お気に召すまま





自分が向こうを嫌いなのではなくて、
向こうが自分をキライなのだとずっと思っていた。








だから、事あるごと、カオを合わせるたびゴタゴタ揉めていた。 無駄に揉めていた。 無用に不要に揉めまくった。 なのに。








気がついたら此処に立っていた。 この場所に立つようになった。 訪ねるようになっていた。 それも手土産という言い訳付きで。












「・・・・・・・・」
万事屋の入口真正面に立ち、
土方は無言で引き戸、玄関戸を心持ち控えめに数回叩く。
返事は無い。
「・・・・・・・・」
が、誰もすぐに出て来ない、すぐに反応がないのはいつものことだ。
察するに、奥で人が動いた気配はあったから、どうせ寝ていたか何かだろう。
短くない時間、待つのに手持ち無沙汰になりほぼ無意識に煙草に火を付け、
二、三度浅くふかしたところでやっとガラリと引き戸が開き、眠そうな顔がそこから現われた。
言わずともがな、坂田銀時である。


「あーーーー・・・・。 何、なんか用?」
「・・・・・・・・」


あらためて面と向かって何か用か、と言われてしまうと、こちらとしては返す言葉がない。
出来ることならただ勤務の合間、見回りに立ち寄っただけだと言ってやりたいところなのだが、本日は私服である。
警察官としての見回り、とのその弁明というか言い訳はどうしたって利かない。
それも本日は珍しくも手土産持ち(昨夜、屯所の冷蔵庫から失敬してきた焼きプリンセット六個入) なのだし。
「・・・・・・・・」
語ることもなくかける言葉もなく、・・・・仕方なし、顔を付き合わせたままそのまま黙っていたら、
「・・・・あの、よォ」
先に口を開いたのは次の句を告げたのは、銀時の方だった。
「あ?」
切っ掛けを投げられる形になり急いで目線を上げ、そのどこまでも眠そうなカオを見る。
すると銀時はどこまでもどこまでも面倒くさげに眠そうにかったるそうに、がしがしと片手で掻きながら。
「何でもいーから、ヒトんちの玄関先に立ちっぱなしってのやめてくんない? まるで職務質問受けてるみてーじゃん」
開口一番、憎たらしい口調で(しかし全くやる気の含まれない) 文句をぶつけてきた。
が、
「今日は私服だろーが」
いつもの真選組制服ではなくて、私服の黒の着流しだ。
けれど、
「関係ねーよそんなん。 おたく下手に目立つから。 ・・・・困るんだよねヘンな噂が立つと。 ケーサツカンに家まで来られて職質受けてるとかそういうの。 仕事にも差し障るじゃん」
大体この仕事って信用第一の信用商売だし。 そう一息にぼやき混じり口にし、
「だからさァ」
と銀時は一旦そこで切って、そして。




