きょうの「裏・そうご」









「ふ・・・っ、・・・・」
急いで敷いた布団、そのシーツの上、
素直にすとんと腰を落とし、両膝を立てたかたちに体勢を取る沖田の内股に土方は唇を寄せ吸い付いて紅い印を刻んでいく。
同時に顔を埋めた細い両脚の間、伸ばされた手の内にはすでに勃ち上がりを見せ始める沖田自身が収められていて、
火照るそれを柔らかく上下に扱き上げ、こちらにも愛撫刺激を与えて。
そして一通り所有の印を刻み付け終えると、そのまま唇を内腿から舌ごとつうっと滑らせ移動させ、
手で包み込んだ沖田自身の先端を、ぺろ、と軽く一舐め。 可愛らしい味を、味わった。
「んッ・・・・!」
途端、敏感な部位への刺激に沖田の細腰が跳ね上がった。 普段の当人と違って身体は素直だ。
その反応に小さくほくそえみ、土方は更に先端部に執拗に舌を絡ませ、
柔らかく濡れた舌先で過敏なそこをたっぷりと弄ってやると、
「・・・っ、! ん、ぅ・・・・っ・・・」
声を漏らさないよう唇を噛み、沖田はゆるゆると小さくかぶりを振って堪える。
そんなカワイイ仕種と様子を土方はもっと眺めていたい反面、
一層可愛いストレートな喘ぎ声も早く聞きたくて、
添えた指で捕らえた根元を何度も擦りながら、心持ち尖らせた舌先で括れたところを刺激する。
「ぁ・・・ッ!」
思わず声が上がってしまった沖田。
慌てて上半身に纏っているだけの制服のシャツの袖を噛み、耐えようとしたのだが、
直接的な愛撫にはとても我慢しきれず、かなわなかった。




「・・・・エロ土・・・」
袖口を噛みながら吐息混じりで沖田が口の中だけ、ギリギリのところで土方には聞こえないくらいの、
実際は呟きにもなっていない程度の声量で告げた言葉は、やはり彼の耳には届かなかったようだ。
引き続き、中心部への愛撫に没頭している。
自分から誘っておいて何だがアレだが、こんな時本当に思う。 心底思う。 何が鬼の副長だ。 ただのエロ土方だ。
さっきだって全部脱がされるかと思いきや、さっさと取り払われたのは制服の上着とスカーフと下着込みでの下肢一式だけで、
残ったシャツまでボタンを外して脱ごうとしたら 「そりゃそのままにしとけ」 とか言われてシャツ一枚だけは今も袖を通したまんまだし。
それでも嫌いじゃない。 カオもカラダも性格も性質も全部全部、とてもとても嫌いじゃない。
「・・・・・・」
たぶん自分をここまで甘やかし、ここまで大目に見てくれるのは、どこまで行ってもどこを探してもこの目付きの悪いマヨネーズバカだけで、
自分がこんなことさせてやるのも、してもらうのも、してほしいのも、ねだるのも、土方だけだ。
だから触れられるたび甘く掠れた声が漏れた。  ・・・・自分でするときなんか、声なんてほとんど出ないのに。




