[ アマイケハイ ]





※すでにそこそこ出来上がってる状態、てことでひとつ宜しくお願いいたします








「・・・・ホ、ホントにいいんだ、な?」


「・・・・はい」


「も、もう、後には退けねー、ぞ?」


「・・・・・・・・わかってます」


「ホントにホントに、後悔しねーな?」


「・・・・・・・・ええ」
































念には念を入れまくり、で最終確認をする虎徹と、
覚悟を決めた、というよりは意を決しまくったかの如く(!) のバーナビー。


もう、それに到るまでの細かいアレコレ云々は置いておく。
まあ、ここに来るまでにはそこそこ色々あったのだ。(※1クール目参照)
そこそこ色々あったあと、なんだかんだであれよあれよという間にくっ付いて引っ付いて、
気がつけばあっという間、
【どう考えても 『パートナー』 『相棒』 とかいうコトバと表現とで済む範疇は超越しまくりだろう】
という間柄にまで到ってしまって、
それでもまあ、つい先程までは少なくとも最後の一線? 否、最後の砦?
はかろうじて持ちこたえていたのだけれども。
今日に限って連れ立って出掛けたのは良いのだが、
寄り道やら何やらで自然と帰りが随分と夜も更けた時間帯になってしまい、
本当にそのときは互いにシタゴコロも何も無く、
「あーココからだと俺んちの方が近いな、泊まってくか?」
「着替えとか、ないですけど」
「一晩くらいどうにかなるだろ」
他エトセトラ、とにかくそんなような会話でそんなふうにまとまって、
揃って帰り着いた虎徹宅。
買い置きのアルコールでもダラダラと摂取しつつ、この日を終える予定であったはずなのに。






だからどちらも両方とも、
どうしてナニユエこんな展開を招いてしまったのか、分からない。
直接的なきっかけは、たぶん虎徹の酒の勢いだったのだろうと思う。
最初は確かに当たり障りの無い、どちらかといえば割とまともな会話をかわしていたはずで。
しかし向かい合い言葉のやり取りを続けていくにつれ、ほどよく酔いが回るにつれ、
時折訪れる甘い気配(・・・・) がどうにもむず痒くなり、
こんな微妙な空気よりはここらで一発(?) 素っ頓狂なコトでも口にしてバニーに罵倒された方がマシだ、そうだそうに違いないと虎徹が口にした一言。


「あ〜、その、なんだ、夜は長いし、エッチでもするか」


口にした本人はまず間違いなく200%、
即座に1クール目を彷彿とさせる(・・・・) 冷たい視線、冷ややかな口調、冷淡な態度で断固として拒否、
若しくはあからさまに冗談として受け取って貰えるはずだと想定していたのだ。
が。


まさか、
まさか、
僅かな沈黙の後によもや、


「・・・・・・・・・・構いません」


だなんて返事がかえってくるなんて、誰が推測できたというのか。
思わずその時ちょうど口に当てていたグラスからゴパアッと酒を噴き出してしまい、
飛び散った飛沫でなんだかそこらへんがやたらと酒臭いがそんなこと、もう気にしていられない。
ちょっと待てお前さんもしかしてすでに泥酔してんのか、
だったらさっさと風呂入って酒抜いて寝た方がイイんじゃ、などと自ら振った話題にも関わらず、
あわあわ慌ててみるものの、


「別に酔ってません。 虎徹さんがそうしたいなら、僕は構いませんが」


バーナビーは呂律もきちんと回っている。 多少のアルコールで目のふちはほんのり赤いが、
確かにそこまで酔っ払っているとは到底、思えない。
それでも虎徹が確認に確認を重ねてしまうのは、もうどうしようもなく。


「・・・・エ、エッチだぞ? セックスだぞ? そこんとこ、分かってるかバニー?」


「〜〜〜〜〜〜 そう何度も何度も連呼しなくてもわかってますよ!」


最後には半分怒られつつ、
あとは勢い(?) というか、此処まできてしまったら言い出した当人であり、
後に退けるはずもなく訳もなく、成り行きまかせ、カラダまかせ。
がしがしと頭を掻きながら、野郎相手でも、虎徹流、最低限のエチケット(?)。
「―――――― そんじゃ風呂入って来るわ。 酒、抜かねーとな」
「そのあと、僕もシャワー借りますから」
「じゃあ一緒に入るか!」
そうして三十路が半ばヤケで口にした発案は、
「それはちょっと・・・・」
年下二十代からは一発却下。
「ナゼに・・・・」
おじさんにはわからない。