「入るなら早いとこ入ってくれねーと」




袖の下。
素早く伸びてきた腕にぐいっと肩を掴まれ、有無を言わさず家屋内に引き入れられた。
























「・・・、ッ・・・・!」
グイッと凶暴な切っ先で最奥を乱暴に押し上げられ、噛み締めていた銀時の口から苦しげな声が漏れる。
痛みと快楽と、ちょうど半々。
眉を顰めた銀時のその背中、低めの少し掠れた声が上から落ちた。
「、どうした?」
まるで獣のような態勢。 四つん這いで後ろから貫かれ、シーツについた手に否応なしに力が入ってしまう。
「ッ・・・ヘタ、だっての・・・・!」
決してそうではないのだけれど、憎まれ口を叩きたくてそう答えると、土方は喧嘩なら受けて立ってやるぜとばかり、その目を楽しげに細めて。
「・・・そうかよ」
さらにトーンを下げた低い声音と同時、銀時の腰に添えていた腕を回し、そのまま抱きかかえ、
おもむろにグイッと強く激しく自らを深く穿つべく、手前に引き寄せた。
「ぅあッ・・・!」
奥を突き上げられる衝撃に、それまで上半身を支えていた銀時の腕、肘からカクンと力が抜け、たまらずシーツに額が落ちる形になる。
下半身では、最奥まで挿入された土方自身が内側で熱く脈打つのを内壁が敏感に感じ取って、
前部の銀時自身も小さく戦慄く。
「ヘタで悪かったな」
「っ・・・・!!」
すると笑み混じり、指先で軽くその先端を弾かれてしまい、またも零れそうになった声を飲み込んだ。
「その割には反応してるじゃねーか」
銀時の反応に、言って土方はしっかりとその腰を掴んだまま乱暴に揺らし出す。
「い・・・・ッ・・・・」
途端に激しくなった痛みと快楽に、思わず銀時は目蓋を閉じる。
唇を噛み、あまり声を漏らしたくはないのだが、
背後から深く深く挿入された土方自身は時間の経過につれ痛みより快楽を齎して、それを許してくれない。
痛みが少しずつかき消されるにつれて、内壁も快楽を求めきゅうきゅう収縮し、
「・・・・ん、」
後ろの土方も、締め付けに小さく呟きが漏れる。
その声にも、貫かれた腰と鼓膜はぞくりと震えた。
「っく、・・・・ッ」
土方自身の動きに連動してキュ、と内壁で締め付けてしまうと、喉の奥だけで土方は息を詰めて。
「ッ・・・・」
一拍、間を置いて銀時の中に吐精する。


