桂さんと坂田さん





「離せ! 離せコラァ!!」
「・・・・嫌だ」




(それなりに) 愛されていることは (たぶん) 分かっているつもりだし、




「あァ!!? なんだハゲ! ヅラ!!」
「・・・・・・・・」




(昔から) とにかく口の悪いところも (もちろん) いとおしくてたまらないのだけれど。




けれどそれでも、やはりそれでも、
五回に一回くらいは、いや十回に一回くらいは、いやいや百回に一回の割合でもいい、
時にはもう少し素直になって欲しい、なんて欲をかいてしまうのは自分の我儘だろうか、とここ最近、桂は思うのだ。


『言わなくてもわかる』 とか 『昔からの付き合いだから』 とかそういった飾り気ばかりの建前も何もかなぐり捨てて、
一度でいいから今だけでいいから、いやいや一言だけでいいから銀時の方から求めてきて欲しい、とそんなことを考えてみたりしてしまうのだ。


何故って、人間なんて所詮浅はかで嫉妬深くてそれでいてとてもとても孤独に弱いイキモノで、
相手が、銀時がきちんと口に出して言葉にしてくれなければ求めているのは自分一人だけ、まるで一人相撲を取っているかのようで、


だから、


だから、


普段より少しだけ僅かだけ、自分の方が優位に立ってみたい。


自分に対してはいつも強気で素直じゃなくて女王様然としている銀時より、ほんの少しでいいから優勢になってみたい。


でもそれはきっと(自分が銀時に惚れた瞬間から) 通常時ではほぼ無理で不可能だということも承知しているから、




「離せっつってんだろーがこの変態ヅラ・・・・!!」
「嫌だ離さん」




だからこんな時、こんな場面を狙って定めてそんな企みを実行してみたい。


・・・・・・至るところつまり、『好き』 とか 『欲しい』 とか銀時に言わせてみたいのだ。
まあどう贔屓目に見たって銀時の性格上、特に前者などは間違ってもそんなこと口になんて出してくれないだろうから、せめて。
『欲しがって』 ほしい、のだ。
普段は全くもって望めない望みだけれども、今なら、