普通は、逆だ。


































ロフト上、
ベッドの上、
まさかココにこいつを連れて来る日が来るなんてなあぁ、と虎徹は今になっても驚嘆を鎮められない。
それでも、一旦その気になりさえすれば、コトを進めることに取り立てて弊害は無し、
特に無駄口はきかずに唇を奪う。
同じくベッド上、つい三秒前に乗ったばかりのバーナビーが不意を突かれるほど、
唐突に、激しく、長く。
一度腹を決めたら、三十路のおじさんは強いのだ。
まだ少し水気の残る金髪に誘われるように、思う存分口腔を味わってから解放してやると、
ナイトランプの薄明かりの下、まさか今になって気恥ずかしくなったのか、
ふいっと顔を心持ち背けたバーナビーが何を言うかと思いきや。
「・・・・キス、下手ですね」
「悪かったな、 ・・・・って、比較する相手とかいたりするのかよ」
「いえ、僕の感覚でですけど」
ここに来て駄目出し、それも一方的な。
しかしおじさんは怒らない。 というかへこたれない。
「そんじゃ、気に入ってもらえるよう、上達するよう努力するとするか」
風呂の効果か、互いに表面上、さっぱり消えてしまったアルコール分は、胃の腑に残りが幾許か。
だがしかし頭の中にまで回っていた分は、短い入浴とシャワーごときでは決してゼロにはならなくて、
そのせいにして勝手に虎徹は解釈する。
バーナビーがこんな自分の提案を受け入れたのも、
そもそも自分がそんな提案をしてしまったのも、全てはアルコールが回っていたからで。
きっと明日の朝、太陽が昇るころには全て無かったことになる。
二人揃って少し気まずくなって、でもたぶんどちらも気にしていないフリをして、
そうしてまた次回、何食わぬカオで会うだろう。 それだけのことだ。 だから。
風呂あがり、だから互いに上半身は裸であって、
バーナビーの眼鏡も勿論今は外されていて、キレイなカオがよく見えた。
(最初は全くもって可愛げのないヤツだったんだけどなあ・・・・)
そんなことを思いながら、素肌をまさぐっていく。
野郎相手のSexなんて、当然ながら虎徹にも経験はなかったが、
まあ抱く相手の性別が違うだけで、大して変わるものでもないだろう(!) と思いつつ。
薄く平らな胸を、広げた手のひらを滑らせるように撫でていく途中、
ふと思い当たって両方の突起を指先で摘まみ上げると、
途端、びくッとバーナビーの身体に震えが走った。
「お? 感じるのか?」
「ッ・・・・!」
反射的に頬に赤みを走らせて、バーナビーは虎徹を睨み付ける。
しかしそんな視線などにはとっくの昔から慣れている虎徹は気にも留めず、
続けざまにくいくい弄び続けていき、時折先程のように摘まみ上げられると、
思わずバーナビーの口許から熱を帯びた吐息が零れ落ちた。
「まったく、いつもこう可愛いとイイんだけどなぁ、バニー?」
「馬鹿なこと言ってないで下さ・・・・っ、ンっ!」
冷やかすように言われてしまい、たまらず反駁しようとしたのだが。
先手を打たれ、今度は濡れた舌が逆側の乳首に絡み付いて来て、とてもそれ以上口を開いているわけには行かなくなってしまった。
虎徹は片側を指先で転がしたり、つついてみたりしながら、
もう片方を丹念に舐め上げる。
小さな肉粒を味わうかのように時間をかけ、最後に硬く追い詰めたそれを舌先でぎゅっと押しつぶすと、たまらずバーナビーにぐいっと髪を引っ張られた。
「いてッ」
「・・・・っく、」
実際、ほとんど痛みなど感じちゃいなかったのだが、
乳首を口中に含んだままあえてそう言ってやると、その拍子に歯が掠めたらしい。
「ッ・・・・!」
またもビクッと胸元を震わせたバーナビーが吐息を零し、
バニーちゃん随分と感じやすいみたいだな、と思ったところで。 ふと。
「なあバニー」
「な・・・・何、ですか」
「こんなとこでこんなふうに聞くのもアレだけどよ、お前、こういう経験、初めてだよな?」
「・・・・・・・・・・」
少しばかり決まり悪そうな虎徹に問われ、
一瞬バーナビーは質問の意味が理解できなかったらしい。
だが数秒後、意味を理解した途端、物凄い勢いと剣幕を持って。
「当!然! でしょう!!? どうして僕が!!」
怒られて当然だ。
女を相手に抱くことはあるのだろうとは思うけれど、(むしろ無い方が不自然極まりなく)
さすがに抱かれたことは無かったか。
わかっていながらも、ついついバーナビーの感度の良さからふと邪推(・・・・)してしまった虎徹は首を竦める。
「わ、悪かった、そうだな、そうだよなあ」
「そうです!!」
怒声に引き続き首を竦めながらも、虎徹はホッとしてふにゃりと笑った。
それは本人、意図も意識もしていなかったのだけれどあまりにも心底安堵したかの如くの表情で、
それを目の当たりにしたバーナビー当人が、一瞬で怒気を失ってしまうほどに。
「まったく・・・・」
あまりに素直に謝られ、しかもそんなふうなカオをされたものだから、
結局それ以上怒ることも出来ず文句も続けられず、バーナビーはふっと視線を落とさざるを得ない。
加えて、先程より頬と目許が赤く染まっているのは、怒って叫んだことだけが理由ではなくて。
そんな直情的なところでさえ、やたら可愛く思ってしまうのはこんな状況であるからか、それとも。
わからないまま、虎徹は赤く尖った胸の突起に、再度舌を持っていく。
愛撫を続けるうち、均整の取れた細身の身体がうすく汗ばみ、
わずかに体温が上昇していくのが感じ取れた。
良く言えば丁寧、悪く言えばしつこい愛撫に、声があがる。
「・・・・っ、やめ・・・・っ・・・」
「ん、」
本当はもう少し、胸元を弄っていたかったのだけれど。
確かにいつまでもココばかり触っているわけにも行かず、
「蹴飛ばすなよ」
ほんの僅か、冷やかしの響きを込めて告げながら、
これからの行為をそれとなく示すよう、まず自らのベルトを緩める。 バックルを外す。
が、自分の衣類を乱すのはそこまでにしておいて、
続けてバーナビーの下肢に手を伸ばした。
半ば剥ぐかたちで、ワークパンツを取り払う。
細い。 そして白い。
どこをどう見たって自分と同じ、野郎の身体つきであるにも関わらず、知らず知らずのうち喉が鳴る。
更にまじまじと眺めてしまっていたら。
「・・・・そこまで眺められても・・・・」
どういう反応をすれば良いのか、困ると同時にいたたまれなくなったらしく、止められた。
「あ、悪い・・・・」
さすがにあからさま過ぎたか、と謝りつつも虎徹の視線はその身体からなかなか外されない。
それでも目線を背け、何とか平常心を保とうとしていたバーナビーだったのだが、
突如、虎徹が両脚をぐいっと割ってその中まで膝をつめて来たことに息を飲む。
加えて彼は、バーナビーが膝を閉じないよう、片手で片膝を固定させたあと、
もう片方の手を差し入れ、つうっと身体の中心部を撫でてきた。
「ッ・・・・・!!」
すでに緩く頭をもたげはじめていたそこを撫でられ、
手のうちに収められて細身の身体が小さく跳ねる。
「・・・・我流だぜ。 セオリーとか知らねぇから」
あんまりにも脱線しちまってたらちゃんと言ってくれよな、と虎徹は言い訳めいた台詞を口にしつつも、
また一方ではまあどうにかなるだろ、という楽観的に思っている部分も決して否めず。
何故って理由も理屈もよくわからないが、
(そして出来るだけ隠してはいるが) 自分の息だって妙に荒くなってきているし、
それはイコール、バニー相手にしっかりちゃんと興奮しているという証だし。
ヤバイよなあ、コレは、と自覚しながらそこにある手をきゅ、きゅっと上下させた。
「・・・ぅ、あ・・・・ッ・・・」
擦られて、バーナビーが片手で口許を覆い、漏れ出る声を殺す。
それを見て、虎徹は更に。
「ヤバイって・・・・」
三十路、自らに当てる余裕の無い呟き。
大体にして合理的で、時折腹が立つほど慇懃無礼で、ちょっと前まで基本 『生意気』 の代名詞の見本であるかの如くだったこのウサたん(・・・・) が、
自分の手によって乱れていくのが新鮮であり、またあの頃からの変貌っぷりに改めて驚嘆であり、
いたるところつまりは嬉しかった。
相棒、としてつるむようになったこの約一年、思い起こしてみれば虎徹はバーナビーとこういった、艶事に関係する話をしたことが一度もなかった。
どちらも成人男性であるのだから、そこまて深く突っ込んだ話でなくとも軽く流せる他愛無いそんなネタ話の一度や二度、盛り上がっていたって全く普通であるにも関わらず、