「・・・う・・・・」
体内で脈打ち、断続的に精を放つ土方自身を締め付けながら、
堪えきれなくなった銀時自身も後を追うようにしどけなく、シーツに白蜜を吐き出した。
















「・・・寝ちまうなよ」
情事の合間、布団の上に胡坐で一息ついて一休み、一服する土方とは対照的に銀時は先程からウトウトウト、
今にもまどろみから本格的に眠りに落ちてしまいそうである。
「・・・・ん? ・・・・ダルイんだけど」
「ジジィだな。 ああもうとっくに白髪だったか」
「黙ってくんない? 強姦副長」
入るなりサカったのはどちら様でしたっけケーサツ副長さん??? と嫌味ったらしく尋ねられるがしかし、
「テメーこそ黙れ。 最初に布団の敷いてある部屋に案内しやがる時点で和姦だろうが」
事実をもって素早く切り返す。
どちらにしろどっちもどっちだ。 五十歩百歩、互いに多大に爛れている。
だから爛れついで、本当に銀時が眠り込んでしまわないうちに、二度目に持ち込むことにする。
「次、いつ休み取れるかわからねェんだよ」
ほとんど自由業の何処かの誰かと違ってな、と言いながら強引に起こし、上向かせて唇を塞ぐ。
銀時は抗わない。
「・・・・ン」
「最近、どこもかしこも物騒でな」
まさかとは思うがテメーが暗躍してんじゃねーだろーな、そう試すよう囁き言いながら、
激しさを増すキスを繰り返す。
当たり前だが、銀時からは返事も返答もないことも最初から承知の上、むしろ肯定の返事があっては困ってしまうため、
口と唇を塞いで何も言わせないために口腔に舌を差し入れ、やわらかな粘膜をまさぐった。
時間をかけて散々味わい、ようやく解放してやる。
と、一番に。
「ヤニくせ・・・・」
またまた銀時の口から出てくるのは文句・・・・、というかなんというか。
「いい加減慣れろ」
だって仕方がない。
煙草を今更やめられるはずもないし、かといって銀時をやめられるかといったら、それは、もう。 否と言うしかなく。
「慣れりゃ大して気にならねェよ」
続けて告げながら、肌を晒した銀時をじっと眺めやる。
全体的に色が、無い。
まあ、それを言ったら部下の沖田も色素が薄いことは薄いのだけれど、銀時の場合少し違う。
たぶん髪の色のせいなのだろうけれど、肌の色以外はほとんど無色に見えて。
「・・・・・・・・」
が、こうやって明るい場所でじっと眺めるにつれ、その身体に残っている幾つかの細かい傷跡が自然、目に付いた。
「・・・・・・・・」
特に、いつか自分がつけた肩のそれ。
「・・・・・・・・」
逆に銀時は、訳もわからずあまりにもただじっと一方的に眺められ、まるで観察されているような気分、
なんだか間が持たず、少しばかりいたたまれなくなってきて。
「って、ナニ土方くん、なんかさっきからジロジロとキモイんだけど」
ぎろりと睨んでやると、
ふっと肩口に顔を寄せられた。
「・・・いや、この肩の」
「ンだよ、どっかの誰かさんのせいでついたキズなんですけどソレ。 思いっきり痕になっちゃってるんですけどソレェェェ!!」
どっかの副長さんのせいでキズモノなんだけど俺ェェェ、と途端にギャンギャン騒ぎ出す銀時を鎮めるよう、
「イイじゃねーかなんか印みてーで」
この上なく身勝手な返答を土方はすると一緒、寄せた唇でぺろりと耳朶を一舐め。
「ッ・・・・」
銀時は、ぴくッと小さく反応する。
「もう一生消えなくてもイイんじゃねーか」
「な・・・・!」
「とりあえず責任取るっつってるだろ、前から」
言い捨て反駁しようとした銀時の唇をもう一度塞いで、それからその肩、当の傷痕に顔を埋める。
その箇所ばかりを狙って舐め上げ、強く弱く吸い上げた。
「・・・ぅ・・・」
「疼く、か?」
「喋、んな・・・ッ・・・」
敏感な首筋に吐息がかかるほどの至近距離、しかも挑みかけるような喋られては、
傷痕より何より身体の方が疼いてしまう。
「疼くのは、こっちか」
「ぅ・・・・!」
