[ ブラック大晦日 ]






「・・・・バ、バニー?」
「・・・・何ですか?」




12月31日である。
夜である。 割と夜である。 時刻は、あと1時間と少しで大晦日から元日に移行するあたりである。
そんな時間にいつもの如くお約束の如くマンネリの如く、虎徹宅ロフト上おまけについでにベッドの上、
当の部屋主と一緒に居るのはバーナビーである。
そして毎度毎度毎度毎度お馴染み、
組み敷かれているのは歳若い方、うさたんの方かと思いきや。


今、そんな状態こんな状況大ピンチ! に陥っているのは、


「ど、どした・・・・? なんでまた、俺がこんな体勢に・・・・」
「さあ」


両腕をシーツに抑え付けられ、しっかりとマウンティング状態で組み敷かれているのは、
何を隠そう(?)、オジサンの、
虎徹の方、なのである。


「『さあ』 じゃねえって! 〜〜〜〜〜って、お前、もう酔っ払って・・・・!」


逸早く虎徹は彼の異変に気付く。
そもそも、バーナビーを待たせて虎徹がコンビニまでちょちょいと買い物に行き、
つい10分前に帰宅したときからなんだかおかしかったのだ。
確かに、「待ってる間、コレとコレとコレ、スキに飲んでていいぜ」 とボトルを数本、置いていった。
そのとき確かに確かに、「ええ、いただきます」 と彼も答えていた。
が!
まさか、
まさか出掛けていた30分足らずの間に、
ここまで、
普段と真逆(・・・・)、虎徹を組み敷くまでに(・・・・) 酔っぱらうとは誰が想像するだろう。
「酔ってなんていません」
「大抵の酔っ払いはそう言うんだよ!」
「僕は言いません」
目を座らせながら、バーナビーは腕に力を込め、ぐぐぐと虎徹を抑え込んでくる。
隙あらば脱したいものの、大して変わらない体形の二人であるがため、先にマウントポジションを取られてしまったがゆえに、ここからひっくり返すのはなかなか難しい。 びくともしない。
が!


「正気に戻れってバニー! 大晦日なんだぜ!?」
「大晦日ですね」
「大晦日、なんだぞ!!?」
「ええ、今年もあと1時間と少しで終わりですね」


・・・・なんだか、
・・・・なんだかついこの間のクリスマスイブの夜にも確か、
確かこれと似たような会話をかわした気がするのは、決して気のせいではないはずだ。
だが一つ、明確に明白に決定的に違うのは、
イブの夜に彼を組み敷いていたのは虎徹の方で、
組み敷かれてあわあわと今の自分のように慌てていたのがバーナビーで、
つまり、今と全てが、逆。


「んなことわかってる! 俺が言いたいのはだな・・・・!」


とりあえず離してくれ、
でもってとりあえず落ち着け!


と、口にした途端。


「・・・・はい、」


パッと離れた腕、
馬乗り状態からすっ、と移動する細身の身体と体重。


「〜〜〜〜〜〜〜〜〜あ???」


まさしく、あっと言う間に自由になる虎徹。
一瞬、目が点になった。
見ればバーナビーは、虎徹の上からどいた体勢のまま、何かどこかぼんやりとしている様子で。
「バニー・・・・?」
「・・・・・はい」
とろん、とした瞳。
虎徹としては、このまま、グダグダのうちに形勢逆転、
いつもの通り 『TIGER×BUNNY』 に引き戻しても全くもって構わなかったのだけれど。
大晦日。
今日は一応この一年の、締めくくり。 だから。
「シャワー、浴びて来いって。 そしたら酒も抜けるだろ。 待ってっから」
仮にも年長者。 ここは仕切り直しを提言して、
「・・・・・・はい」
酔いがデレを連れてきた(・・・・) のか、それとも素でデレが出たのか(・・・・) 甚だ不明だが、
頷いて素直に言うコトをきいて階段を下りていくその背中を見送って、
「・・・・危ねぇ・・・・」
三十路は軽く、息を吐いた。
バニーが望むなら、本気で迫って来たのなら、
一度くらい試させてやってもそれはそれで構わなかったのだけれども。


やっぱりこう、一年の締めくくりは正気のバニーちゃんを、抱きたい。































「こ・・・・虎徹、さん・・・・」
「ん?」


あれから、30分ほど後である。
時刻は、同じくあと30分程度で日付が変わるあたりである。
ベッドは、半時間前と同じく二人分の体重を受けていたりするのである。
が!


「ど・・・・どうして急にこんな体勢に・・・・」
「そりゃアレだ、さっきの続きっつーか意趣返しっつーか」


快活に笑いながらも虎徹は腕に力を込めて、もう逆転させねえぞとばかり、ぐぐぐとバーナビーをベッドの上に抑え込んでくる。


「大晦日ですよ!?」
「大晦日だな」
「大晦日、なんですよ!!?」
「今年もあと30分だな」


何だか、なんだかつい先ほども確か、
確かこんなシチュエーションでこんな会話を交わしたような気がするのは、
決してバーナビーの気のせいだけではないはずだ。


・・・・否、


覚えている。 実のところ、ぼんやりとだが割と覚えている。
確かに少しばかり酔ってしまっていたようで、
酔いが手伝って少し少し少しばかり大胆(?) な行動に出てしまっていたようで、
そこのところはきちんと自覚もあったりして、
(そこそこ酒気が抜けて) バスルームから出たあと、きちんきちんと 「すみませんでした・・・・」 と謝って、
虎徹がコンビニで買ってきた酒の肴で、年越しの仕切り直し、をする予定でいた、の、に。