そしてバーナビーだって女性経験が全く無い訳も無いだろうし。
とはいえ、元々コッチ方面には淡白っぽい感じしかしなかったよなあお前、
・・・・くらいの感想しか虎徹は持っていなかったわけで、
だからこそ、彼が普通に性感に反応しているという当たり前のことが、妙に心を逸らせていく。
「キモチイイか?」
「答え、られ・・・る、はずないでしょう・・・・っ・・・」
かけた言葉に、返答として戻ってくる上擦りながらも、彼らしい素直じゃない返事。
しかしその返事自体が肯定をありありと認めているようなもの。
当のバーナビーからしてみれば、ただ自らの中心部を軽く扱き上げられているだけなのに、
背筋まで痺れてくるほど感じはじめてしまっている自分に、内心焦っていた。
これくらいの刺激、自慰のそれと何ら変わりがないはずで、
なのにどうして、どうしてここまで、と懸命に声を押し殺しながら、バーナビーは混乱しかける。
「う、ぁッ!?」
虎徹の指が敏感な括れのところをぐるっと一周し、間をおかず先端をくちくちと揉み込んできた。
「待・・・・ッ・・・・!」
バーナビーはたまらず虎徹のそれを止めようと、慌ててその手を引き剥がそうとする。
「・・・・ン?」
どうした? と怪訝そうに虎徹が顔を覗き込むと、
「・・・そ、こは・・・嫌、です・・・・!」
喘ぎ混じり、嫌がられてしまった。
それを聞き、心持ち指を下方にずらして愛撫を続けていくうち、
次第にバーナビーの息が格段に荒く、忙しなくなって全身がほのかに染まっていく。
見越して一旦愛撫の手を離すと、
薄暗い中、手のひらがぐっしょりと体液で濡れ落ちていた。
特に指先などは透明な、粘度をもったその蜜が粘った音を立てて細い糸を引き、
その淫靡に濡れた手が、三十路のココロに火を付ける。
「先、弱いんだな」
「・・・・基本、誰だって・・・・っ・・・・」
「特にお前はそうだと思うんだがなあ?」
図星を指され、かあっと反論してくるバニーをおじさんはさらりとかわし、
かわしながらも再びそこを握り込む。
と、一度愛撫の手が止まって少しだけ安心しかけていたバーナビーが再度、緊張を見せた。
虎徹は、すっかり硬くなり芯を持って勃ち上がったバーナビー自身を、
親指以外の四本の指と手のひらとで握り、先端から溢れ落ちるその先走りの蜜を、
残った親指の腹を使って裏側や茎の部分に塗り込むよう擦り上げる。
そして空いているもう片方の手は、つい今しがた彼が嫌だと言って来た、
弱い弱い括れと先端部分を苛めるように玩んだ。
「ひ、・・・ッ! や、め・・・・ッッ!」
途端、とぷっと大量の蜜が溢れ落ち、音もなく茎を伝って滴り落ちていく。
その蜜ごと扱き上げるたびに淫猥な水音が鼓膜に届き、
できることならそんな音など聞きたくないバーナビーは、虎徹の手にまたも自らの手を重ね、
何とか妨げようとするのだが、上手くいく訳もなく。
片や虎徹はといえば、絶え間なく刺激を与えつつも、しつこく今に至るに到った過程を考えていた。
酒に呑まれて、の戯れなる酔狂ゆえだと初めは思っていた。
それでもよくよく考えてみれば、ふと当たり前のことに気付く。
彼の、バーナビーの気質、性質からして、いくら酒の力を借りていたとはいえ、
雰囲気と勢いだけでこうなるわけがない。 こんな痴態を見せてくるはずもない。
ハッと我にかえったところで、たぶん自分を跳ね飛ばしてでも逃げる。 もしくはキレる。
なのに現在、彼は全くおとなしくて自分に組み敷かれたままで、
せいぜいこうやって止めようとしてくる手も、
虎徹を止めようとするより、ままならない快感をどうにかしようとしているようにしか見えず。
そう考えると、 ・・・・・もしかすると。
本当に、
これは本当本意、正真正銘、バニーに懐かれているのかも、しれなくて。
「あの、よぉ」
「、何です、か・・・・っ・・・」
「・・・・・あ、〜〜〜〜いや、何でもない、悪ィ悪ィ」
お前もしかしてホントに俺のコト、などと、
危うくデリカシーの欠片も何も無い聞き方をしてしまいそうになり、寸でのところでストップさせる。
そんなこと、考えずとも今更聞く意味も無い。
どちらが先に惚れたのかさえ定かじゃないし、
今現在、どちらがどれだけ相手に固執しているかなんてたぶん二人ともわからない。
そういえば、「好きだぜ」 「好きです」 の台詞のやり取りだってしたかといえば微妙、
いや、虎徹が覚えている限りはしていない。
これでよく 『ここまで進めちゃう仲』 になれたなぁ俺たち、という一面もある一方、
それはただ単に、切っ掛けが無かっただけなのだろうとも思う。
オトナといえばオトナの仲でもあるし、
いや違う違う、
告白もできない大きなコドモが二人いるだけだ、と言われてしまえばそれまでだが。
全くどうしようもねーよなぁ、と苦笑しつつ、それでもカワイイと思ってしまうウィークポイントもあって、
自分の行為によって喘ぐバーナビーの姿に、脳髄はくらりと痺れてくるほどの欲情を連れてくる。
全ては行為に反映されて、顕れた。
突然ともいえるタイミングをもって、ぐっと両脚を拡げて抑え付ければ、
「・・・・ぁ、・・・・ッ、ぅあ・・・・、・・・?」
唐突すぎる虎徹の行動に、瞬間彼の意図がわからず、ただされるがままにさせてしまっていたバーナビーは、彼が自分の息衝く中心部に顔を落とそうとしているのを目の当たりにする。
「待っ・・・・待ってください!! そんなこと・・・・っ・・・!!」
狼狽のあまり、続きの言葉が出て来ない。
一方で虎徹は、バーナビーの慌てふためくその姿を見ても、何故に止められたのか、不思議に思っている様子で。
「なんで止めんだ?」
「〜〜〜〜なんでも何も!! しなくていいですっ・・・!」
冗談じゃない、とバーナビーは本気でうろたえる。
ただ触られているだけですら、こんな状態に陥ってしまっているというのに、
口でなんて咥えられてしまったら、どれだけ浅ましい姿を見せてしまうか、自分でも予測がつかない。
「しなくていいです・・・・ッ、本当に駄目ですッ・・・・虎徹さ・・・・っ・・・!」
「なーに言ってんだか。 今更だろ」
バーナビーの心境など、まったく意に介しない虎徹は、
単に彼が羞恥のあまりじたばたしているだけだろう、程度にしか思ってはいなかった。
逃げようとする細腰をしっかり掴み込み、両腕と両手を使って抑え付け、
とろとろに濡れながらも上を向くバーナビーの男性自身、先端部をぺろりと舐め上げた。
「うぁ・・・・ッ!!」
ビクッ、とバーナビーの背中が綺麗な弧を描いて大きく震える。
余程の刺激を性感として受け取ったらしい。
構わず虎徹は先端部、蜜を零す穴孔を舌先で軽く抉ってから、喉の奥、
限界近いところまでバーナビー自身の全体を咥え込んだ。
そうして口内の粘膜を使い、柔らかく全体的に扱きながら、舌は裏筋を何度も上下させる。
「ぅ・・・ぁ、あ、あッ・・・・やめ、・・・・や・・・・っ・・・・!」
声も抑える余力もないバーナビーの甘い声が室内に響く。
その声にも煽られて、虎徹は一層愛撫を施していく。
先端に舌を絡ませ、強く弱く吸い上げてやると、バーナビーの喘ぎに嘆願が混ざり始めた。
「や・・・・ッ、め・・・・! ぁ、あ・・・っ、離・・・して、くださ・・・・っ・・・」
白い肌が粟立ち、立てられ、押さえられたままの膝ががくがく戦慄きはじめる。
力の入らない手で、虎徹の髪を握り締め引っ張ってくる仕種はきっと、限界が近いことを現しているのだろう。
「っ・・・嫌、だ・・・・っ・・・・! 、離・・・・っ・・・・!」
なのに離せ離せとしきりに続けているのは、
虎徹の口の中で達することに抵抗があるかららしいけれど。
無論のこと、虎徹だって今の今まで男を相手にしたことなどあるわけがなく、
無論無論、口で追い上げたことだって無い。
しかし今となってはバーナビーを口中で達させることには何の迷いもなく、
バーナビーの制止も嘆願も頭から無視を決め込み、真っ直ぐ射精を促した。
「虎徹さ・・・・ッ、やめ・・・・ッ・・・・ッ―――――!!」
往生際の悪いウサたん早く出しちまえ、と言わんばかり。
手のひらで後ろの双珠を優しく包み込み柔らかく揉み上げ、尖らせた舌ではそれとは対照的に、
乱暴なほど先端をぐりぐりと突く。
と、バーナビーの身体が激しく強張り、腰がぶるっと悶えた。 直後。
「・・・・あ、――――あ・・・・ッ・・・!!」
掠れた声を上げ、耐え切れずバーナビーは咥えられたまま、虎徹の口内で膨れた自らを弾けさせ、白蜜を吐き出した。