見越して意地悪くほくそえむ土方が憎たらしいけれど、悔しいことに身体の相性はとてもとても良くて悦くて、
胸元を撫でられるだけで戦慄くほど反応する。
胸を撫でていた手、指先が胸の飾りを捕らえた。
「ッ!」
ビクン、と銀時は大きく身体を震わせる。
土方は指先で嬲って弄ぶ右の飾りはそのままに、反対の左の肉粒には舌を寄せ、
舌先でつんつん突付いて刺激した。
「・・・つ・・・ッ・・・」
銀時は上体を固く強張らせ、懸命に耐えている。
そんな様子に少し遊んでやりたくなって、一旦舌と口を離し、銀時の身体から一瞬力が抜けたところを狙い、
その隙に尖った粒をちゅうっと強く強く吸い上げた。
―――ッッ!!」
土方の思惑通り、隙を突かれた刺激に銀時はたまらず大きな声をあげる。
咄嗟、ぎりっと土方を睨むと、不良警察官は目を細めて意地悪く目許だけで笑ってにんまり。
しばき倒してやりたくなった。
「こ、ッの・・・・」
「ん? 何か言ったか?」
「〜〜〜〜てめーんトコのゴリラに言ってやるッ・・・!」
「やめろバカ、んなことしたら近藤さんぶっ倒れちまう」
免疫ねーんだよあの人は、とひとりごちながら、憤慨する銀時の脇腹を宥めるように撫で、
それから辿らせた手のひらを下に滑らせ持っていく。
そのまま、胸への愛撫で反応しかけている中心部に、素早く指を絡ませた。
――んッ・・・!」
びくッと身体が仰け反る。
みるみるうちに溢れ出す透明の先走りの蜜を絡ませ、土方は丁寧に銀時自身を扱き上げてやる。
「んな、す・・・んな・・・っ・・・・」
「キモチイイだろうがよ」
「っあ、ぅあ・・・・!」
手と指とで銀時自身への愛撫を施しながら、先刻舌で辿った肩口、僅かに他と色の違う痕を再び味わう。
「・・・あ、あッ・・・・」
肩先と中心部への同時に与えられる快感に、もっともっと罵倒してやりたいのに銀時の口から出てくるのは言葉ではなく、
ただ感じてしまっていることを示す声だけで。
何度も何度も同じ動作でしつこいほど扱き上げられ、中心部からは次第に土方の手の動きに合わせ、
ちゅくちゅくと濡れた音が響いてくる。
それを合図としたのか、おもむろに土方は身体を下方に落とし、
とろりと濡れ落ちた銀時自身の先端をぱくりと口中に銜え、含み入れた。
「ッ!! んぁ・・・・ッ!!」
強く淫乱な刺激に、思わず銀時は口許に手を当てようとしたのだが、
「今更意地張ったって仕方ねェだろ」
気付いた土方に目聡く阻まれ、それからまた、震えて愛撫を待つ銀時自身にたまらない口淫を続けられる。
「・・・は、ッ・・・・あ、ァ・・・・ッ・・・っ・・・」
喘ぐ銀時に構わず、土方は先端を銜え込み、舌先で窪みの部分を舐め回す。 無論その間も、手では根元を扱き上げることも忘れない。
「あ、あ・・・・あ・・・・ッ!!」
敏感極まりない部分を意地悪く責められ、銀時も追い詰め追い上げられてくる。
「・・・っ、も、・・・やめッ・・・ッ・・・」
荒く収まらない呼吸の合間を縫い、離せ、と限界を告げようとする。
が、銀時の意を知りながらも、逆に土方は決して口を離さず、絶頂を促すためより一層すっぽりと銀時自身を口腔内に収め入れ、
そして舌で全体を締め付けながら激しく扱き上げた。
「っはッ、あ・・・・! も・・・・ッや、めろ・・・・ッ!!」
絶頂間際、土方の口中に吐き出してしまうことよりも、正直ずっと銜え込まれていることの方が感じすぎてつらい銀時は、
なんとか土方の頭を引き剥がそうと漆黒の髪に指を絡め、強く引っ張る。
けれど構わず、決して離すこともせず土方は容赦なく、とろとろ蜜を溢れさせる先端の窪みに舌をねじ込む。
それが、限界だった。
――っ・・・・ぅ、あッ・・・!!」
たまらずビクン、と大きく身体全体を仰け反らせると同時、弾けていく銀時自身。
「・・・っ、は・・・、っ・・・くは・・・っ・・・」
びくびく腰を震わせながら、土方の口腔に残さず蜜を放っていく。