―――――――― こうやって布団の上でなら。














・・・・・そんな思考は表情にはちらりとも出さず、
いつも通り桂は先ほど無理矢理閉じ込めた腕の中の銀時を、なんとか宥めて静めておとなしくさせたい、のだが。
「心配するな、誰もいない」
「問題はそこじゃねェ・・・・!!」
そこはそれ、銀時がそう簡単におとなしくなってくれるはずもなく。
少しでも両腕に込めた力を抜けば、その場で逃げられてしまいそうなほど激しく暴れられて。
「・・・・・・、」
仕方がない、こうなったら此処は何がなんでもその気にさせるしかないか、
と僅かに逡巡したあと、桂は無理矢理に銀時の上衣を脱がせ始めた。
途端、
「なッ・・・・にしやがるッ、やめろこの変態ヅラァ!!」
やはりと言うかなんと言うか、更に更にじたばた暴れ出すのに加えてその口から紡ぎ出されるいつもの暴言。
普段なら聞いていないフリをして逃すことも出来るけれど、強気でここは事を進めたい今はそれ以上言わせたくなくて、
「ん・・・・ッ・・・・!」
両手が塞がっているから自らの唇で、可愛くない言葉を告げてくる可愛い銀時の唇を塞ぎ、
続けて露わにさせた胸元に手を這わせた。
「・・・ッ、んん・・・・っ」
銀時がそれから逃れようと身体を捩るが、桂は無論のこと離さない。
それどころか未だ抵抗する銀時が愛しくて愛しくて、
こうなったら早く早く甘い声が聴きたくて出させたくて、塞いでいた唇を離すと同時、まだ柔らかいままの胸の飾りを優しく摘まみ上げた。
「ぅあ・・・・ッ!」
途端、小さく身体が跳ねて返される反応。
桂がそんな感度の良さに満足しながら、敏感なその飾りをくいくい引っ張れば、
そんな他愛無い愛撫にも銀時はかぶりを振って抵抗の意を示す。
「・・・っや、めろ、離せ・・・・ッ!」
「いいだろう銀時、このまま続けさせてくれ」
「ざ・・・・ッけんな、こんな真っ昼間っからヤれっか!!」
「俺は構わん」
「なッ・・・・!」
絶句してこちらを見上げてくる顔、その頬は上気していて、
そんな表情を見せられてしまっては、余計に火に油を注がれるようなもの。
「それに俺は明るい方が都合が良くてな」
言って、銀時がまたも反論する間も与えず、勢いに任せ素早く布団の上に押し倒す。
そしてそのまま体重をかけて押さえ込む形で上に乗り、再び銀時に口付けた。
「・・・ん、・・・ッふ、・・・・っ」
昔から、だかと言って良いのかどうかはわからないが、
こうやって深く深く口付けると息苦しさゆえか、それとも別の何かなのか、時間が経つに従って銀時の抵抗が弱まることを桂は知っている。
だから、今も抵抗が止むまで、銀時が僅かでも蕩けるまで深く長いキスを繰り返して。
「・・・・銀時、」
そうして抵抗が無くなったと同時、ゆっくりと桂は乱した衣服を全て脱がせ、自分も同様に衣類を剥いでいく。
先ほど銀時が口にした通り、今は昼間でまだ充分に明るいが、
この隠れ家と称する屋敷のこの部屋にあえて入ってくる者は皆無であるゆえ、無粋な心配など何もない。
そして当の銀時は、明るい場所で次々と露わになっていく自分の身体から視線を逸らす表情。
そんな表情がこれまたとてもとても桂のツボで、
先刻僅かばかり指で弄ってやった為、ぷくりと形取って硬くなった胸の飾りに今度はつい・・・、と舌先を寄せ軽く突付いた。
「ッ・・・・!」
ピクン、と身体が反応するに構わず、
間を置かず舌先で潰すように舐め上げる。
「っ・・・・や、め・・・・ろッ・・・・」
と、胸元から頭を引き剥がそうと銀時が片手を桂の髪に絡めてくるけれど、
桂からしてみれば離してやる気など毛頭ない。
逆に髪に絡められた指の感覚を楽しむ形で、空いている方の手で反対側の飾りにも軽く愛撫を送ってやり、
肌に舌先を這わせたまま鎖骨まで唇を移動させ、そこで強く吸い上げて所有の印を紅く散らした。
吸い上げられる度に、甘い僅かな痛みが走るのか銀時が背中を小さく震わせる。
充分に跡を残すと、またも唇を飾りに戻して。
「ぅあ・・・・あッ・・・・」
ただでさえも敏感な上、散々触れられた胸の飾りはまるで熟れた果実のように真っ赤に色付いて唾液で濡れ落ち、
何度舐め上げて捕らえようとしてもすぐに桂の舌先から逃れ出てしまう。
暖かで小さなそれが、つるつると舌先から逃げてなかなか捕らえられない様がとても楽しくて、
ついつい桂が執拗に追いかけ弄んでしまっていると、
そろそろ感覚から耐えられなくなったらしい銀時が、必死に上げた手で後頭部をぐいぐいと押してきた。
「何だ?」
あえて余裕たっぷりの口調を作ってそう聞いてやれば、
「やめろ、・・・・ってんだろーが・・・・ッ!」
赤く染まった目じりで懸命に睨み付けてくる。
が、
桂は更に余裕綽々、
心の中ではどこまでも可愛いと思いつつ噛みしめつつ、
「そんなに悦さそうなくせをして、何を言っているんだお前は」
口許で笑って止めるわけがなかろう、ともう片方の飾りを指先で揉み上げながら、舌先を尖らせて逃げる飾りを追い続ければ、
「ん・・・・ッ・・・・!」
一際大きくかぶりを振った銀時の髪が、シーツに擦れて衣擦れの音を立てた。


それに気を良くして、桂は自分でも自覚かるしつこい愛撫刺激ですでに充分すぎるほど熱を溜めている、
銀時自身にすっと手を伸ばす。
そのまま優しく撫で上げると、
「ッッ・・・・!!」
疼いた腰がビクン、と大きく跳ね上がった。
「そろそろ、此方にも触れて良いだろう?」
「・・・・っ・・・・!」
言いながら、熱を確かめるようにゆっくりと擦り上げる。
と、息をのみながらも唇を噛んだ銀時がふいっと横を向いて。
「銀時、こっちを向いてくれ」
「・・・・・・、」
「銀時」
――――――」
向いたまま、返事さえしてくれない。