「・・・・く・・・は・・・・っ・・」
虎徹の口から解放されても、
残りをぴゅく、ぴゅく、と断続的に吐精しつつ、
バーナビーは荒い息をつきながらシーツに顔を埋めて沈み込む。
どうして離してくれないんですか、とか、
大体勝手過ぎるんですよ、とか、
そんな彼らしい文句を言ってやる気力すら、残っていない。
きつい絶頂感に身体の痙攣はなかなか治まらず、息さえちっとも整わないまま、
快感の余韻に霞のかかった頭と意識の中、ほとんど無意識に、
ふっと目線だけで虎徹の姿を追ったところ。
ゴクン、と何かを飲み込む僅かな音と喉の動きプラス、
口許の白いものを指で拭い、手首のあたりまでにも纏わり付いている白濁をぺろりと舐めている三十路の姿を認めてしまうなり、一瞬で全てを理解する。
「な・・・・っ・・・、な・・・・・!」
何をしてるんですか正気ですか!!? と怒号を飛ばしてやりたいのに、
焦るやらハズカシイやら決まりが悪すぎるやら諸々、とにかく言葉も発せず、
頭はパンク寸前ショート目前状態のバーナビーに気付き、
虎徹は少しだけ悪戯っぽく笑ってみせた。
「ご馳走さん♪  ―――――――― ぐぁッ!!?」
ちょうど、ご馳走さん♪ の♪マークが消えるか消えないか、のあたり。
峻烈な速度を持って飛んできた枕が虎徹の顔面にクリティカルヒット、
ふかふかの枕とはいえ、思いきり至近距離、真正面から直撃されては。
「痛っ・・・・てぇよ! 本気で全力で投げただろ!」
「ハンドレットパワーで投げ付けなかったのは僕の優しさですよ・・・・ッ!!」
「んなことされたら死ぬだろ! 完全にノーガードだったんだぞ!?」
「一度臨死体験でもしてみたらどうです!!?」
激憤状態、ご立腹バニーにぎゃんぎゃん喚かれ、虎徹、困る。
「ちょ・・・ちょっと待った、んな、そこまで怒ることないだろ・・・・? な?」
「怒らないはずがないでしょうに! 信じられない! 何を考えてるんですか・・・・!」
「何を、って、別に、なんだ、ナニを、ってわけじゃ・・・・」
虎徹、引き続き困る。
「そう難しく考えたワケじゃねぇんだって・・・・」
「離せって言いましたよね!!? 僕は!!」
「あ〜〜〜、その、だから、アレだ、」
虎徹、大いに、困る。
「何ですか!!」
困り果てた挙句。
「アレだ! お前のだから、別に飲み込んだってイイと思ったんだよ!!」
キレた。
「な・・・・ッッ・・・・!!」
困った果ての虎徹の逆ギレに、バーナビーは言葉を失い、
それから思いきり真っ赤になる。
羞恥9割、残りの1割は呆れで二の句が継げずにいるバーナビーに、
一度逆ギレを起こした虎徹も、
「〜〜〜〜まあ、その、悪かった」
とバツの悪そうな顔で平常モードに戻り、
「・・・・・できるだけ、悦くしてやりたいって思ってな」
こういうのって、そういうモンだろ? と勝手に解釈しているのだが。
「・・・・・それは、」
「キツかったら言えよ」
「・・・・・・・・・ええ」
どれだけ言い合いをしても、
どれだけデリカシーの無いおじさんであったとしても、、
どれだけ可愛げのないバニーちゃんだったりしたとしても、
どちらにしろ、もう二人とも止めることなど出来ない。 止まれない。