「・・・・っ、ふ・・・」
全て吐蜜し、全身から力が抜けてしまった銀時は、くったり四肢を投げ出す形でどさりと崩れ落ちる。
口許の白蜜、残滓を拭いつつ土方が顔を上げ、行為を続けるために顔を覗き込もうとすると、
「・・・・・・んだよ」
荒い息のもとながら、銀時は何か口の中でブツブツ言っている。
「?」
よくよく聴いてみる、と。
「銀サン、もう歳なんだよ・・・・もう若くねーんだよ・・・・無理させんなっつーの」
「はァ?」
若さの欠片もない、年寄りじみたぼやき。
呆れる呆れない以前に、まだ二十代、だ。 いくらなんでも枯れるにはまだ早すぎる。
歳なら俺もお前も似たようなモンだろーが何言ってやがる、と全くもって気にしないまま、片脚をひょいと肩の上に担ぎ上げ、最奥を晒した。
ほぼ弛緩してしまっている銀時からの抵抗はない。
つい先程、一度奥まで拡げているから構わないとわかってはいるものの、意味もなく指での愛撫も仕掛けてやりたくなり、
入口の周囲を無造作に数回なぞり、それから指をまず一本、浅めに差し入れる。
「・・・く・・・・」
自分が注ぎ入れた白濁、その白蜜がまだ中にたっぷりと残っている。
充分に潤っている内側。
当然のことだけれど、やはり自ら自身で味わうのと、こうやって指で探り入れるのとは感触も感覚も、
そして愉しみ方も少しずつ違って。
「う・・・・」
一度目で散々敏感にさせられた内壁粘膜の中を、指が事細かに動く感触に、銀時がきつくシーツを握りしめる。
土方はもう少し指を奥まで進め、それからしっかり内側の弱い箇所を探し始めた。
こういう細かい愛撫は、自分の我慢がきく限り、猛る土方自身ではなく指の方が断然、御誂え向きだ。
「んっ・・・、く・・・・」
指が一本増やされた。
二本の指で、柔らかく内部を刺激される。
もうこれはクセなのか、必死に声を抑えようと口を噛みしめる銀時。
押し殺した声に、土方はほんの僅か考えて。 それから。
「ココ、だったか?」
突然、前立腺をピンポイントでぐいっと押し上げられた。
「ひ、ァ・・・・ッ!!」
触れられるだけ、掠められるだけでも腰から背筋をズクン、と悪寒にも似た重過ぎる快感が走り抜けてしまう箇所を押し上げられたまま、
諭されるかのように、また楽しむかのように弄られる。
「そんなにイイのかよ?」
「あぅッ、あ・・・・!! 、ッああぁ・・・っ」
耐え切れず、ビクビク蠕動し震える身体。
流れ落ちる汗が、しっとり肌を伝っていく。
「ッ・・・・はッ・・・・、やめろ土・・・っ、触、んな・・・・・ッ!」
触るなやめろ、と言われてしまったが、あえて聞こえないフリ。
どこまでも楽しげに、そして面白げに土方は銀時の弱い部分への愛撫を続けていく。
機を見計らい、もう一本、更に指を一本増やすと一緒、前では再びまた完全に勃ち上がって震える銀時自身にも反対の手を添え指を絡めた。
「ッ!!? や・・・・めろッ!!」
「全然トシじゃねーよ、こんなに元気じゃねェか」
笑み混じり、素早く添えた手全体を使って銀時自身をきゅっと握り込み、伸ばした人差し指の爪を使ってじくじく蜜の溢れ出る先端、
そこのぬめりを確認するように意地悪く擦り、撫で回す。
「あっ、あ、ぅあ、あッ・・・・!!」
直接窪みに割り入れられた爪の刺激に耐え切れず、前触れもなく弾ける白蜜、強制的な絶頂。
はあはあと全身で息をする銀時の、抱え上げた脚、体位的に土方の腹部に撒き散らされた熱に、そろそろこちらも我慢の限界だ。
「・・・・挿れるぞ」
乾いた唇を、舌で舐めながら。
硬い切っ先を、蕩けた最奥に宛がい、ゆっくり腰ごと進めた。
「・・・・ン・・・っ・・・」
たっぷり潤い、柔らかくほぐされたそこは、一度目と変わらない狭さときつさを持って土方を受け入れる。
ゆっくりと、侵入の際の擦れる感覚に、銀時は眉を寄せ唇から吐息を漏らす。
土方自身を受け入れ、絡み付く内壁に逆らうかのよう、ぐりっと内部を捏ね回せば、
「あぅッ・・・・!」
どう聴いても痛みとはほど遠い、快感の齎す声。
「今度は痛くねェ、よな・・・・?」
「この野郎・・・い・・・きなり動くなっての・・・・っ・・・」
快楽に、かたかた小さく腰を戦慄かせながらも文句を言ってくる銀時に口許を笑みの形につり上げながら、
内からの刺激に吐息を刻み、可愛くないコトばかり言ってくるその唇を上体を限界まで曲げ、塞いだ。
「ん! ん、ん・・・・ッ・・!」
深く深く口付けたまま、腰を使いぐっと最奥を抉る。
抉られた刺激と貪るキスに、酸素が足りなくなった銀時が懸命にかぶりを振り、逃れようとするのだけれど。
「、んあッ、っは・・・・ッ・・・・」
決して解放せず、思う存分満足するまでとことん貪り尽くしたところでようやく離し、
「あぐ・・・・ッ!!」
間髪入れず更に激しく内側を攻め立てた。
土方自身の動きに合わせ、内側の残滓が粘った水音を立てる。
「ッ、うあ・・・・ァっ・・・・!・・・・!」
「・・・・ッ」
擦られ突き上げられる内部の熱と、より欲を求め蠢いて締め付けてくる貪欲さに土方も堪えるのに必死で、片目が歪む。
一挙に絶頂を、吐き出す快感を持ってきたくて、銀時の弱い箇所を狙い、そこを集中して突き上げる抽挿を繰り返した。
放ったばかり、達したばかりの銀時自身も、土方の腹部に擦られまたも濡れて勃ち上がる。
腰の動きに合わせ、銀時自身の括れの部分を親指で撫でながら、全体を包み揉み込むよう扱く。
―――い・・・・ッ!」
壊れてしまうのではないかという程、がくがく激しく揺らし上げられ、加えて自身にまで痛いほどの愛撫刺激を受け、
銀時の限界ももう、効かない。
絶頂を迎えようと土方を締め付け、離そうといない内壁がうねり、きつくきつく収縮する。
「く・・・・!」
貪欲に淫欲に絡んでくる銀時の内粘膜に促され、
土方は堪えるものもなく白濁を注ぎ込む。
「ッ・・・・・! 、あッ・・・・あああ・・・・ッ・・・!!」
直接感じる熱い迸りに、続けて大きく仰け反り、銀時も最後の一滴まで、蜜液を噴き出した。
