「あ・・・っ、ぁ、・・・・っ、く・・・・」
天を向き昂ぶった自身をしつこいほどに口で愛されて、身体が徐々に汗ばんでくる。
ずっと口許に当てていた手に、無意識に歯を立て噛んで声を殺してしまっていると、
気付いた土方に、「歯形が付いちまうだろうが」 と諌められ、自身の先端をちゅっと強めに吸われた。
「ん・・・・っ!」
途端に沖田の腰が浮く。
「今更こらえてもイミねーだろ」
声出せ、と告げながらも少しずつ沖田が乱れていく姿に土方は満足そうに目を細め、
浮いた拍子に前に差し出された形になった沖田自身を、一層執拗に丁寧に舐めていく。
「あっ・・・、ぅあ、・・も・・・・ッ・・・・」
やわらかで淫靡な舌に延々と愛されて、溢れる先走りの蜜に白濁が僅かだが混ざり始めた。
齎された絶頂の予兆に、腰が大きく戦慄く。
察知した土方は、根元を激しく擦りつつ白の混じる先端、溢れるその窪みを舌先でくいくいと突付き刺激を与え、吐精を促す。
「・・・・このまま出しちまえ」
「んっ・・・、ん! あっ・・・・!」
しつこいほどの愛撫を受け、今にも吐精しそうなほど張り詰めた沖田自身には、
ただそれだけの刺激でも大きくかぶりを振ってしまうほどつらくて。
「んん・・・・っ・・・」
掴まるもの、縋るものが欲しくて伸ばした手がたまたま触れたシーツをきつく握りしめる。
でも身体の震えはかたかた止まらない。
「も・・・っ、出・・・・る・・・!」
「だから出せって」
たまらず限界を告げると、さらりと土方は先程と同じことを口にして、それまで軽く突付くだけだった先端に、
今度は強くぐいっと舌を割り入れて窪みに舌先を差し入れて来て。
「ッ!! ぅあ・・・・ッ・・・・!」
絶頂を促す決定的な強い刺激を与えられ、
たまらず沖田はそのまま土方の口内に、とくん、と白蜜を弾けさせ、吐精した。