・・・・・・そんなところも、勿論のこと銀時らしくて可愛らしいと思えるのであるけれど。
けれどもやはり、
やはりもう少し素直になってほしい、というような気もして。


とはいえまあ仕方がないか、と桂は苦笑、
有無を言わせない行動で銀時の脚を割り開き、静かに下腹部に顔を埋めた。
そして丁寧に、銀時自身の先端に優しく口付ける。
「っあッ・・・・!」
途端、電流でも流されたかのように銀時の身体が反応を返した。
そんな姿を目で追いつつ、何度も何度も何回も、キスを落としていく。
「ッ・・・・、・・・・っ・・・・」
その度に、桂の唇が敏感この上ない箇所に触れる都度、銀時自身は当然身体までが小刻みにひくひく跳ね上がる。
が、桂は決してそれ以上の愛撫を与えない。
唇で触れるだけ、それだけだ。
「・・・・っ、く・・・?・・・・?」
桂らしくない遠回しな愛撫に、どうやら銀時も不審に思ったらしい。
自由な片手で肘を付いて上体を心持ち上げ、
どこかもどかしいような表情をしてこちらを見てきた。
けれど構わず、落とすキスを続けてやる。
「は・・・・っ、ぅ、ぁ・・・・」
落とした唇を先端に押し付けてやると、たまらずびくりと震える腰。
愛撫に自然と浮かび上がってしまうその腰を抑え付け、続けて唇を乗せた先端に繰り返し、キスを落とす。
「・・・・っ、う、く・・・・!」
桂のそんな愛撫にも、身体の中でも一番敏感なその場所はすでにしっかり勃ち上がって、先端には透明な蜜を浮かび上がらせている。
最初こそは僅かに滲むだけでいた透明な蜜が、
キスを落とす都度確認できるほど大きくなり、
ついに雫となって、つ・・・・、と銀時自身を伝って落ちた。
「う・・・・あ・・・・!」
暖かな蜜の伝う感覚と感触に、思わず仰け反った銀時が喉元を晒して露わにする。
「・・・・心地悦いか?」
「ぁうッ・・・・!!」
蜜で濡れた先端を、ここで初めて指先で少々強めにくちゅっと抉るよう擦ってやると、
たまらず腰が思い切り跳ね上がった。
「悦いならもっと濡らしてくれ」
「・・・・っ・・・・」
もどかしくてたまらない銀時自身は喘ぐよう小さく震えて懇願を見せるけれど、
しかしそれでも桂はしつこくキスの刺激だけを送る。
次第に張り詰めた自身は熱く濡れた蜜でしとどに濡れ落ちていき、
唇が触れるたびに濡れた音が僅かだが響いて互いの鼓膜を打つようになった。
「も、や、・・・・めろ・・・・っ」
途切れ途切れの銀時の声が聞こえたけれど、無論何も聞こえなかったフリをしてさらりと流し、
自身に添えていた唇を一旦離したあと、
今度はその下、零れ落ちた蜜の伝った双珠におもむろに口付けた。


桂としてみても本心ではもう、
とっくに解放を誘うよう、とろとろに蕩けるほどに舐め上げてやりたくなっていて、
しかしそれでもまだ心のどこかではもう少しいじめてみたい、なんて思いもあって逡巡していたら。


「ん・・・・ッ・・・・! ヅ、ラ・・・・っ・・・」
すると堪えきれず、銀時が桂の名前を呼んできて、揺らめく腰。
その中心の濡れた銀時自身はとうに張り詰めて限界が近くなっている。
けれど達するにはもうあと僅か足りない。


そんな姿態がたまらないほど蠱惑的で、でもやはり銀時から 『欲しがって』 ほしくて、
そう思いながらもやはりやはり、これ以上の意地悪をすることは出来なくて、
思わず無意識に自らも零れた熱い吐息を噛み殺しながら、
「・・・・銀時」
熟しきって今にも弾けそうな自身に、そろりと舌先を這わせた。