「き・・・・昨日、もしましたよね・・・・!?」
「昨日は大晦日じゃなかったよなあ」


これとほぼ同じ会話を、クリスマスイブの夜、あの時も交わした。
そうやって虎徹に好いように言いくるめられた、あの記憶。
そして今も、今夜も、あの時と全く同じルートを辿ることになってしまうような、そんな予感。 いや、予測。
それでも、またイブと同じく素直に流され言いくるめられてしまうのも少しばかり不本意で、


「せめて、年越しくらいはゆっくりしたって・・・・!」
「イヤだ。 せめて年越しくらいはオジサンの願望、叶えてくれよ」
「何が・・・・」
願望だっていうんですか、と反射的に訊ねたら。
「お前ん中で、新年を☆ ってな」
「なッ・・・・!!」
恥ずかしげもなく、へらりと笑って、あっけらかんと言い切った虎徹に対し、
やはりやはりいつもの如くバーナビーは頭に血を昇らせてしまう。
そんなバーナビーを虎徹は意味深げに真上から見下ろし、そしてもう一度笑って。
「どっちにしろ諦めろってバニー。 イチャイチャしてスッキリしたあと、ゆっくり初日の出でも見に行こうぜ?」
「・・・・・・!」
「それに、先に誘ってきたのはお前さんの方だからなあ?」
「・・・・・・!!」
笑いかけてくる虎徹の眦が細められ、嫌な予感がバーナビーの背筋を駆け上がる。
確かに、
確かに酔いのあまりちょっとばかり大胆(?) なことをしてしまった (かもしれない)。
少しばかり、彼を焦らせてしまった(のかもしれない)。
「あんな力いっぱい誘われたら、バニーのために頑張るしかねーよな♪」
「〜〜〜〜〜〜〜!!」


嫌な予感、三倍増し。


普段と大して変わらない、軽い口調が余計に予感を煽る。
出だしは数日前、クリスマスイブと同じ。
だがここからの行程は、きっと全く絶対に違う。
(自分が先にマウントポジションを取ってしまったせいか?)
今夜の虎徹は何となく 『ブラック』 が入ってしまっているような気がして、
そしてそれは決して決して気のせいだけではなく。