放った白蜜を、土方はごく当たり前のように嚥下する。
「・・・・っ・・・、は・・・・」
達した余韻に治まらない、荒い吐息を整えながらそんな土方を眼前に、そんな不味いのよく飲めるなー、なんてぼんやりと思ってもみはしたが、
それもまあ愛されてる証拠、可愛がられてる証明のようなもので、無論勿論悪い気はしない。(自分は飲んでやるのはイヤだけど)
それとも俺の、ちょっとばかし甘いとか・・・・などと阿呆なことも考えてみたけれど、
まさかそんなどこぞの糖尿になりかけのくるくる天パの旦那でもあるまいし、と瞬時に却下。 有り得ない。
「、!」
と、
そんな有り得ない考えに浸っていたら、突然最奥に濡れて柔らかなものが触れたのを感じてしまい、びくッと下肢が震えた。
「・・・・っ・・・・」
「力抜いてろ」
新たな部分への新たな刺激に、わかってはいたが思わず全身に力を入れて身構えてしまったのだが、
土方はそんな拙い身体の抵抗をも封じ込めるかのよう、
有無を言わせず双丘を割って、先程までの前への愛撫で溢れた蜜が滴い伝い濡れた、最奥の部分に舌だけでなく、唇も持っていく。
「ん・・・・っ・・」
唇で二度、三度軽く触れるキスを送ってやってから、ゆっくりと舌先を入口に差し入れた。
最初は全てを拒むかのように、固く締まって拒否しようとする内壁を力ずくで掻き分け、舌が届く限界まで挿入し、蕩かす。
「ぁ・・・、あ、・・・、ふ・・・・っ・・・・」
自らのそんなところで土方の舌が動き回るという、どうしても消えない羞恥と、
嫌でも感じてしまう感覚と感触に、沖田は小さく身体を震わせる。
一方土方は唾液を舌に乗せ、たっぷりと内側に潤いを運びながら内壁を舌で突付き、沖田の悦ぶポイントをまさぐった。
「ぅ、あ・・・・」
内部の、普段なら決して誰にも触れられない粘膜。
そんなところを探られあちこち舐め上げられて、無意識のうちに自然と逃れようとする沖田の腰が身じろぐけれど、
「ッ! んあ・・・・ッ!!」
見つけられてしまった悦点をぐいっと強く押し上げられ、下肢から全身に走った甘い刺激に思いきり反応してしまう。
ビクッと大きく仰け反った沖田の反応に、土方は一度舌を引き抜きそこから顔を上げ、ニヤリと唇の端に笑みを浮かべる。
「ん、どうやら浮気はしてねェみてーだな、総悟」
「な・・・・」
一瞬息を飲み、それから 「何言ってやがんだエロ土方」 、と睨んでみるが効き目はない。
それどころか睨んだ拍子に合ってしまった視線が仇となって、伸ばされてきた土方の手にくいっと顎を捕らえられ、正面を向かされた。
「・・・・浮気してたら、どーだっていうんですかィ?」
「・・・・・・」
ふっ、と真正面から自分の方を見てくる薄茶色の大きな瞳に、今度は土方の方が僅かに詰まる。
つい寸前まで与えられていた快楽に肌と吐息とを上気させ、
自分を見てくる瞳は少なからず潤んでいて、ゴクリと喉が鳴ってしまいそうなほど(もしかしたら鳴ったかもしれない) 色っぽく、且つ可愛らしい。
沖田の普段の、傍若無人かつふてぶてしい立ち振る舞いと行いは姿を潜め、今はほとんど余裕もなく。
「・・・・相手の野郎をナマスにしちまうとこだ」
汗で額に張り付いた前髪を指で払ってやりながら、ぼそっと答えると。
「へえ。 俺じゃなくてですか」
どこか面白そうに、また聞かれた。
「なんでまた相手の方を」
その問いに、
「〜〜〜〜〜、・・・・テメー斬るワケに行かねーだろーが」
小さく歯噛みしたい思いで仕方なし仕方なし仕方なく、正直に返答。 こんな時にしか口に出来ない。
言うと沖田は小さく笑って、
「それってホント俺にベタ惚れですぜ、土方さん」
「・・・・残念ながらな」
だから浮気なんかするんじゃねーぞオイ、と告げながら顔を寄せ、
「・・・ん」
深く深く口付ける。
強要するまでもなく、自然と開かれる唇。 素早く隙間から歯列を割り、舌を滑り込ませ、
――ふ・・・」
