のもと、
「どうしたのさ。 ・・・・そんな顔して」
足立がけだるげにその表情を見つめ返してやると、
「キス、したいです」
今更、キスをねだってきた。
何を今になって、とも思いつつ苦笑しながら、「いいよ」 と了承してやって、
重ねられる口唇を開いてやれば、鳴上の舌が口腔に侵入してきた。
その舌は懸命に足立の舌を捕らえようと探して彷徨うけれど、足立は決してそうさせない。
逆に隙をついて鳴上の舌を捕らえて吸い、思う存分唾液を絡めていく。
充分に口唇を味わってから、最後に強く吸ってそれを合図に解放すると、
唇の端から収まりきらなかった唾液が緩いカーブを描いて鳴上の顎まで伝った。
「上手いですよね」
伝い落ちたそれを拭うこともせず、今更ながら感心したように呟く鳴上。
あらためてしみじみ言われても、一概にどう答えていいものかわからない。
「まあ、年の功、ってやつ?」
この歳で高校生より下手だったら困るでしょ、と軽く流しておいて、
けど悠くんも下手じゃないと思うよ、むしろSexとか巧いと思うし、と誉めながら。
「じゃ、続ける?」
先を促すと鳴上は小さく頷いて、今度は足立の両脚を大きく割り開き、濡れたままの中心部に再び触れてきた。
一度達し、質量と熱とを失っている足立自身を掌中に握り込み、揉み込むよう刺激してくる。
一擦りされるたび、確かに大きさを増すそこを丁寧に扱われつつ、
もう片方の手は更に後ろ、奥まった部分を探ってきた。
辿り着いた最奥の周りを、確かめるように指の腹で何度か揉まれ、なぞられる。
「ッ・・・・!」
前と後ろへの刺激に腰が退きかけるが、
「駄目です」
短く一蹴、退き気味の腰を力ずくで引き戻し、鳴上は有無も言わせず露わにさせた最奥に舌を這わせていく。
まず宥めるよう丁寧に舐めてから、添えた指先を第一関節まで挿し入れた。
鳴上の唾液で多少は潤ってはいるけれど、まだそこはそれ以上の侵入を許さない。
「ぅ・・・・ぁ・・・・!」
けれどそれなりの今までの経験上、
鳴上の指先を締め付けると同時に熱を持ち蕩けはじめ、時間の経過と徐々にかき分けられるようになってくる。
そして時間をかけ、二本まとめて長い指の第二関節までを埋め込むことができるようになってしまえば、身体全体も慣れてきて。
「・・・・っ・・・・・・・ふ・・・・」
内側で鳴上の指が動くことに感じてきた足立の身体から、力が抜けていく。
それを切っ掛けとして、内部の指が内壁を引っ掻きながらとある一点を強めに押し上げて、
「うあ・・・・ッッ・・・!!」
前立腺を刺激された途端、身体が跳ね上がり、ベッドが大きく軋んだ。
「っ・・・・、キ・・・ツ・・・・っ・・・・!」
感じすぎてしまうその部分への刺激を、足立は首を振って制止するけれど、
もちろん鳴上が言うことを聞くわけがない。
「あ・・・・ああッ・・・ッ!!」
もう一度、より強めにぐっと押し込まれ、
たまらず喉の奥から漏れる喘ぎ。
その姿に自然と鳴上の身体にも熱が溜まっていき、
より最奥の入口を柔らかく緩ませようと、埋め込んだ指はそのままに、
広げて作った隙間に舌先を無理矢理差し入れてきた。
「ぅ・・・・あっ!? 馬鹿、やめ・・・・っ・・・・!!」
濡れた感触。
浅いところとはいえ、内側を柔らかく温かな舌が蠢き蕩かしてくる感覚。
自分の最奥で鳴上の指と舌とが動くたび、響く湿った水音。
「ん、く・・・・っ・・・」
そこまでして時間をかけて慣らされたあと、
潤いと充分にほぐされたことを確認し、目途をつけた鳴上の舌がやっとのことで引き抜かれていくが、
間を置かず代わりに指がまた一本増やされて、全部で三本の指で内壁と前立腺を擦り上げられる。
「・・・・っ・・・も・・・ッ・・・・!」
どうしようもない快感に耐え切れず、
きつくシーツを握りしめると、
「俺も、・・・・もう」
そんな声と同時に、とっくに再び熱を溜めて膨れ上がった足立自身にするりと鳴上の指が絡められた。
「ッ!」
ただそれだけでも、中心は大量に蜜を滴らせ、
熱と欲を湛えて勢いよく脈打ち始める。
見て取った鳴上は内部をほぐしていた指をまとめて引き抜き、
質量を失って震えたそこに、同じく熱を帯びた自らを宛がった。
「・・・・熱、い」
独り言のよう、呟いて軽く前髪を一度かき上げ、両腕で細い腰と脚を抱え上げ、自らを内側に埋めていく。
「ッ・・・・っ・・・」
先程指を絡めた足立自身を軽く擦りつつ、