酒酔いお誘い不注意危険。


わりと本気を出したエロ三十路の意地悪っぷりを、今年の最後にうさたんは身を持って知る破目になる。





























「ほら、おとなしくしとけって」
待、待ってください、と身構えて身体を自然と強張らせるバーナビー。
虎徹は苦笑しつつ、腕の中のその細い身体を囲うようにして、何とか宥めて落ち着かせようとする。
クリスマスイブは勿論、先述の通り、昨晩も身体を重ねたのは本当のことだ。
「心配すんなって、取って喰っちまうわけじゃねえだろ」
そう告げる本人でさえ、ここ最近の自分の節操の無さに苦笑い。
そこそこ自覚しつつ、虎徹はバーナビーの下着を取り払う。
ああ確かに、昨日も、した。 でも懲りずに二人、引っ付いている。
今日も、「新年も一緒に迎えようぜ」 と告げたら、バーナビーだって素直に付いて来た。
そう思い返しながら、自らの唇を唇に重ねて塞ぐ、今年最後のディープキス。
その整った頬を両手で挟み込み、決して口付けから逃れられないようにしておきながら、
口腔の隅々まで侵して味わい尽くす。
舌を舌で絡めて吸い上げると、僅かに苦しいのか、バーナビーの喉が小さく音を立てて鳴った。
「・・・・ッ・・・」
舌と唇とを解放しないまま、片方の手のひらを薄い胸元に這わせると、ヒクンと反応して身体を捩ろうとする。
まるでバージンのような、そんな他愛無い抵抗が微笑ましく、
可愛いかわいいバニーちゃんに虎徹はついついいつだって、嬉しくなってしまう。
「バニー」
可愛い仕種を見せてもらったら、今度は耳に心地良い艶声が早く聴きたくなって、
唇を離してすぐ、まだ柔らかいままの右の乳首に指を滑らせ、
いつものように嬲ることはせず、今回は唐突にきゅっと摘まみ上げた。
「んッ・・・・!」
敏感な部位への、突然の刺激に身体全体を震わせて反応を返すバーナビーがいとおしい。
何度も何度も身体を重ねているにも関わらず、その感度と瑞々しさは決して鈍りを見せない、若いオイシイ身体。
そんな身体を繰り返し味わい尽くしてきた虎徹は、バーナビーの弱い場所を身体の隅々まで知っている。
感度の良い身体の中でも、より楽しませてくれるのは胸元。
それも、先ほど摘まみ上げた左側ではなく、より敏感なのは左側の。
「心臓側の方が、やっぱ弱いよな・・・・?」
先ほどの深いキスの味の残る唇を寄せ、左側の乳首に口付ける。
「ぁッ・・・・!」
途端、乱れる声と跳ね上がる腰。
ちゅぷ、ちゅく、と口付けられる胸元から下肢に疼きが伝わるのか、早くもその腰は揺らぎ始める。
それを察知しながらもしかしまだ、虎徹は胸への愛撫を止める気などさらさら無くて。
ぷくりと尖って硬くなりはじめた乳首を口内に含んだまま、舌先で軽く突つく。
「・・・・ぁ、あッ・・・」
同時に、左側も忘れまいと指先で愛撫を繰り返し、両方に刺激を送れば、
うっからと紅く色付き始めたその肌が熱を持ち、虎徹を誘った。
咥えた肉粒を、溶かすように含んで舐め上げれば、唾液で濡れたそれは虎徹の舌先からつるりと逃げるように滑って行ってしまう。
「も・・・・っ・・・、っやめ・・・!」
それを追いかけ、徐々に追い詰めていくのが楽しくて、しつこく愛撫を続けていると、
耐え切れないのか、震える腕で虎徹の頭を退けようとしてくるけれど、大して力も入らないこの状態ではただ虎徹の髪を乱すだけだ。
「マジ、可愛いよなあ」
「・・・・・・っ・・・」
唇の端を綻ばせた虎徹の、情欲を煽る、掠れ気味の低い声。
「んなカオすんなって。 もっと可愛がりたくなっちまうだろうが」
「っあ・・・・ッ!?」
虎徹の言に、一体自分はどんな表情をしていたのだろう、とバーナビーが思う間もなく、
すでに昂ぶって熱を持ち始めていた自身に唐突に触れられ、身体が跳ねた。
ゆるゆると熱を持ち始めるバーナビー自身の昂ぶりを煽るため、虎徹は温かい手のひら全体でなだらかに擦ってくる。
「・・・・は、・・・・っっ・・・」
全体的に大きく撫で擦り上げられ、その感覚に若い身体は熱を疼きと混同させ始めてしまう。
この疼きが、いずれ甘く大きな快楽に繋がるということを彼とて覚えて知ってはいるのだけれど、
同じくらい大きな甘い苦しみも同時に訪れてしまうため、いつも狭間で苛まれる。
過ぎる快感はまるで折檻のようで、いつもいつも耐え切れなくて、あまり見せたくない姿を晒して、
なのに決して心底イヤというわけではなくて。
・・・・・・そんな自分に、時折眩暈さえ覚えたくなる。
「ん・・・・!」
そして、こんなふうにグイっと虎徹に両脚を割り開かれ、彼の眼前に改めて自身を曝け出すことにも、
どうしても慣れることが出来ずに、羞恥心に包まれる。
いい加減に少しは慣れればいいのに、と自分でも思うものの、この瞬間だけはどうしても正視できず、
いつものよう、顔ごと視線を背けると。
バーナビーのそんな心境まで重々承知している虎徹に小さく笑われ、かあっと頭に血が昇った。
「前言撤回。 やっぱ、アタマから取って喰っちまいたいかも」
お前さん丸ごと全部、ぱくんと一口でさ。
そんな戯れ言が聞こえたと思ったら。
「っあぁ・・・・っ・・・!」
すっ、と下腹部に顔を落とした虎徹に、ちゅ、と自身の先端に口づけられて、否が応にも上半身が大きく仰け反りかえる。
「・・・・ぁ、ぁ・・・! ・・・ッ・・・」
二度、三度と先端から括れの部分、そして根元に啄ばむキスを送られ、敏感な身体は悶えて止まらない。
けれど、
なんだかおかしい、と気づいたのは少し経ってからのことだ。
「・・・・・っ、」
虎徹が送ってくるのはただ唇が触れるだけの、軽い愛撫。
普段なら、いつもなら口腔に含まれたり、舌で強く弱く刺激を送ってくるはずなのに、今回はただ触れるだけの愛撫を繰り返すだけ。
それ自体は優しい感覚であるものの、逆をいえば曖昧ともいえてもどかしい。
「・・・・・く・・・、」
だが自分からそんなことが言い出せるはずもなくて、ただ耐えてやりすごそうとバーナビーが唇を噛み締めた直後、
赤く色付き始めた先端に、包み込むかのような優しい、長い長いキス。
そんな虎徹の愛撫に、自身の先端は少しずつ透明な蜜を零しはじめるけれど、
何故かそれより強い刺激は一切与えられないままで。
「虎徹、さん・・・・ッ・・・」
もどかしくてじれったくて、つい名前を呼ぶと、
「ん? どーした?」
彼は笑いながら、顔を覗き込んでくる。
「・・・・ッ・・・」
面白がって観察されるかのように、じっと表情を見て取られるのが何故かイヤで、
バーナビーが思わず下に視線を逸らすと、目に映ったのは濡れて勃ち上がっている自分自身。
キスだけでここまで反応してしまう自分に頭の芯が熱くなって、
そこから目を背けたくて顔を横に向けようとしたら、少しだけ意地の悪い声に妨げられた。
「もうこんな欲情してるぜ」
「――――っ・・・・!」
濡れてそびえる肉棒の先端を、前触れもなく指先で擦り上げられ、唐突で直接的な刺激に腰が浮く。
加えて、より多くの蜜が先端から根元まで零れて伝わり、
それすら淫猥な感覚として感じ取ってしまい、乱された。
「元気だよなあ」
「っあッ、・・・・ぁ・・・・!」
先ほどからの中途半端、もどかしすぎる刺激にバーナビーは腰を揺らして堪えるけれど、
虎徹はそれ以上先には進まず、濡れそぼる彼自身に絶えずキスを送り続ける。
唇が触れるたびに先走りの蜜が立てる濡れた音が鼓膜を打ち、
バーナビーの吐息と相まって響くから、それを楽しんで。
「・・・っ・・・虎、徹さ・・・・・っ・・・」
この曖昧な愛撫から逃れたがるバーナビーが、が何度も何度も自分を呼んでくるけれど、
あえて聞こえないフリ聞いてないフリ。
より一層丁寧に唇を、熱を持って震えるバーナビー自身に押し付け、
虎徹がその感触と感覚を味わい尽くして満足した頃には、
歳若いうさたんはもう名前を呼ぶ気力も失くしたのか、ただびくびくと腰を震わせるだけになってしまっていた。
けれどオジサンの方は、年末の総仕上げ(?) として、
もっともっと乱してみたくて、いじめっこモードに入ってみたくて。
「ここからどーする?」
「は・・・・っ・・・」
下肢から顔を上げ、潤んだ瞳を覗き込むようにして尋ねると、
ただ首を振って解放に繋がる愛撫を無言で願ってくる。
「とりあえず達っとく?」
充分すぎるほどわかっているくせに、オジサンはあえて訊き返す。
「・・・・っ・・・!」
言葉ではなく、仕種と表情で頷いて解放を願うバーナビーに、三十路は唆す口調で。
「じゃ、サービスしてくれよ」
「・・・、サー・・・ビス・・・?」
熱い吐息を抑えきれず、素直に聞き返してくるバーナビーに、
虎徹は満面の笑みで解放への条件提起。
「今年の最後っくらい、お前さんからの熱っついキスが欲しい」
いつもいつも俺からするばっかりだったもんなあ、としみじみ言われて、当のバーナビーは逡巡する。
キスなんてもはや日常茶飯事(もちろん他人の目の無いところでのことだけれど)、
挨拶の一環になってしまっているけれど、
確かに、
確かに普段、先に顔を寄せてくるのは決まってほぼ虎徹の方からで、
バーナビーは甘んじてそれを受ける、そんなパターンこんなセオリー。
だからこう、正面きってそう言われても、改めるとどうすればいいのか少しばかり迷ってしまうのだが、
一方で実際、どうしようもなく熱を持ち続け、意識を乱し続けるバーナビー自身はもう限界で、
なのに本当にどうすれば、
悔しいけれど、もう、おとなしく虎徹の言うことを聞くしかないほど追い詰められて。
「わ・・・かり、ました、」
頷いて、吐息が触れ合うところまで身体を持っていく間でさえ、
解放を願い続ける自身がたまらないほど熱い。
「・・・・ん、」
軽く開かれた唇に、吸い付くように唇を重ね、あとは流れに任せて呼吸が苦しくなるまで。