「んぁ・・・・ッ・・・・!」
先ほどまでの触れるだけのキスとは正反対に、根元から先端に向けて一気に舐め上げてやると、たまらず銀時が声を上げる。
そのまま桂は辿り着いた先端を口中に含み入れ、唇で締め付け舌で刺激しながら扱き上げていく。
ッ!! う・・・あ、ぁ・・・・ッ・・・・」
待ちわびていた本格的な愛撫。
だが唐突に切り替わったそんな愛撫刺激を受け止めきれない銀時が甘くて強い刺激に悶え、その姿に桂も煽られる。
先ほどは散々焦らしてしまって済みなかったな、とばかりに伸ばした手で双珠も大きく揉み上げてやれば、
みるみるうちに膨れ上がって限界も限界、淫らに震える銀時自身。
「あ・・・・あ! ・・・・っん・・・・ッ、も・・・・ぅ・・・・ッ!」
高みを予感して、銀時が切羽詰まった声で訴える。
「・・・・ああ、」
頷いて桂は絶頂を促すため、先端のその部分だけは柔らかな窪みに尖らせた舌先を強く強く突きたてた。


―――ッ!!」


直後、全身で大きく痙攣し、桂の口中で自身が弾けていく。
「ん・・・く・・・・っ・・・・」
何度かに分けて放たれるたび、銀時の腰が小さく跳ね上がって、
「ぅ・・・・あ・・・・ッ」
最後に放たれた甘い白蜜を喉の奥で味わったあと、それでもどこか名残惜しげに桂がゆっくりと唇を離すと、
そのまま重力に任せて銀時は力なくシーツの上、身体を投げ出した。
「悦かったか?」
「・・・・・・・・・」
覗き込んで問い掛けてみるが、先刻と同様、睨みつけてはくるのだけれども返事は無くて。
そんな様子に桂は苦笑して、行為を続けるため行動を次の段階に移していく。
柔らかく蕩かすために最奥に指先で触れてみれば、
前への愛撫にたっぷり時間をかけたことと、前から流れ落ちてとろりと濡れていたことで入口はすでに柔らかくなっていた。
思わず緩む口許。
脚を滴る蜜で指を充分に濡らし上げ、丁寧にまず一本奥まで埋め込んでみる。
「っ・・・・」
僅かに銀時が背中を震わせたけれど、
指はくちゅりと濡れた音と共に難なく根元まで飲み込んだ。
その指で内側の、銀時の弱い箇所を探して掘り当てる。
周囲とは僅かに感触の違うその部分を見つけると同時、間髪入れず定めた指先で思いきりぐい、と押し上げると、
「う・・・・あぁッ!!」
悲鳴にも似た声で銀時が腰を跳ね上がらせるほど、大きく悶えた。
桂はその反応に、すまん流石に強すぎたか、と謝って今度は優しくその箇所を刺激する。
「・・・・っく、ぁ・・・・あ・・・・!」
丁寧にポイントを愛撫されていく快楽に、どうしようもなく銀時が甘く乱れていく。
もっともっと悦くなってほしくて、乱れてほしくて内側だけでなく、
先ほど達したばかりの自身も同時に擦り上げてやると、
「・・・・ッ!」
思わず反射的になのか、銀時自身を手にした桂の手を掴んできた。
どうやら悦すぎて感じすぎてしまうらしいことはその表情から見てとれたのだけれど、
「いいから任せておけ」
「んッ・・・・!!」
やんわりと手を離すことを拒否。
更に内部に、もう一本指を増やす。
「・・・ッ・・・・」
手の内の銀時自身が小刻みに反応を返す。
その熱を感じながら、自らの指を柔らかく締め付ける内側で絶えず動かし続けて解きほぐし、刺激を与えていき、
ポイントをぐいぐい押し上げて擦り上げてやれば、
「ぅあッ・・・・っ、あ、あ・・・・ッ!」
その度に揺らめいて浮き上がる腰と、耳を打つ艶声。
ここまで来てしまうと、桂の方も正直そろそろかなりきつい。
こちらが我慢するにも限界というものがあって、三本目の指さえもすんなりと飲み込む頃になっては、
自らも荒い息を抑えなければならなくなっていた。
が、ここで、
ここに来て、最後の意地。
早く早く銀時の中に入りたい、と猛る己を無理矢理鎮めて、
もはやすっかり蕩けて緩くなった内部を指で続けて刺激を繰り返す。
「ヅ、ラ・・・・っ・・・・!」
と、いつまで経っても指だけの愛撫に堪えきれなくなったのか、銀時が急かすかのよう、声をあげてきた。
「何だ?」
「こ・・・・っの、何、企んでやが、る・・・・ッ・・・・」
「なんだ、気に入らないのか?」
こんなにも丁寧に愛してやっているのに、と表向きは取り繕って、しかし実は桂もかなり無理をして嘯いて。
指に絡み付いてくる内壁はとにかく熱く、柔らかく、淫猥に蕩けていて、
その感覚からも銀時の身体の疼きは計り知れない。
加えて早いところ求めてくれないと欲しがってくれないとおねだりしてくれないと、
もしかしたらこちらの方が先に根負けしてしまいそうなほど、組み敷いた身体は魅惑的で蠱惑的だ。
そんなことを考えつつ、それでも指だけで刺激を与え続け、
「・・・・っ、ん・・・・ッ、も・・・・!」
微妙にポイントを掠めていく角度で抽挿を繰り返す。
と、その直後。