足立が特に痛みを感じていないことをその表情で確かめると、一気にぐッと最奥まで貫き通した。
「あ、う・・・・っ・・・!」
奥まで貫かれた衝撃と刺激とがないまぜの快感に、足立の身体が反り返る。
「・・・・く、」
突き入れた鳴上も、まだ律動すら開始していないにも関わらず、
ひくひく蠕動しながら期待に打ち震えるかのよう、自身をきつく強く包み込み締め付ける熱くやわらかな肉壁に思わず息を詰める。
一度息を吸い、それでも咄嗟に腰を退こうとする足立の退路を断つため、
深く埋め込んだまま、乱暴とも言えるほど激しく腰にゆさぶりをかけると、
「ぅあッ、あ・・・・ッッ・・・!」
たまらず足立は喉を晒して身悶えた。
鳴上は構わず、本格的に抽挿を開始する。
動くたびに熱く湿った肉壁と、鳴上自身が擦れて身体の奥から淫靡な水音が響いて。
「悠、・・く・・っ・・・」
名前を呼んで何かを言いかけて、しかし足立が途中で声を殺してしまったのは、
鳴上が絡めた指で足立自身を素早く扱きあげてきたからだ。
「ァっ、・・・・あ・・・・!!」
突然の前の器官への愛撫に、
「い・・・・ッ! ん、、―――ッ・・・・!!」
かぶりを振って感覚を紛らわそうとするけれど、ここまで来てしまうともう無理で。
耐えず抽挿を続けながら、鳴上はすっかり勃ち上がった足立自身の敏感な、
充血した先端部を爪先で繰り返し抉ってくる。
「離っ・・・・ッ、もう・・・・っ!」
言われても決して離さず、戦慄く足立の身体を追い詰めるため、しつこく先端部を弄くるたびに、
鳴上自身を包み込んでいる内部がきゅっと締まり、その都度鳴上にもたまらない刺激が返って。
「く、は・・・・ッ!!」
ズッ、と一際強く奥を突き上げると途端、掌中の足立自身が大きく脈打った。
突き上げられた際、括れがちょうど足立の悦点を激しく引っ掻いたらしい。
そこは今の今まで、足立本人でさえ既知していなくて。
「・・・・っ、あ・・・・?」
突然の強すぎる快感刺激に、足立の身体よりも、思考の方が追いつかない。
むしろ先に気が付いたのは、
「ココ、ってことですよね・・・・?」
若造の方である。
「・・・・? っ・・・!? 待っ・・・・!!」
一拍遅れて、足立は鳴上の言葉と意図を察知したが、もう遅い。
次の瞬間、
「ぅあ、ッ―――っっ・・・・ッ!!」
その一点を寸分違わず思い切り突き上げられた。
下肢から背筋に弾けた電流のような、激しすぎる性感。
構わず鳴上は小さく震えて上下する足立の腰をぐっと引き寄せ、
更に痛いほど感じる箇所を、自らの切っ先でぐいぐい押し上げ擦りつけてきた。
「あッ、あ・・・・ぁッ! ひ、ァ・・・・っ!」
あまりの快楽に、声を殺す余裕もなくした足立を嬉しげな表情で眺めながら鳴上も、
自らの欲と熱を高みに追い上げていくため、激しく腰を突き入れながら内側を攻め、特に弱いところを狙って突いていく。
「―――ッ! 、ッ、く・・・・!」
連続して鋭く悦点を突き立てられる激しさに、足立の全身から汗が伝い落ちる。
ただでさえ近い絶頂。
鳴上はそんな足立自身を絶えずさすり続け、確実に高みに追い上げて
「っ・・・・!」
折り重なって互いの胸元が近づく姿勢と体勢のため、
時折硬く尖った胸の肉粒が擦れるその感覚さえも、下肢に直結してとくとくと新たな体液を滴らせる愛撫になる。
「・・・・っは、は・・・っ、ぅ・・・、・・・・っ・・・・」
足立の吐息が忙しなく、上擦ったものになってきた。
同時、搾り取るように絡み、締め付けてくる内側に鳴上にも限界がやってくる。
自然と息遣いも荒いものになり、
結合部から響く粘った水音と混じって互いを煽りあった。
「つ・・・・ぅ、んッ・・・・っ・・・」
「・・・・く・・・ッ、」
絶頂の一歩手前、足立の下半身に力が入り腰が大きく揺らぎ始め、
一層ぐいぐいと締め付けられる強さに鳴上の口からも声が漏れた。
「・・・っ、そろそろ、・・・・」
絡む吐息の中、鳴上は小さく呟いて、一旦ギリギリまで引き抜き、それからズッ、と激しく一気に最奥を穿つ。
「ぁっ、あ!! あぁ・・・・ッ・・・・!」
悦い。
お互い、とにかく我慢できないほど悦い。
柔らかで、どこもかしこも敏感な内側の肉壁を思うさま蹂躙し、
その狭さと締め付けてくる強さに、一直線に鳴上の身体も絶頂に上り詰める。
「も、う・・・・ッ、・・・!」
「ッ・・・・!!」
限界と絶頂を告げる鳴上。
合わせて穿たれる足立にも、同時に訪れる二度目の吐精。