沖田の口腔を存分に味わい、楽しみながら舌を思うまま吸い上げた。
と、
ずっと続くかと思われるほど長い、甘い甘い口付けに夢中になっていた土方だったのだが。
「ッ! ・・・・!!」
絡ませていた沖田の舌を息継ぎのために解放してやった途端、逆に自分の舌を舌で捕らえられ、強く吸い付かれる。
思わず焦った勢い、咄嗟に唇を離そうとしたのだが、気付けば沖田の両腕は土方の首に回されしっかりとしがみ付かれ固定されてしまっていて、
そのキスから逃れることが出来ない。 沖田は何度も何度も深いキスを繰り返し、
いつの間にか、貪っていたキスは貪られるものに変わっていく。
「・・・・っ、」
今度こそ呼吸のため、僅かに唇が離されたときには、沖田でなく自分の息の方が上がっていて。
「どうです、上達したでしょう」
「テメー・・・・」
「毎回毎回してもらってばっかりじゃあ流石に悪ィと思ったんでさァ」
きしし、と悪戯っぽく笑う沖田に、どう反論したらいいものか。
が、
「なんだコラ、まだやたら余裕あるんじゃねーか総悟・・・?」
すぐまたこちらも口許で笑ってやる。 意趣返しなど簡単だ。 これからたっぷり愛してやって、たっぷりたっぷりいじめてやればいい。
「・・・んっ・・!」
素早く体勢を変え、先刻まで丁寧に潤した最奥に指先を添えると、
既知した沖田は小さく震えた。 そんなところも妙に可愛くてツボだ。
土方は、触れた最奥を指の腹で数回、そろそろと撫でてやってからやんわりと指先のみを埋め込んでみる。
「、あ・・・・っ・・・!」
感覚に、思わず眉を寄せた沖田だったけれど、
実際の内側は最初の愛撫で随分と蕩け、柔らかくなっていて、
たった数センチ挿れられた指先でさえ、拒むというよりどちらかと言えば吸い付き、奥へと誘うような動きで迎えた。
「余裕あるなら、まだ充分イけるな?」
クク、とあえて意地悪い笑みを見せ、先だけ埋めた指を軽く動かす。
「っ・・・・あ・・・・ッ・・・」
浅いところだけで蠢く指は、沖田のよく感じる箇所にまでは届かず、だからといって全然感じないわけでもなく、
時折ポイント近くにまで行っては掠め、また外れて届かない。
「く・・・・」
もどかしい刺激に、細腰が揺らめく。
思い通りの沖田のその様子に、少なからず土方は満足して。
「総悟」
「ふぁッ・・・・!!」
弱い箇所につぷっ、と狙って指を奥まで突き入れ、突然ピンポイントで突かれ沖田はびくッと背筋を震わせた。
温かい、というより熱い内部のその一点を、土方は指先で執拗に突付いて刺激を与えていく。
「ぁ、あ・・・・っ、ッ・・・・、あ!」
自分でもわかるそこを何度も何回も突かれ、擦られて沸き上がる快感に、身体が立て続けにびくびく戦慄く。
「ッぅ・・・・!」
ふいに指が増え、圧迫を感じたけれどそれは一瞬であっという間に快感にすり替わり、
2本の指で内側を拡げられ、交互に擦られるたびに内壁の粘膜は淫らに蠢いて。
土方の指を誘ってきつく締め付けると同時、沖田へも快楽を伝え返した。
「・・・う、ぁ・・・・、ぁぁっ・・・」
高まりながら、ほんのり紅く染まっていく肢体に土方の欲も煽られる。
「っ!? や・・・・ッ!!」
煽られた土方が、前に回した空いている方の手。
その手で濡れ落ちる中心部をさすられ、電流のような快感が背筋を伝う。
そして土方の手は前の沖田自身を通り、その下部の双珠へと辿り着き、転がしたり柔らかく揉み上げたり。
「っは、ぁ、あ・・・ッ、も・・・・ッ・・・・!!」
連続した愛撫刺激に、身体は瞬時にまたも絶頂に向かって上る。
全身がびくびく戦慄き、白い喉がくっと仰け反った。
「いくらでもしてやるよ」
その一言と共に再び先端を口に銜えられ、
後ろの指を些か乱暴に、ズッと勢いよく引き抜かれる。
「! ・・・・―――ッ、う、あッ・・・・ッ!」
前と後ろに同時に激しい刺激を受け、たまらず沖田は二度目の蜜を吐き出した。