一度達して、力を失っているバーナビー自身を軽く撫で、そしてその奥の目指す箇所を押し開く。
入り口をそっと指先で突付くと、バーナビーがヒクンと身体を震わせた。
「結構・・・・濡れてんな・・・」
最奥にも関わらず、先程の行為で前から伝い落ちた蜜で割合に濡れている。
それなら、と虎徹は利き手の人差し指と中指とを自らの唾液で湿らせ、
なるべく痛みを与えないよう、丁寧にゆっくりとまず人差し指を埋めてみた。
「っ・・・・く・・・」
「キツイか?」
「う・・・・っ・・・」
初めて体験する感覚に、バーナビーの眉根が寄せられる。
まだ苦痛と表現するには至らないのだけれど、埋められた指の圧迫感に、息が詰まった。
「狭すぎだろ・・・・もっと力、抜けるか?」
「無、茶・・・・ッ言わないで下さ・・・・っ・・・」
そもそもそんな箇所に異物を受け入れること自体、初めてなのに、こんな状況でそんな器用なことが出来るはずもない。
即座に否まれるが、このままでは虎徹としてもどうしようもなく、
指一本ですらぐいぐい締め付けて来るそのきつさと内部の狭さとに一瞬考え、
しばしの黙考後。
何の前触れもなく、先程達したばかりのバーナビー自身をもう片方の手できゅうっと押し掴んだ。
「うぁ、あ・・・・ッ・・・」
精を放った直後で、より敏感さを増しているそこは、
ただ撫でられただけでもぞくぞくと強烈な快楽を連れてきてしまう。
腰に重い快感が纏わり付いて、バーナビーがそれに翻弄されている隙、
虎徹は中に埋め込んだ指を軽く蠢かしてみた。
「ン・・・・っ・・・・」
自分でさえ触れたことの無い、内側の柔脆な肉を擦られる感覚に身体が戦慄く。
しかしまだ到底快楽は見出せず、忙しなく浅い呼吸に胸を喘がす様子に、
虎徹は逐一バーナビーの反応を伺いながら、できる限り慎重にところどころの内壁を擦り上げたり、軽く押し上げたりを繰り返してみる。
内部に存在する性感帯のことは知識上でだけは知っていたためのこの行動、
何かを探って探すかのような動きの意味を、実際バーナビーも既知して理解していたらしい。
特に嫌がることも拒否反応も起こさず、おとなしくされるがままでいたのだが。
施す虎徹の指がとあるところを突いた途端、
「――――― ぁあッ!」
まるで予測していなかった驚くほど鋭い刺激が走り抜け、思わず腰が上がってしまった。
「・・・・バニー」
「え・・・・」
「そこ、悦かったか?」
「・・・・え、あ、・・・・多分、」
実際、前立腺の存在と大体の位置とそれによって齎される性感と、を理屈では理解していようがいまいが、二人揃って(当然) 繰り返すが経験も体験も何しろ初めてで、
今、体感したばかりであるはずのバーナビーさえ、どう答えていいのかわからない。
鋭く身体の中心を走り抜けた感覚の正体が掴めず、どうすれば良いのか困り果てる彼に虎徹は。
「痛くは、ねぇんだよな?」
「・・・・ええ」
きちんと一度、確認してから。
「なら、おそらく今んトコがお前の・・・・」
「え? ――――― あ、ぅッ!」
たった今、覚えたばかりの箇所に狙いを定めて、ピンポイントでぐっと押し上げると、
たまらずバーナビーは背中を仰け反らせた。
同時に虎徹の手の内の性器もピクンと反応をかえす。
よーしアタリ、と会心の笑みを浮かべ、虎徹は集中してそこばかり刺激を与え続けた。
まるで快楽神経のかたまりであるかの如くの其処はこの上なく過敏で、
繰り返し触れられ続けるうち、バーナビーの呼吸も浅く荒く、上擦ったものに変わっていく。
手の内の性器も再び勃ち上がり、充血を見せ始めた。
一方では、虎徹の指を締める抵抗も弱まり始め、身体は中指まで受け入れて。
「・・・・ん、・・・・くッ・・・・!」
より長く、奥まで届く中指の先でそこを擦ると、
バーナビー自身の先端がとぷりと先走りの液を溢れさせた。 
それは更に伝って後ろへと零れ落ち、虎徹の指を濡らして滑らかにさせる。
「く・・・・、はッ・・・・、待、っ・・・」
「ん、どっか痛いか?」
「違・・・・ッ、う、ぁ・・・・っ・・・」
嫌でもあがってしまう声を抑えながら、バーナビーは何とか伝えようとしてくる。
「そこ、、もう・・・ッ、・・・イヤ、です・・・・!」
だからやめてくれ、と首を横に振って告げてきたバーナビーに、虎徹はこらえきれずにんまりと笑った。
ついさっきもほとんど同じ遣り取りをしたはずだった。
非常に、 非!常! に分かりやすくて可愛らしい主張で形容。
「イヤよイヤよも、ってな♪」
「なッ・・・・、うぁぁ・・・・ッッ!」
爪先でポイントを小刻みに抉ってやると、バーナビーの腰が痙攣を起こし始めた。
柔らかい髪が、何度もシーツに落ちて乾いた音を立てる。
「一つ覚えたぜ。 バニーちゃんの 『イヤ』 は 『キモチイイ』 だろ? 悦すぎて、逆に触ってほしくないってコトだろーが」
「〜〜〜〜〜ッッッ!!」
図星過ぎるのと、感覚に支配されて返事をする余裕もないバーナビーをいいことに、
虎徹は揃えた二本の指を届く限りの限界まで深く挿し入れ、
随分とほぐれて来た内壁を、激しく動かしながら更に拡げていく。
濡れたそこが粘つく卑猥な音を立て、弱いところであるそこもしつこいほど念入りに擦られて、
バーナビーの指先がぎゅっとシーツに爪を立て、震えて跡を刻む。
「――― ッ・・・・か、はッ・・・・!!」
奥を突き上げられると同時、前のバーナビー自身の先端をくいっと引っ掻かれて息が止まった。
ゾクゾクと重く疼く射精感が腰からずっと離れない。
それを現すよう、充血した先端は白色が混ざった液を流し始めた。
「も・・・・っっ・・・・」
駄目です、といった様相で、バーナビーが虎徹にしがみ付いてきた。
我慢ができなくなったのかそれとも止めさせたい一心でだったのか、もしくはその両方か。
擦れ合う上半身。 懸命にも思えるこんなカワイイ姿を見せ付けられて、
三十路が我慢できるはずもない。
「く・・・・!」
ずるっと指を引き抜き、虎徹はとうに猛っていた自らをその箇所に押し当て、そのまま一息に貫いた。
「!?ッ・・・・、あ、ぁーーッ・・・・!!」
強い強い衝撃に、挿れたと同時にバーナビーが少量の白蜜を噴き出した。 軽く達したらしく、
虎徹の腹部に温かな濡れた感触が滴る。
中の虎徹自身も痛いほど強く締め付けられて、危うい。
「ぅ・・・・っ、あ・・・・っ・・・っ・・・」
苦しいのと、軽くであるが達した余韻とで、バーナビーは何度もかぶりを振る。
「・・・・悪ぃ、大丈夫、か・・・・?」
「どう・・・・すれば、平気でいられるんですか・・・・! せめ、て、一言くらい・・・・っ・・・」
言ってからするのが普通でしょう!?、と最後まで言ってやりたいのだが息が続かない。
苦しいことは苦しい。
しかし、挿入時の痛みは同時に訪れた絶頂でプラスマイナスゼロ程度にかき消されてしまったらしく、今はさほどではなく。
しかし鈍く重く感じる痺れに似た鈍痛と、圧迫感はどうしようもないことで。
そうして、逸ってしまった虎徹は虎徹で、今更当然心配になる。
慌てて自分を受け入れている部分をそうっと指でなぞってみれば、
うっすらと紅いものが付着してきて、「うッ、」 と歯噛みする。 
それほど量は多くはなさそうなのが救いといえば救いか。
ホント悪かった、と出血させてしまったことに対して内心で謝りながら、少しでも馴染むのを待つ。
先程は逸ってしまったとはいえ、いくら何でも我慢の限界だからとはいえ、
これ以上暴走してしまっては拙いし、本当にバニーの負担が大きすぎるというものだ。
余裕とはとてもとても言えないが、まだそれくらいの思考は回る程度はあった。
だから、挿入後のバーナビーの内部をゆっくり感じ取ることも出来て。
「・・・・お、スゲぇかも・・・・」
何も動かさずとも、達した直後のせいかバーナビーの内部はひくひく蠢いていた。
軟らかだがしなやかな肉壁は、狭さも持って静かに確実に虎徹の快楽を煽る。
きゅうっと締め付けられ、猛った虎徹自身が自然、ぐぐっと質量と熱とを増して、
それをダイレクトに感じ取ってしまってバーナビーは 「く、」 と息を詰めた。
「ん・・・・、イイ・・・・」
「・・・・っ、」
吐息混じり、感嘆混じりの虎徹の低く掠れた声に、バーナビーの肌がぞくりと粟立つ。
今までそんな虎徹の声を耳にしたことなんて、一度も無かった。
欲情も露わな濡れた低音をこんな至近距離で、しかも自分がその原拠であることも自覚して、
たまらない羞恥に思わず目を伏せる。
そしてそろそろ、待つ虎徹も限界だ。
「・・・・もう平気か? バニー」
小さく揺らすと、硬く目蓋を閉じられて僅かに顎が立てに振られた。
それは痛みを我慢しているというより、内からの甘い刺激を堪えているかのようで、
虎徹は様子を伺いつつ、何度か緩く腰を動かしてみる。
「バニー?」
「・・・・んっ、く・・・・」
バーナビーの口から零れる吐息が甘く絡むのは、隠しようがなかった。
引き続き、鈍い痛みは全く無いという訳ではないけれど、
その上を行く今までに経験の無い、ぞくぞくした性感が虎徹が動くたびに結合部から腰、
そして背筋へと駆け上がってきて、
しがみ付いたまま、バーナビーは虎徹の肩口に爪を立てる。