自分が奴を嫌いなのではなくて、
奴が自分をキライなのだとずっとずっと思っていた。








だから、カオを合わせるたびにゴタゴタ揉めていた。 無駄に揉めていた。 無用に不要に揉めまくった。 なのに。








気がついたら此処にいた。 この場所に居るようになった。
 こんな行為まであんな所為までするようになっていた。 不思議だ。












「・・・・帰んぞ」
「あー・・・・?」
とりあえず銀時が風呂から上がるのを待って(自分は先に入った)、腰を上げそう告げると何故だか彼は怪訝そうなカオをした。
水気を含んだその髪は、普段より通常よりくるくる度を抑えて心持ち下を向いている。
「ああそう? ヤるだけヤったら帰るってか。 フーン。 真選組の副長さんは。 フーン」
「オイ・・・・!」
なんだそのトゲのある物言いは。
だって帰らなきゃ仕方がない。 そっちには同居人が居る(筈) だ。
来たときは毎度毎度ナイスタイミング(・・・・) なことで、二人と一匹とも運良く不在だったけれど。
そう言うと、目の前の坂田銀時はフフンと鼻で笑い、そして。
「神楽ちゃんと新八くんと定春なら、特別休暇春休みってコトで昨日から明日の昼まで三日間、新八くんの実家に帰って戻ってるぜ」
万事屋はなァ有給休暇&福利厚生もバッチリなんだよ覚えとけ、と嘯いて。
「・・・・・・・・」
と、いうことは。
言うまでもない。 考えるまでもなし。 自分の、土方の明日の出勤は遅番、午後からだ。
本日まだ陽は高く、・・・・少なくとも明日の朝までは此処を辞さずとも良い、つまりはそういうことだ。
「そう、か」
上げかけた腰を再び落とし、そういうコトは先に言え先に、と一言云ってやりたくなったが、まあ、この際どうでもいい。
ほっと一息、自然と煙草に手が伸びる。
「ってコトで、運動して汗かいた銀サンはこれからちょっくらメシ買いに出かけてくるんで、土方くんは留守番宜しく。 てか泥棒避けにはこの上ない適任ってカンジ?」
腐っても警察官、枯れても副長だしさァ、と銀時は身支度をしつつ。
聞こえる戯れ言を聞き流す土方が燻らせる紫煙の先、すたすたと玄関に向かうその後ろ姿を目で追いながら、
ぼんやりと 『・・・・朝までにもう一回くらいはヤれるな、たぶん』 そんなことを考えていたら、
ぴたり、と銀時の歩みが止まり、
「・・・・?」
背中越し、ふっと半分ほど斜めに振り向かれて。








―――――― お気に召すまま?」








薄く、しかし婉然と笑う横顔が示すはストレートな承諾&許諾。




「じゃーちょっくら行ってくるから」




そのまますいっと出て行った銀時の気配が万事屋から消えるまで、土方は呆気に取られ呆然と茫然とするしかなく。












たぶん偶然だろう。 むしろ当てずっぽうだろう。 だが問題はそんなところじゃない。 焦点はそこじゃない。












―――――――――― あんな笑い方、奴にしか絶対出来ない。














出 た よ ま た 【 ヤ っ て る だ け 作 文 】 ・ ・ ・ ・ ! ! 


すいません・・・・初めての土銀作文だというのにホントすみませんごめんなさい・・・・! 正直、やりやすかったけどヤりづらかったです苦笑い。
基本的に土銀はオトナCPだと思う(あくまで自分的に、ですが) ので、あんまり四の五の会話はいらないかなー・・・くらいに思ってたんですが、
それじゃ作文が成り立たないでしょ(!) ということに気付いて蒼くなりました。 この二人の会話ってわかんないよ・・・・。
とりあえず土銀は、インランCPだと思います先生! ←そして言い逃げ脱兎。