「ッ、ふ・・・・っ・・・!」
激しい快感と快楽が身体の芯を貫いて通り過ぎ、途端にくったりと沖田は弛緩してしまうが、
一方で数回に分けて吐精する自身の先端を何度も吸い上げられ、一滴も零さず土方に飲み下されていく。
強く弱く吸われるたびに、とっくに力の一切入らなくなっている腰がひくりひくりと跳ね上がり、
抑え込もうと思っても身体はちっともいうことをきかない。
腕一本さえ動かすのも面倒で億劫で、そのままくたくたシーツに沈み込みたかった沖田だったのだが、
土方は間を置かず、沖田の脚を抱え上げた。
そして、こちらもとうの昔から熱を帯び、欲を持て余していた自身をとろりと蕩けた最奥の入口に押し当てる。
「・・・・こんだけ蕩けてりゃ、もう構わねーな?」
「ん・・・・ッ」
沖田の細顎が僅かに縦に動いたのを視認して、ぐ・・・、と自身を埋め、押し入れていく。
「んぁ・・・・、ぁ・・・・っ」
達したばかりの敏感な身体に、内壁を擦りながら熱い熱と欲の塊まりが挿されてくる感覚。
痛みはないけれど、指とは比較にならない質量と圧迫にぞくぞく身体が震えた。
「く・・・・、」
が、構わず腰を進め、自らを侵入させた土方の先端が奥まで届くにつれ徐々に慣れてくる内側は、
次第に、痛いほどぐいぐいと土方自身を締め付けるようになった。
「・・・っ、力抜け」
まるで食いちぎられそうな締め付けに、思わず土方も耐えるよう唇を噛む。
「ぁ・・・・!」
土方の囁きにか、それとも感覚に翻弄されてなのか、沖田は首を横に振る。 ぱさぱさと髪が揺れた。
「・・・・緩めろ、総悟」
「っ、ぅ・・・ん、んッ・・・・っ」
出来ない、と伝えたいのか、沖田はかぶりを振り続ける。
「仕方ねェな」
その様子に小さく息をつき、土方は最低限の動きで体勢を僅かに変え、
上半身を折り曲げ、小さく開かれた沖田の顎を捕らえ、柔らかく唇を重ねた。
繋がったまま、唇を合わせるだけの優しいキス。
「ん、く・・・・ふ・・・・っ・・・!」
唇を重ねながら、内部を探るように軽く腰を動かしてみると、
接近した互いの腹部の間で切なく自己主張していた沖田自身が土方の腹で擦られ、沖田の口から小さな艶声が漏れた。
と、同時に締め付けが心持ち緩くなる。
「・・・・これなら大丈夫だろ」
「あっ、ぁ、ん・・・・ぁっ・・・・っ・・・」
沖田の表情と様子を覗いながら、土方は下肢で緩やかな動きを繰り返す。
柔らかだが弾力を持つ、内側の粘膜を捏ね上げるたびに、繋がった箇所からは卑猥な音があがって耳に届いた。
土方が律動を繰り返すにつれ、沖田自身からもとろとろ蜜が溢れ出る。
先程の落ち着かせるためのキスと、丁寧な動きによる優しい快楽に、沖田は次第に強張っていた身体の力を抜いていく。
「・・・だいじょぶ、でさぁ・・・・」
ずっとぎゅっと瞑っていた目をうっすらと開け、それから小声でそう告げてきたのを切っ掛けに、
土方は曲げていた上体を起こし、両手でしっかりと沖田の腰を支えて固定させ、本格的に抽挿を開始した。
己の欲を追うため、突き上げ、引き抜き、またぐっと突き入れるごとに結合部が淫らに濡れた音を立てる。
その水音と沖田の喉からあがる甘い声とをもっと聞きたくて、
土方は沖田の前立腺目がけグイッと強く乱暴に自身を突き立てた。
「ぅあ、あぁッ・・・・ッ!!」
瞬間、痛いほど感じさせられてしまった強すぎる性感と快感に、悲鳴のような声をあげ沖田は悶え喘ぐ。
あまりにわかりやすいその反応が、土方はとてもとても愉しくて。
続けて同じ箇所を狙って容赦なく攻め込んだ。
「んあ! あッ!! や・・・・ッ・・・・!!」
「イヤじゃねーだろーが」
軽く一笑、さらりと一蹴され、慌てて逃げ退いた腰を反動をつけ再び引き寄せられ、穿つように刺激される。
「ひ・・・・ぁ・・・・っ!!」
奥の奥を、意地悪く切っ先でぐいぐい押し上げられ、声にもならなくて沖田は喉を引き攣らせた。
土方が腰を使うたび、声にならない掠れた嬌声が喉の奥でかき消えていく。
呼吸がしたいのに、息をしたいのに次々と沸き上がっては消えていく声に邪魔をされ、うまく息が出来なくて、頭がぼうっとしてくる。
どうしたらいいのかわからないほど気持ち悦い。
あまりの快楽に、今にも意識を失ってしまいそうで。
「総悟? ・・・・起きてるか?」
「ぅ・・・・、ふぁッ・・・!!」?
とろん、とした沖田の表情が気になったのか、それまで放っておかれていた沖田自身に突如、土方の指が絡み付いてきた。
遠慮のないその指先は、ぬるりと滴って濡れた沖田自身の先端をくるくると数回擦ったあと根元に向かって裏側をつうっと辿り、
それから後ろの双珠ごと全体を手のひら全部を使って大きく扱く。
「っは、は・・・・っあ、あ! っ・・・・あぁ・・・・っ・・・・!」
攻められ、愛撫刺激を受け続ける快感に、そろそろもう頭はついて行かず、身体だけが勝手に過敏に反応し、
内側はよりもっと土方を求めて絶妙に絡みついてくる。
それに土方自身も触発され、激しく突き動けば土方の絶頂もぐんと近づいた。
「・・・ぁ、・・・ッく・・・・ぅ・・・っ・・・」
沖田の扱き上げられる先端からはとろとろと絶えず蜜が零れ滴り、結合箇所にまで伝い落ちていく。
きゅ、きゅと自身を指で愛され、ビクンと悶えたところに埋められた熱で後ろを激しく揺らされ、
膨れ上がった自身がビクビクと戦慄き始めた。
「あ、――ッあ・・・・!」
高みに上り詰める身体と欲。
寸前の予兆に、内壁もきゅうきゅうと蠢き土方自身を離すまいときつくきつく締め付ける。
「・・・・!」
土方も、痛いほど締め付けられる快楽に口許を歪め、
同時に達するため先端近くまで無理矢理に一度引き抜き、そして貫き通すようズクン! と力任せ、思いきり最奥を穿った。
「い・・・・ッ!! あ、ぅあ・・・・ッ!!」
直後、我慢できるわけもなく沖田は土方の手の内に、蜜を弾けさせる。
「ッ、く・・・・!」
沖田の吐き出した白蜜の熱を手のひらで感じながら、続けて土方も溜めていた白濁を沖田の中に注ぎ込んだ。
