その小さな痛みを快いものと受け取って、虎徹は一度先端付近まで引き抜いた自らを、
一挙に最奥目掛けて突き込んだ。
「―――― ッッ!!」
声も出せず、細い身体がしなって仰け反る。
きっと本能的なものなのだろうが、固く閉じられた目許にはうっすら涙が浮かんでいて、
虎徹は上体を限界まで屈めて倒し、ぺろりと涙を舐め取った。
「・・・・っは・・・」
舐められた感触に、バーナビーは甘い吐息を零す。
舌が去ったあと、ゆっくりと開けられた目蓋の下、そこには翠色の瞳が所在なげに佇んでいて、
一瞬、涙よりもそちらの翠色の方まで舐めたくなってしまうほどで。
「ぅ、あッ、・・・・ぁ・・・っ・・・・」
ごく、と唾を飲んで虎徹が本格的に腰を使い始めた。
傷付けないよう、気を使いながらも何度か奥まで届かせるように突き入れ、
その後続けて今度は浅い部分から先程のポイントを探られる。
蹂躙されるバーナビーは僅かながらも身体を捩らせるが、
最初から両脚を抑え込まれているこの態勢では、ほとんど何も出来ないに等しかった。
「確か・・・・ココ、だよな」
「ひッ!!」
ぐりぐりと先端で捏ねるように刺激され、瞬間的に火花のような快感が弾け、全身を貫いた。
ビクビクと脈打ちながら再び頭をもたげ始めたバーナビー自身も見逃さず、
虎徹は間髪入れずそこを掴み込み、手の中で揉みしだく。
「やめ・・・・っ、ぁっ、――― うぁッ・・・・!」
連続して二度も達し、過敏極まりなくなっている性器を刺激されながら、
看破されてしまった前立腺を押し潰すように内壁を抉られ、
腰が砕けてしまいそうになるほど、感じてしまう。
下肢から響く、絶え間ない水音が鼓膜を打つけれど、
もう快楽が勝りすぎて気にする余裕も何もない。
「あ・・・・ッ、あぁッ!!」
虎徹自身のぬるぬるに濡れた切っ先が、弱い弱いところを的確に擦り上げ、
容赦なく攻め込んでくる。
耐え切れないバーナビーの腰は本能的に逃れようと後ずさりたがるのだが、
決して逃すことはせず、ぐっと引き寄せてしつこいほど、押し上げる。
その都度きゅうきゅうと肉壁が締まりを見せ、虎徹もその快楽に甘く口許を歪めた。
「ッう・・・・っ、んな、締めんなって・・・・」
「僕のせいじゃ・・・・っ・・・あ! や、めッ・・・・ッッ!!」
濡れてぱんぱんに膨れ上がった亀頭をぐいぐいと揉まれ、たまらず悲鳴のような喘ぎと、
先端からは白色が混じった飛沫がぴゅくッと噴き出す。
「う、ぁ、・・・・あ、離・・・・ッ・・・」
流石に直接的で強すぎる快感に耐えられず、虎徹の手を止めようとバーナビーは手を下肢に持っていく、のだけれど。
「どうしてだよ?」
「・・・・ーーーッ!!」
括れたところを指先でくるりと一周、一緒に内壁を擦り付けられるような動きで捏ね回され、
焦らされるような愛撫を与えられた。
今になってここで 『どうして』 って、鈍感なのか意地が悪いのか単なる悪戯ゴコロなのか、
どれだろう。 複合しているのか。 それなら割合的にはたぶん3:1:6あたりか。
「何で離さなきゃダメなんだ? こんなになってんのに」
「こ・・・のっ・・・・」
「あ?」
キレた。
「だからあなたはそういうところが駄目なんですよ!! いちいち訊ねなくったっていいでしょう!!?」
荒く収まらない吐息の中、今度キレたのはバーナビーの方で、大怒号。 大音量。
「感じ過ぎてツライんです!! それだってどうせ分かっているくせに、 〜〜〜〜そういうところがオジサンだっていうんですよ!!」
声を張り上げたせいで、更に息が上がりまくりつつ、しかし憤懣やる方なくきつくきつく睨み付ける。
こんな状況で、こんな状態ながらも(・・・・) 息巻いてくるバーナビーに一瞬呆気に取られた虎徹だったのだが。
次の瞬間、それはもう今にも融け出しそうなくらい、ふにゃらとこの上なく嬉しそうに顔を緩ませた。
「あー、やっぱお前だ。 いつものバニーだ」
「・・・・はい?」
当然のことを改めてやたら嬉しげに、確認され喜ばれ、バーナビーが何が何だか理解できずにいると。
「あんまりにもお前さんがカワイイんで、もしかしたら何かの罠じゃねぇかとか、コレ全部ホントは夢だったりするんじゃねーか、とか実のところ不安になってきてたんだよな途中から」
「・・・・・・・・」
「だけど今の怒鳴り声で確信した。 その怒鳴りっぷり。 まぎれもなくバニーだ」
「僕は僕ですよ、 ・・・・て、いつまでそんなへらりと笑ってるんですか・・・」
「だって嬉しいだろ、バニーちゃんが ――――」
にやけながら心底喜ぶ虎徹だったが、しかしバーナビーの方はといえば、あらためて気恥ずかしいやら、また、ある意味やたら心外であることもないこともあらず、
怒って怒鳴って喜ばれるとは一体どういうことなのか、そのあたり、突っ込んで問い質してみたかったのだけれど。
繰り返すが、
こんな状況(・・・・)で、
こんな状態(・・・・)なのだ。 今は。
今の自分と虎徹の事態と、身体の実情は正直、それどころじゃなく。
「・・・・僕は僕ですから。 あの、」
「ん?」
「ずっとこのままでいられても、・・・・その、」
その一言に、ピタリと虎徹の動きが止まる。
入ったまま。 というか繋がったまま。 ていうか全てが途中のまま。
「あ、わ、悪い!」
慌てて何故か謝ってみる。
そうしてバーナビーをもう一度よくよく眺めてみれば、
全身は仄かに紅潮し、息もずっと忙しなく荒い。 どう少なめに見ても、身体は限界近い。
そしてそして当然にして必然、虎徹の方も、
否、むしろ虎徹の方が切羽詰まりかけているのかもしれず。
「ん・・・・ッ・・・」
ゆっくりと、動きを再開させる。
軽く、円を描くような動きで中を捏ねまわしていくと、腰が蕩けてしまうような熱が押し寄せてきた。
決して強くも激しくもなかったが、先程まで散々弱いところを弄られていたバーナビーの身体は自然と絶頂を求め、併せて腰が揺れ出すのを止められない。
虎徹はそれに気付き、緩やかな動きはそのまま、
ぐち、と自らを根元まで深く埋め込み、そのまま腰ごとぐいぐい揺すりかけた。
「ぅあ、ぁッ・・・・、い・・・・っ・・・!」
腰から背筋まで、震えが走るくらいゾクゾクした性感に支配される。
たまらず素直に 『イイ』 と口走ってしまいそうになり、必死で喉の奥で堰き止めた。
それでも身体は正直で、白い喉が仰け反る。
そんな姿を晒すバニーを虎徹はもう少し眺めていたくて、
自らもかなり追い上げられてはいたが、こらえて中を掻き混ぜ続けた。
「ッ、・・・っう、・・・っんん・・・・」
深く緩く与えられるその刺激は穏やかで心地良いが、絶頂まで行き着くには弱い。
すでにその寸前まで追い詰められているバーナビーには、少しばかり物足りなくて。
「・・・・っ、強、く・・・」
「バニー・・・・?」
「も・・・っと、強く・・・・」
顔を伏せてしまっていて、どんな表情で告げてきたのかは残念ながら、虎徹にはわからなかった。
けれど。
その要求自体に、またもオジサンはふんにゃらと顔が緩みそうになる。 が、なんとかどうにか堪えた。
堪えて、彼の求めるまま、応じようと互いの身体の間にあるぴくぴく震えて勃ち上がったままの性器に指を絡み付かせ、腰の動きを激しいものに変える。
「あ、ぁ・・・・っ、あぁっ、あッ・・・・!」
突如変わった動きに、虎徹の背中に回された腕に力が込められ、爪が喰い込んだ。
それほど強くしがみ付いて縋らなければ耐え切れないほどの性感に、
もう声を抑えることも出来ない。
「っ・・・・う、ぅ・・・・っ!」
バーナビーの呼吸の間隔が狭くなり、上擦ったものになっていく。
同時に、細い身体が強張っていくのを見取って、虎徹は彼の限界を感じ取り、
そして自らも滴る汗にまみれながら、絶頂を求めて内壁を抉る。
「ッぅ、うっ・・・・ん、く・・・・っ・・・、も・・・もう・・・・ッ」
きつく寄せられる眉に、限界を告げてくる声。
虎徹もまた、連動して締め付けられる刺激に快楽を全身で味わいながら、
射精を促すように手の内のバーナビー自身を搾り尽くすよう、扱き上げる。
「ッッ・・・・! あぁ、あーーッ・・・・!!」
「――― く、・・・・ぅ、・・・・ッ!!」
虎徹の手の中で、バーナビー自身が一際大きく脈打ち、しとどに白蜜を吐き出した途端、
内側の肉壁が猛烈な勢いを持って、虎徹を締め上げる。
その誘いに逆らわず、彼も続いてそのまま熱を放った。
「ぅ・・・・ぁ・・・・っ・・・」
熱い精液が、身体の奥底に撒き散らされる刺激にわずかに身じろぐバーナビー。
虎徹を包み込んでいるそこは、充分すぎる潤いを与えられつつ、ひくひく痙攣するように蠢く。
その感触も絶妙な快楽を齎し続けて、
虎徹としてはもう少し、味わっていたかったけれど。
「バニー?」
くったり。
返事がない。
「バ・・・・バニー?」
生きてるか平気か大丈夫かおい、バニー? と慌てて様子を伺えば、
どうやら半ば意識を飛ばしてしまったようで。
「やべェ・・・・後で絶対また、怒られる・・・・」
初めてで、中出し(・・・・)。 ←自覚ありまくり
「・・・・悪かったな、ホント」
達したばかりの敏感な身体を刺激しないよう、濡れた自身をゆっくりと引き抜いた。





