「・・・・クセになるかも、コレ」
はふ、とどちらからともなく唇を離した直後、
そう呟きつつやたら嬉しそうな虎徹についついぼうっとしてしまっていると、
「そんじゃ、頑張るとするか♪」
オジサン台詞をもう隠そうともしなくなった虎徹に、どさりと簡単に体勢を変えられて、またしても下肢に口許を移動させられた。
「んぅ・・・・っ・・・!」
根元から先端まで一挙に舌先で舐め上げられ、濡れた感触と感じる刺激に背中がしなる。
そのまま先端を含まれて、敏感過ぎるその場所を尖らせた舌先で抉るように愛撫され、
襲い来る感覚の波。
「っは・・・・っ、・・・・ッ、ん・・・・ッッ・・・!」
ずっと待ち続けていた解放に繋がる感覚なのに、
今度はそれが強すぎて翻弄され、かぶりを振って悶えてしまう。
「ぅ・・・・ッ・・・!」
散々焦らされていたバーナビー自身を唇で締め付けられながら、
先端にそっと舌先を割り入れられると同時。
「・・・・っあ、あぁ・・・・ッ・・・・!」
堰き止めるものも何もなく、バーナビーは吐精した。
「悦かった?」
虎徹にそう楽しげに問われても、肩で息をつき、
吐精したばかりの余韻の消えない身体は動いてくれないし、また言葉を発する気にもならない。
力の抜けてしまった肢体を抱き起こされ、再び虎徹の都合の良い体勢を取らされ、
そのまま次の段階へと進まされる。
バーナビーがどうすることも出来ないうちに、大きく片脚を虎徹の肩の上に担ぎ上げられ、
彼の眼前に最奥が余すところなく曝されて、その一瞬はやはり羞恥に襲われたけれど、
その羞恥も長くは続かなかった。