「・・・・・・・・・・ん?」
爆睡してしまった土方が目を覚ました時には、すでに窓の外は薄明るかった。
ぼーっとしたまま身体を起こす。 見回した部屋の明るさから推察するに、どうやらつい先刻夜明けを迎えたらしい。
「総悟?」
確か一緒に爆睡していたはずの沖田の姿が無い、オイどこ行きやがった、と錯覚したのはほんの数秒だ。
視線を動かせば、身体を起こした土方の斜め後方、
布団を敷くために隅に押し除けた座卓の前に沖田はいつの間にかきちんと制服を着込んでちゃっかり座り込み、
とっくに冷めきった出涸らしの茶を飲んでいる。
「・・・・元気だなお前」
あんだけ出しといてケロッとしてやがる、と半ば感心しながら呟くと、
「そりゃあ土方さんと違ってピチピチでさァ」
輪をかけてケロリンパ、な返事。
「、」
で、ここになって今になって気がついた。 きちんと制服を、着込んでいる。 きちんと。 首元のスカーフまできゅっとキレイに。
「・・・・てめ、結べるんじゃねーか」
自分じゃ出来ねェって言ってたのは何処のどいつだコラ、と睨み付けてやると、これまた。
「出来ねェなんて一言も言ってないです。 俺ァただ苦手だって言っただけで」
ケロケロケロリ、沖田はどこまでも正面から開き直って。
「・・・・・・・・」
あっけらかんと開き直られ、思わず、
「・・・・なら別に毎朝毎回俺がやらなくても構わねーだろーが」
思わずそんなふうについ、ぼそっと口にしたところ。




「でもそうすると、毎日の口実がなくなっちまいますぜ?」




「う、」
何の口実だ、なんて野暮なツッコミは今更みずから入れる気には到底ならず否むしろなれず、
イコール、『苦手だったら練習しやがれ』 なんて説教じみた科白を向けるのも同上、全く無意味なものになってしまい、
まるで初めから計算しつくしていたかのような、沖田の絶妙な切り返しに土方は頭のどこかで感心しながら。




「・・・・ま、いーか」




深く追求しないでおくことにした。
そうだ。 部下の身だしなみ管理も、上司の仕事のうちだ。












―――――― だから今日も明日も、明後日も明々後日も、土方の一日は沖田のスカーフを結んでやることから、始まる。












前・後編に分けた意味がさっぱりありませんでした・・・・。
それにしても何故にこんな砂吐きそうな土沖イチャになるのか(←毎度のこと) 途方に暮れてます。
・・・・いつかバイオレンスな土沖が書けることを夢みて。
箒VS掃除機の棒で喧嘩する土沖とか、もしくはフライパンVS鍋で殴り合いとか。