「ぅあ・・・・あッ、も・・・・い・・・・ッ・・・」


聞こえるか聞こえないか、の声で。


「早・・・・く、来、やが・・・・ッ・・・!!」


でも確かに耳に届いた、
可愛げの欠片もない、けれどこの上なく可愛いおねだり。


「・・・・ッ」
ごくり、と喉を鳴らして唾を飲み込み、片脚を肩の上に担ぎ上げ、すでに痛いほどに熱を持った自身を最奥に押し当てる。
熱と熱が触れた瞬間、
理性も何も一瞬吹っ飛んでしまい、一挙に思いきり腰を打ち付け奥まで埋め込んだ。
「う・・・・あッ!!」
その強い強い衝撃に、元々指だけでも限界近くまで追い上げられていたらしい銀時自身が、たまらず二度目の絶頂を迎えていく。
向かい合った上半身、結合した下半身、互いの身体に絶頂によって放たれた白蜜が飛び散って熱を振り撒く。
銀時の内壁に自らを締め付けられつつも、何とか一度呼吸を整えて桂は、
解放して僅かに震える銀時自身に再び指を絡ませ、優しく愛撫しながら問い掛けた。
「大丈夫か?」
「ッ、なっ・・・・、さ、触んな・・・・ッ!」
だが問いに対する答えはなく、返ってきたのは達したばかりの自身を弄られて、焦りに焦った銀時の制止の声。
慌てて力の入らない手で、それを抑えようとしてくるけれど、
優位は今、こちらにある。
「・・・・遠慮するな、何度でも達けばいい」
告げてやりながら、前触れも無く先端をくい、と摘まんだ。
「ッああ・・・・っ!!」
大きすぎる快楽刺激に、銀時が大きく仰け反って悶える。
と同時、与えられた快感に連れて来られるかのように内壁までもが一際大きくきゅうきゅうと収縮し、
桂も締め付けられる快感に息をのんだ。
「・・・・っ、そう急に締め付けるな」
「だっ、誰のせいだこの変態野郎・・・・!!」
「はて、変態とは一体・・・・」
「て、めェに決まって、んだろーが・・・よッ・・・・!」
「俺のどこが変態だというんだ」
「全部だ全部!! そ、もそもテメーは、 ・・・・っあ、ぅあぁッ・・・・!」
こんな状態でいながらも、憎まれ口で反撃してくる銀時をいとおしく感じながらも、
どこまでも素直に過敏に反応する銀時自身をやんわりと掌中に握り込めば、その反撃は即座に甘い吐息と声に変わる。
「んッ・・・・ん、や・・・・めっ、離・・・・せッ・・・・」
絶えず刺激されている自身はもう、受け止めきれないほど過敏で快感が辛いのだろう、
放ったばかりだというのにひくひく震えて、未だに真っ赤に染まったままだ。
「・・・・銀時」
小さく名前を呼んで、唇を重ねて短いキスをして、
それからぐっ、と最奥目がけて思いきり腰を突き上げた。
「あ・・・・ぐっ・・・・!!」
突き上げたまま、桂は自らの快感と快楽を追うため激しく腰を使って蹂躙する。
がくがく揺さぶってやれば、
「ッああ、あ、んぁッ、あッ・・・・!!」
喉の奥からの止まらない声に、内壁は強く強く桂自身を締め付け、離さない。
僅かでも気を抜けば、一瞬にして吐精を迎えてしまいそうなほどの快楽に耐え、
猛った切っ先で内壁の、銀時の一番弱い箇所を定めて強く擦り上げた。
「、っ ・・・・―――ッ!」
銀時が、下腹部から背筋を走る強すぎる快感にかぶりを振って悶える。
桂自身を激しく抽挿させている最奥からは、
粘った水音が後を絶たず、引っ切り無しに響いてきて、互いにその水音にも刺激されて。