「お? もう柔らかいか・・・・?」
「っあ・・・・!?」
最奥にはまだほとんど触れられていないというのに、(たぶん昨夜の名残りもあるのだろう)
入口はもう随分と柔らかくなっていて、
くぷッと虎徹の指先が二本まとめて押し入れられても、なんなくすんなりとそれを飲み込んだ。
「大丈夫、だな」
「・・・・ん・・・っ・・・ぅ・・・・」
まとめて挿し入れた指で、虎徹はバーナビーの悦い箇所を探っていく。
「・・・く、ふ・・・ッ・・・・!」
より鋭敏な内側で彼の指が動くだけでも嫌というほど感じてしまっているというのに、
その一番弱い弱い部分をあえなく見つけられ、思いきりぐいっ、と押されて。
「ひぁ・・ッ・・・!!」
一挙に漏れるかのような、きつすぎる快楽に腰が浮く。
「うぁ・・・ぁ・・・・ッ、やめ・・・・ッ!」
「ココでやめたら男が廃るだろ」
なんだかよくわからない台詞を吐きつつ、
その場所を直接的に攻め込まれてしまうと、本当にバーナビーが弱いことは、虎徹ならとうに知っている、
むしろ虎徹の方がよく知り尽くしているはず。
与えられる快楽刺激が強すぎて身体がついていかないほど、バーナビー自身の怒張が急激で激しいため。
だからいつも指では数回触れる程度、それだけに留めておいてくれていた場所なのに、今回は違った。
「年の瀬くらい、な・・・・?」
「ひ・・・・ッ・・・・!?」
俺の好きなようにさせてくれよ、と続けて強く強くぐいぐいっ、と連続して押し上げられ、許容範囲外の過ぎる快楽に悲鳴があがる。
「虎、徹さ・・・・ッ、やめ・・・・っあぁぁぁッ・・・・!!」
容赦のない内側からの刺激に、先ほど達したばかりのはずのバーナビー自身がぐぐっと勃ち上がりを見せはじめ、
くいくいと押し続けられる悦い部分に比例し、みるみるうちに膨れ上がっていく。
「も・・・・ッ・・・キツ・・・っ・・・!」
「こんなに悦さそうなのになあ?」
「うあぁぁ・・・・ッ・・・・!!」
切羽詰まったバーナビーとは対照的に、まだ余裕のありすぎる虎徹にダメ押しとばかり、
二本の指で内壁ごと挟み込まれ、ギリっと一際強く刺激を与えられた途端。
「ひッ・・・・!!」
追い上げられたバーナビーは、息を飲んで2度目の精を吐き出した。


「・・・・っ・・・う・・・」
「悪ィ、少し強引だったか・・・・?」
無理矢理強制されての吐精に、力を失ってふるふると震えて萎えるバーナビー自身に、
謝りながらも虎徹はいそいそと、空いている方の指を絡める。
「ッ・・・・ぁ・・・・!」
「入るぜ、バニー」
絡めた指で優しく彼自身を擦りながら、ゆっくりと内側から埋めていた指を抜き、
合わせて猛った自身の先端を押し当て、一気に腰を進めた。
「ん・・・・ッ!」
「ホント、中は熱いな・・・・」
お前さん低いのは外体温だけだな、と囁きながら割り入ってくる虎徹に、
「つあぁ・・・・ッ・・・ぁ・・・・ッ・・・」
指とは比べ物にならないほどの熱と質量を持って押し入ってくる虎徹自身に、たまらずバーナビーは泣き声に似たような艶声上げてしまう。
そして同時に、解放したばかりの自身の先端を指先で潰すように愛撫され、
身体が仰け反ると同時に無意識に内側を締め付けてしまい、自ら招いた刺激にびくびく悶える始末。
「あ・・・・っ、ああ・・・・ッ・・・!」
狭くきつく虎徹を締め付ける内壁は、その接する熱さまでダイレクトに伝えてしまい、
まだ虎徹は動き出してもいないのに、熱を帯びた吐息が零れ落ちた。
そんなバーナビーを虎徹は満足そうに見やり、一度深く息を吸い込んで、
最奥を目掛けるように一挙に突き上げを開始する。
「うあ・・・・っ!!」
中はとてもとても熱く狭くやわらかく、まるで絡み付いてくるかのよう。
昨夜もその前のクリスマスも身体を重ねたというのに、いつだって絶妙さを失わない本当にバニーちゃんの身体は、本当に秀逸だ。
まさか今になって出会えるとは思ってもみなかった、最高の身体。
「っあぁ・・・・ッ・・・あ・・・・っ・・・・!」
より貪りたくて、より自分の快楽を追いたくて虎徹が激しく腰を使えば、
連結する腰をがくがくと揺らしつつ、その内側は一層絡み付いて離れない。
「虎徹さ・・・・っ、虎、徹、さ・・・ん・・・・ッ・・・・!!」
何度か弱い箇所を狙ってやると、きっと無意識のうちなのだろう、名前を呼んでくる。
身も世もなく、そんなふうに縋ってきてくれるのが嬉しくて。
絡み付いて締め付ける内壁に抗うかのように自らの吐精感に耐え、最奥の最奥、弱い弱い場所を強く突き上げた。
「うぁッ・・・・っっ!」
過ぎる刺激がつらくて、でも我慢できないほどの快感に、かぶりを振って乱れる髪。
気づけば、挿入を繰り返す繋がった場所からは淫猥な水音が響き、
それと内側の締め付け具合から虎徹はバーナビーの限界を見て取り、
互いの身体の間、指を絡めた彼自身を追い上げる動きで扱き上げ、絶頂を促す。
「・・・・ッ!! ・・・くぅ・・・・ッ・・・!!」
「・・・・・達け、って・・・・」
絡めた指先、その爪先が先端に差し入れられ、そして最奥を乱暴ともいえるほど強く突き上げられて。
「――――ッッ!!」
喉の奥で掠れた悲鳴をあげ、
軽くまたも絶頂を迎えたバーナビーは、中にほとばしる熱に全身を何度か震わせて、
ワンテンポ置いてずるりと引き抜かれた虎徹の感覚に、最後に一度、腰を痙攣させた。