その後、くったり伏せって動かないバーナビーの横で虎徹もしばらくまどろんだ後、
とりあえずそろそろ起きとかねぇとな、と頭を持ち上げれば、東の空は僅かだが明るくなり始めていた。
もう一回シャワーでも浴びて、それからえーと、バニーの世話もしてやって、
それからそれからええええーと、けどそもそもこの後の世話ってどうやればイイんだ、
と首を捻りかけ、それでもまずは自分の身支度を一応整え、
がしがしと頭をかきながら身を起こすと、
「いて・・・・」
肩口と背中にピリリと走る小さな痛み。
薄暗い中、確認しなくてもわかるそれは、盛大な爪の痕。
あ〜こりゃ風呂入ったら絶対沁みるな、でも自分で絆創膏貼れる位置じゃねーしな、と苦笑いしつつ一歩階段を降りかけたところで。
「・・・・虎徹さん」
背中に当たって落ちる、バニーの声。
「お? 起きてたか」
半分だけ振り向いて、毛布の中プラス暗くてほとんど見えないその姿に向けて。
もしかして俺が起こしちまったか悪い悪い、お前はまだずっと寝てて構わないぜと言い置き、
そのまま降りた。




浴室にて汗やら体液やらを落とし、小ざっぱりして再びロフト上に戻ってみると、
ゴソリもそり。 寝返りをうつ音。
シャワーを浴びていたのは短時間であったはずなのに、先程より格段に部屋の中は明るく、
ブラインドの隙間から差し込む光からすると、今日はきっと快晴模様。
そして当の、ベッドの中の彼はすでにしっかりと目を覚ましていたようで、
想像より、しっかりした口調でバーナビーが話しかけてきた。
「もし今日、何か事件が起きたとしても、僕は到底使い物にならないので宜しくお願いします。 それだけは先に言っておきますから」
「うわ・・・・ホント、悪い・・・・」
自分でも暴走しすぎた感、否めずの虎徹は素直に謝る。
いくら酒の勢いが引き起こしたとはいえ、
いくらいくら互いの同意の上とはいえ、かかる負担は比べものにはならない。
すると。
「あの、」
やおらバーナビーは半分だけ、身を起こしてきた。
「・・・・やたら謝られても困るんですが」
「え? あ、ああ、でもよぉ・・・・」
そういえば、かなり頻繁にそんなふうな謝罪の言葉を口にしていたような。
でもそれは素直にそう思っていたからそんな言葉が出ていたわけで、
困った虎徹が次の台詞を探して、ポリポリ顔を掻いていると。