「ッ、ぁ・・・・っ・・・・!!」


最後の仕上げ、とばかり思いきり奥深くを抉られて、
限界を迎えた足立自身が二人の身体の間で音もなく弾けて達し、白蜜を噴き出す。
つられて鳴上も足立の内側に欲を放ち、
互いに身体を弛緩させたあとはベッドの上、しばらく重なりあっていた。






























「もう、秋も終わるねー」
スッキリしつつも気だるい身体でふああ、と欠伸混じりに浴室から戻ると、
鳴上がシーツやら何やらを取り替えていた。 その手際の良さに毎度毎度妙に感心する。
濡れた頭の上からタオルをかぶったまま、
「あ、グシャグシャって洗濯機に突っ込んどいてくれればいいから」
なんだったらスイッチ入れて回しといてくれてもいいし、と告げつつ、
タオルの上からがしがしと水分を飛ばしながら、整えられたベッドの上に足立はごろりと転がる。
「濡れた頭のままだと、枕まで濡れますよ」
するとごく当然の指摘が高校生から入ったが、「別にいいよ」 と軽く流して、
「ついこの間まで暑かったのに、気付けば寒いしね。 来月なんかもうクリスマスと年末だよ? この歳になると、一年が滅茶苦茶早くてイヤになってくるよ。 悠くんはまだそんな感覚無い頃だよね」
「早いといえば早い気もするけど・・・・」
「その返事聞いてわかった。 あー、無い無い。 答えあぐねるってことは1%も感じてないってコトだね」
羨ましいけど、かと言って今のキミと同じ年頃だったあの頃には特別戻りたくもないなあ、とこれまた笑い流し、「キミもシャワー浴びてきたら?」 と告げる。
すると鳴上は 「そうします」 と頷きながらも、
「足立さん、クリスマスは」
来月、 ・・・・・正直まだ少し遠い日付のイベントデーについて訊いてきた。
「さあ? 別に予定はないけど。 まあたぶん仕事じゃない?」
どこまでもどこまでも、口先だけ。 口頭のみ。 一ミリグラムの重ささえ無い、中身のない台詞。
何故って自分だけじゃない。
彼も、
この若造も、
そろそろもうとっくに気がついていい頃合、今はもうそんな日付で。
自分が何も言わなくとも告げずとも、




――――――― まず間違いなく本能のアラートは鳴り狂っているはずだ。




なのに鳴上はギリギリまでユメを見たいのか、
ただの現実逃避なのか、
それとも本当に何も気がついていない無能なのか。 




「じゃあ、俺が予約していいですか」


「は? 仕事だと思うよ? それにキミ、友達とかと過ごすんじゃないの?」


「今日みたいに、仕事の後でも」


「別に構わないけど。 あ、期待されてもプレゼントとか無いよ? 先に言っとく」


「最初から期待してません」


たぶん恐らく自分たちにクリスマスは来ない。 そこまで持たない。
なのに何なのだろう。 この、熱に浮かされたかの如くのふわついた会話。
まあそれでも。
それでも。
それなら。


「うん。 僕もあんまり期待してないから」


「でもクリスマス前にも、時間が合うなら沢山会いたいです」


「・・・・・・・・。 随分ストレートに言うねー。 今更だけどちょっと驚いた。 そうだね、時間・・・・あるかなあ」


「だって言わないとあまりわかってくれないじゃないですか。 足立さん」


「ええー? 分かるよ? わかってるよ? いろいろ。 うん。 いろいろ」




下手くそな嘘。
騙し合いも一興。
欺き合うならお互い様。




「・・・・足立さん」
「ん?」




微かだが僅かだが確かに、それまでのトーンとは違う響きで名を呼ばれ、
反射的にその眼を見返すと。




「俺、足立さんのこと、」




鳴上は何を言うかと思えば。




「・・・・・・・・・・本当に、好きですから」




「・・・・・・ふうん」




足立は曖昧に頷く。
それ以上言わせる気も、これ以上自分から告げる気も何もない。
すると何故だか少しだけこの高校生が哀れに思えて、




「悠くん」
「はい」
「すっぽかしたお詫びの最後。 キスしてあげるよ」
「???」
「額にするのと、爪先にするの、どっちがいい?」
「え? なんていうか・・・・・・何だか両方とも妙に、その、」
「ゴッコじみてる? いいじゃん、たまにはさ」
「・・・・・・・・・・じゃあ、」
「ん?」


「その、中間がいいです」


「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。 口で咥えて御奉仕しろって?」


「違います唇に欲しいって言ってるんです!!」
「なんだよ、それじゃ結局ただの普通のキスにしかならないよ?」
「普通でいいです。 普通がいいです」
「あー、つまんないなー。 つまらないなー」
「足立さん・・・・」












届かない感情と相容れない我欲。












残された時間は確実に少なくて、
互いに訪れる終わりは忌避できずとも、
今だけは平和だった。














まだ12月前だけどすでに出来てる設定でのイチャがやりたかったんです。
これは主足ですが続き? 後編? は足主になると思います。
(そこらへんがリバなのは変わらない・笑)