「・・・・・ン・・・」
軽く息をつきながらバーナビーから自身を引き抜くと、
虎徹は戯れに、達した直後のバーナビー自身に再再度唇を落とし、軽く吸い付いては離れる愛撫を送る。
その都度、びくびく戦慄くバーナビーの身体が愛おしく、同時に楽しく。
「っ・・、やめ・・・・っ・・・」
優しいその刺激さえ、何度も達して過敏になった身体にはつらい様子で。
僅かに制止の言葉を投げ掛けてくるバーナビーに、唇と顔を上げると、彼は口許を片手で押さえながら荒い息をついていた。
達した直後の、忙しなく上下する素肌の胸元。
毎月? 毎週? のよう、仕事上グラビア撮影が彼にはあるのだろうから、下手に情事の跡は残せず、
キスマークでさえもご法度なその裸体は、とてもキレイで。
だから逆に淫靡で、余計誘われる。
「バニー」
名前を呼びながら虎徹は自分の体勢を変え、
バーナビーの上に乗り上げる形になりながらその顔を覗き込んだ。
「おじさん、まだ元気なんだけどよ」
「・・・・・・・・・・」
茶目っ気たっぷり、そう言ってみると、何故だかバーナビーはどこか拗ねた様子で、
ふいっと視線を逸らせる。
「バニー?」
怒らせちまったワケじゃないよな、と少しばかり不安になりつつ、もう一度その瞳を覗き込むと。
「・・・・別に、怒ったりしてませんから」
読心術でも身に付けたのか、はたまた思いきり虎徹の表情に出てしまっていたのか(まず間違いなく後者だろう)、ぼそっと小さく、先にそう言ってきた。
「なら、どーした?」
一応、理由をきちんと尋ねてみると。
「この年末まで、節操の無い貴方と僕に、 ・・・・少し、呆れて」
「節操・・・・確かに、無いかもなあ・・・・」
けどよ、と虎徹は今更ながら改めて改まって。
「今年はいろいろあったろ? だからこう、終わり良ければ全てよし! みたいな感じで、バニーと引っ付いてたいワケだって」
いやホント、あの世の一歩手前だったんじゃねえの最終回前の俺、と呟かれ、
バーナビーは黙りこくらざるを得ない。
「けど今はこうピンピンしてるし、お前に心配かけるようなコトもしねぇから」
こんなふうに、ちょっと困らせることはあってもな、と意味深に笑いかけ、
汗でしっとり濡れたバーナビーの細腰にひょいと腕を伸ばし、簡単に身体を反転。
いわゆる、うつ伏せにさせる。
そのまま臀部に手をかけ、左右に開いて露わにした最奥、つい先刻まで自身が埋まっていたそこを指で割り開いた。
「なッ・・・・ッ・・・!!?」
とろり、と零れ落ちてくる白濁。
生暖かいそれが、開かれて自分の内腿を伝う感覚にバーナビーは目を見開き、息を詰める。
それだけでも堪えきれない状況なのに、
「ッふ・・・・っ・・・!」
更に虎徹は舌先を伸ばして、そこから零れる自らの白濁ごと、バーナビー最奥に触れた。
柔らかい、しかし羞恥のあまり窄まろうとするそこを軽く何度か舐め上げ、
自らの苦味を味わうと共に、続けて尖らせた舌先で突付いてかわいがる。
「・・・ぅ、あ・・・・ッ・・・・」
くすぐったいような、疼くような、物足りない感覚。
奥まった敏感なところを刺激される感触に、下肢から肌がぞくぞく粟立ってくる。
「・・・う・・・・く・・・・」
こんなふうに、後ろを舐められることにだけは、どうしてもいつもいつもやりきれない羞恥が付きまとう。
有り得ない箇所に、直接舌と唇とで触れられるという事実。
しかも一度受け入れた後、
しかもしかも、よりによって中で放たれた後に。
別にそんなことしなくても、
こんな愛撫はしてくれなくても、二度目がしたいなら続けて普通にしてくれればいいのに。
とその仕方に煩悶しながらも、実際には再び受け入れの様相を示すバーナビーの最奥。
頭と身体は同じようでいて全くもって別物で、もう自分ではどうすることも出来ず受け入れるしかないのだが。
「ぅあッ・・・・!?」
突如、後ろにだけ集中していた虎徹の手がするりと前に回り、
後ろへの愛撫に反応を見せ始めていたバーナビー自身にふいに絡み付いてきた。
思ってもみなかった突然の刺激に大きく反応してしまい、
意識を前の器官に向けた途端、
「――――あッ、っ!!」
今度はおもむろに後ろ、たっぷりと潤されほぐされた最奥に前触れもなく指を突き立てられ、
前に後ろに悶えることになってしまう。
虎徹の精によって元々濡れていた内側は、抵抗もなく熱く蕩けて長い指を飲み込んだ。
「まだ狭いぜ・・・・ほら」
「・・・・、・・・・っ・・!」
言われてしまったが、返す言葉もない。
そんなこと、指を受け入れた自分が一番よくわかっている。
そんなの僕のせいじゃない、と苦し紛れの反駁をしてやりたかったのだけれど、
「ひ・・・ぁッ・・・・!」
内部の色々なところを突付いていた指に、くいっと悦点を押し上げられて違う声が上がってしまう。
自分では触れることの出来ない、届かない箇所を直接弄られる快楽に、数回達して萎えていたバーナビー自身もぴくんと息を吹き返し、またも蜜を浮かべはじめる。
「ココ・・・・感触が違うのがわかるか・・・?」
「ぁ、あ・・・ッ! っ、ひ・・・・ッ!!」
楽しそうに笑いながら虎徹は執拗にその部分を攻め、定めた指先で転がすように突付いてくる。
瞬間、押し上げられた途端に鋭い射精感が下肢を貫き、
内壁が受け入れていた指を強く強く締め付けた。
その吸い付いてくるきつさに、虎徹はますます口許をほころばせて喜んで。
「そんな締め付けたら、動かせないだろ」
「・・・っ、ッ!・・・!」
声を上げる代わり、返事をする代わりにたまらず掴んだシーツに爪が喰い込んだ。
そうでもしていないと、ただ指一本でまたも達っしてしまいそうなほど、気持ちが悦い。 感じてしまう。
と、ふいに指が一本増えた。
合わせて、指で拡げられた最奥の縁にふたたび舌が這わされる。
またも送り込まれてくる熱い唾液とぬめった感触に、最奥はひくひく収縮し更なる欲を願った。
「ぅ、あ・・・・!」
シーツ掴んだ手に力が込められ、喰い込む爪を白くさせながらバーナビーは強くかぶりを振る。
「ん、ッ・・・・ぁッ、っ・・・!」
また、深く差し込まれてくる舌。
合わせて緩く擦り上げられているバーナビー自身が、小さく戦慄いた。