「謝らないで下さい。 虎徹さんに謝らせるようなことを僕がさせたつもりはありませんし、
虎徹さんが謝らなければならないことを僕もされたつもりも無いです」


迂遠といえば迂遠。
しかしいくらそっち方面に鈍い虎徹とはいえ、流石にここに来てまでわからないはずもなく。


昨夜から訪れていた甘い気配、実は実は実のところ、ずっとずっと継続中。


「、・・・・・・・・・・・・あ、ああ」


僅かの間を置いて、慌てて頷きつつ、


けどホントにコ俺とココまで引っ付いちまって良かったのかバニー、と喉の奥まで出掛かり、
けれど寸前で堪えた問いかけには、読心術でも持っているのかと疑いたくなるような、バーナビーの。


「・・・・・そろそろ次のステップに進んでおかないと、何もかもが中途半端で終わってしまうような気がして」


それは嫌ですから、と最後に口にし、
またコロリと寝返りをうって今度は頭から毛布をかぶった彼に対して、
ほんっとお前は真面目だからなあ、という言葉を虎徹は飲み込んで。






「一途だからなあ、バニーちゃんは」






ここになって初めて普段の、茶化すような口振りでそう言ってやったら、
またも枕が物凄い勢いで飛んできた。










今度は、よけた。















【お初エロ】 でのリクエストでした。
リクくださったカナ様、こんなんですみません・・・。
結局いつもと変わらん内容になってしまいました。 土下座。

でもって読んでくださった皆様、ほんと、イロイロすみませんです。 まさに脱兎。