「く・・・・熱いな・・・・」
思わずそう呟いてしまうほど、銀時の内壁に絡みつかれて搾り取られるのがとてつもなく、心地悦い。
そうしているうち、次第に桂自身にも限界が近づいてくる。
ギリギリまで堪えるつもりで最奥を一際激しく突き上げて行き、同時に絡めていた銀時自身への指に力を込める。
「ッ!! うぁ、あ、やめ・・・・!!」
切羽詰まって濡れた声。
「いいから達け、銀時・・・・っ・・・」
相応に荒くなった吐息の下、指先で扱き上げてやれば、連動して桂自身を締め付けている箇所も強く強く蠢いていく。
ぐいっ、と最奥を突き上げた瞬間。
「・・・・ッッ!!」
声にならない声を喉の奥で上げ、銀時が絶頂に達する。
直後、
最高に締め付けてくる内壁に引き摺られ、桂も即座に欲を吐き出した。
















「逝け! 今すぐくたばりやがれこの変態ヅラがァァァ!!」
「わ・・・・悪かった、とりあえず俺が悪かった、だからそう怒るな暴れるな興奮するな落ち着け、落ち着け銀時・・・・!」


(たぶんそれなりに) 愛されていることは、わかっているつもりだし。


「入って三秒!! テメーんとこの部屋入って三秒でサカリやがって・・・・!!」
「ぎ、銀と・・・・」
「黙れェェェェ!! 入って一歩! 一歩入ったトコロでいきなりがぶり寄りやがるバカがどこにいんだよ、あァ!!?」
それはお前がだな、可愛・・・・」
「黙れハゲ! 変態ヅラ!!」


(無論勿論) 口の悪いところだって、いとおしくてたまらない。








レンアイは決闘で、先に右や左を向いたりした方が負けだとか何とか、そんなような言葉が昔の格言にもあった覚えも無きにしも非ず、
けれどこんなときしみじみと自分で自覚するに桂は、勝ち負けで言えば最初から負けているのだ、きっと。
レンアイ沙汰だの色恋沙汰、惚れた腫れたの磁極に立った時点、
自分が銀時に惚れた時点で一歩、いやいや十歩くらい弱い立場に置かれてしまっていることは明白な事実で、
でも多分それはレンアイにおいて、とてもとても楽しい楽しいペナルティでもあって、


ペナルティ=マイナス、なんて短絡的な図式に当て嵌まるわけもなく、
ある意味別意味、大袈裟に捕らえてしまえばそれはつまり 『駆け引き』 の同意語でもあったりするから。
自然にふっ、と口許が笑みを形作る。


何やら引き続き傍らでは怒り心頭の銀時がギャアギャア騒いで喚いているが、
「腹も減っただろう、確か買い置きの羊羹があったはずだ」
甘物の一つや二つ与えればすぐに機嫌も取れるだろう、なんて思いつつ顔を上げた途端、
「ぐあ!」
バフン、と顔面目がけて蕎麦殻の枕を投げ付けられて見事命中、思いきり鼻を打つ。
どうやら想像していたよりも余程おかんむりのようである。


「そのままいっそ羊羹の角にハゲヅラぶつけて逝きやがれコラァ!!」
「よ、羊羹が・・・・・」








・・・・・・結局この日いきなり襲われた銀時の怒りは、羊羹を与えた後も当然しばらくは収まらず、
その機嫌を直してもらうまでに桂は相応の時間と、買い置いてあった芋羊羹に加え、
高価な栗羊羹(それもわざわざ買いに走らされた) までもを費やす破目に陥ってしまったのだが、巡り巡って自業自得というものだろう。













ぐあああ正にやってるだけ作文・・・・!!(蒼白そして土下座)
だからタイトルからして付けようが無かったので、こんなおざなりなタイトルに・・・・グスン。
えろを挟んで、前半と後半が全然繋がってない(・・・・)んですが、力尽きたちいうことで気づかない方向でいてやってください、
前のものに引き続き桂さんと銀さんとのスタンスが上手く取れもせず、ど・・・どうしよう・・・・。

でもラブラブにしてみたつもりなんですが・・・・・・・・アワワ(脱兎)。