追い上げられて、今にもまた達しそうだ。
「・・・あッ、 ・・・・ッ・・・!!」
執拗な解す愛撫にバーナビーが髪を乱して大きく首を振ると一緒、虎徹はは指と舌を素早く引き抜き、腰を後ろから抱え上げた。
「、」
息を飲む間もない。
大きく双丘を広げられたかと思った瞬間、激しく背後から一挙に貫かれた。
「ぅあ、あッ、――――ッッ!!」
遮るものも何もなく、充分に潤され柔らかくされた内側は、程好い弾力と狭さで虎徹自身を迎え、飲み込んでいく。
蕩けた肉壁は難なく虎徹を根元まで埋め、繋がった身体は彼が僅かに身動きしただけで互いに快楽刺激を齎した。
「っ、は、・・・ッ、ぁ・・・・っ・・・!」
貫いた途端にかたかた震え出したバーナビーの腰と表情で、
虎徹は言われなくとも彼がすでに幾度目かの限界近いことを見て取り、
片手をバーナビーの前に回して、今にも蜜を噴いてしまいそうなほど張り詰めた彼自身を戒め、
きつく握り込んだ。
「う・・・・あ・・・ッ!」
「四度目ってのは、まーだ早いだろ」
バーナビーがたまらずビクッ! と身を仰け反らせるけれど、
構わずに背後から耳元で告げ、腰を使いはじめる。
「あっ、あっ・・・・あッ・・・・!」
虎徹が律動するたび、奥を突き上げられるたびにバーナビーの口から声が零れる。
自身が更に膨れ上がる。 止まらない。
首筋、背中に当たる虎徹の吐息も荒く熱く激しくて、欲を煽った。
「・・・っも、だめ、です・・・・ッ・・・」
虎徹の手の内で苦しげにバーナビー自身が戦慄く。
とぷとぷ零れ続ける先走りの蜜に包まれた自身が熱くて熱くて、堪えきれない。
なのに強制的に戒められて我慢させられて、
身体中に渦巻く熱欲に意識が持って行かれてしまいそうで。
「甘いって。 ・・・・少しはガマンしてくれよ」
「違・・・・ッ・・・!・・・・!」
我慢してるんじゃない、無理矢理我慢させられてるんだとばかりに首を横に振るバーナビーに、
流石に虎徹も苦笑の表情を見せる。
「ったく・・・。 ワガママすぎんだろ」
酔っぱらって襲ってきたり、酔いが醒めたらあわあわしたり、
ツンだったりデレだったりデレだったりデレだったりデレデレだったり。(←ワガママ?)
が、一秒後にはその苦笑を不穏な笑みと不敵なものに変え、
達したくて仕方のないバーナビー自身を捉えた指に込めた力は決して緩めないまま、
器用にももう片方の手も前に回し、すでに戒められているバーナビー自身の先端部を、
そちらの指先でゆっくり、焦らし上げるように優しく撫で擦り始めた。
「ひぅッ・・・・!!」
じくじく甘い疼きがその箇所から腰を伝い、背筋を走る。
きつく射精を堰き止められたまま、煽動されるように丁寧に愛撫を送られ、
達したいのに達せず、達せないのに煽られてもうどうしていいのかわからない。
「ッ、離・・・・っ・・・・、やめ・・・ッ・・・・!」
「イヤだ」
がくがく全身が震える。
「やめ・・・・ッ! あ! あぁ! もう・・・・ッ・・・・!」
哀願する。 出したい。 今にも破裂しそうなこの快感をなんとかしてほしい。
なのに虎徹はどこまで弄ぶつもりなのか、一層絡み付ける指に力を込め、決して絶頂を解き放ってくれず、疼き悶え続けるバーナビー自身をどこまでも柔らかく、しかし淫猥にさするだけだ。
「ぅあ、あッ、・・・・っく、ふ・・・・ッ・・・」
先刻から、一体何度絶頂を遮られ、阻まれてしまっているだろう。
すでに限界を迎え、先端は白濁混じりの液を滴らせるようになってしまったけれど、
ゆっくり絶妙な力加減で丁寧に擦られて、その度に全身が粟立つほど感じさせられるものの、達することは決して出来なかった。
生理的な涙と、抑えきれず飲み込むことも出来なかった唾液が唇の端から顎にかけ、緩い弧をを描いて滴り落ちる。
一秒でも早く達きたくて、戒めの手を引き剥がそうとほとんど無我夢中でその部位に自分の手を重ねようとしたその瞬間。
「っ、・・・・悪ィ、泣かせちまった」
「―――っ・・・・!!」
落ちる涙に気づいた虎徹は言うや否や、突如ずるりと自らを引き抜いた。
瞬時に身を内を埋める質量を失ってしまったバーナビーだったのだが、
しかし身動きさえする間も、
満足に呼吸する余裕さえ与えられないまま、素早く向かい合う体勢に変えられる。
そうしてそのまままたも両脚を大きく開かされ抱え上げられ、
自身は未だ絶えず戒められたまま再び虎徹自身を正面から勢いよく突き入れられた。
「ッあ、ああぁッ・・・!!」
島正面から最奥を深く激しく穿たれる衝撃に、悲鳴にも似た声があがる。
強く強く抉られた刺激。 通常であれば今の挿入で、簡単に達くことが出来るはずだった。
けれど戒められているせいで、バーナビー自身はどれだけ感じても、どれだけ前立腺を攻められても精を放つことは出来ず、
過度な快感刺激は甘く苦しい責め苦となって、まるで涙を零し続けているように白濁混じりの先走りの液を溢れさせ、
粘液に包まれる真っ赤に色付いた先端は虎徹の手の内で、ぴくぴく痙攣している。
「・・・っは、は・・・っ、ぅぁ!・・・・ッ・・・!」
ずっとずっと戒められた状態のまま、乱暴なほどに腰を揺らし上げられ、
激しい快楽に腰が蕩けて砕けてしまいそうだ。
「・・・・あ、あ・・・・ッ・・・」
絶え間なく突かれ続け、悦点を刺激されるたびに甘く苦しくて仕方のない自身が脈打って懇願するのがわかる。
「・・・・・・バニー・・・」
「ぁッ、あッ、・・・、ッ、も・・・・ッ・・・!」
バーナビー自身だけでなく、身体全体が大きく痙攣をはじめる。
さすがに限界を感じたらしい虎徹は、自分も荒い息のもと、絡ませていた指の力を緩め、
同時にぬるぬると滑りを借りて際どく揉むように扱き上げた刹那。
「ぃ・・・・ッ! あ、あ、―――――ぅあ、あ・・・・ッッ!!」
掠れた声を上げ、バーナビーは勢いよく白蜜を噴き出して絶頂に達した。
「・・・・く、・・・っ・・・!」
瞬間、内側の秘肉が虎徹の欲をも絞り取るようにきゅうきゅうと締め付け収縮し、
抗いがたい誘いに導かれ同様、熟れきっていた熱を、再び内側に吐き出した。













―――――――― この時点で日付はとうに零時オーバー、
新年早々、先ほど口にしていた虎徹の願いは早速も早速、適えられたことになる。





























「大晦日、だったんですよ・・・・」
「大晦日だったな」
「大晦日、だったんですよ!!?」
「いやいやもう元日だろ、今は」


三度目のこのやり取りは、あと少しで夜が明ける直前、
初詣に出掛ける支度をしつつ、ふらつく腰と下半身に渇を入れつつ(・・・・)。


「新年、バニーは何を願う?」
やっぱヒーロー的には世界平和か? と虎徹に軽く聞かれ、正義の味方の片割れは。


「世界の平和なんて、とっくの昔に諦めました」


「・・・・あ?」


固まる虎徹に、
バーナビーはさらりと。


「僕ごときに世界が救えるとも思っていませんし、そもそも救うつもりもないですし」


ベッドの中でのあんな姿あんな声こんな表情、がまるで幻だったかのごとくの、
ニューイヤー早々、ニヒリズム的ペシミスティック的、問題発言。


「おいおい・・・・」


たまらず虎徹は呆れたあと、苦笑する。
こんな発言、今をときめく(?) バーナビーがしていい類のものじゃない。
どこまでも今のはオフレコだな、けどまあ、全否定もできねーけどな、と頷いてから。


「それでも、今年はイイ年になるといいよな」


「・・・・そうですね。 悲しいことが、少しでも起こらない年になれば」


願うだけならどこまでも。
信じるだけなら容易く深く。
でもせめて、今日くらいは明るい未来を切望したって良いはずだ。


そんじゃ出掛けるか、と玄関のドアを虎徹が開ければ、
真冬の空気は冷たく澄んで。


「虎徹さん、」
「?」
「今年もよろしくお願いします」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「虎徹さん?」
「・・・・・やべぇ、んなカワイイコト言うから、なんかまたムラムラ来ちまったじゃねぇか」
「どうしてですか! 僕はただ、普通に新年の挨拶をしただけで・・・・!」








大丈夫。
今だけは、世界はきっと満ちている。


















Happy New Year! I wish you all the best for this year.
I hope we'll have fun together.












クリスマスと対にしてみました。 て、手を抜いたわけでは・・・・(汗)
サブタイトルは「逆襲(される)のバニーちゃん」です。
ほんとは兎虎風味も入れてみたかったんですが、
それはまたいつか別の日に真面目に(?)、ってことで・・・・。