[ Lovely Bunnnnny!3 ]







オジサンは、朝に弱い。




別段、低血圧気味だとか、寝起きの機嫌が悪いとか、そういった類のものではないのけれど、
とにかく朝、弱い。
そうバーナビーが知ったのは、本日のことである。





















「うあ・・・・」




・・・・・・・・何だか、どこかで携帯が鳴ったような気が、した。 けれど。
たぶん気のせいだろ、と思った。


しかしその携帯に手を伸ばし、もごもごと何か喋ったような気も、した。
けれどもやたら眠かったから、全てが曖昧夢うつつの中、そのまま再び、寝た。












――――――――― 一時間後。






「虎徹さん、虎徹さん起きてください!」
「・・・・・・・・・・」
「起きてください!」
「・・・・・・・・・・」
「もうとっくに10時半過ぎです!」
「・・・・・・・・・・・・・・?」


毛布の中、ぐー、と安眠を貪っていた虎徹の耳元、否、枕元から聞こえてきたのは、
困ったような、その中にも少しだけ憤慨したかのような響きを含む、そんな声。
最初はユメウツツかと思い、ごろりと一度寝返りを打って、再び惰眠の世界に転がり込もうとして、
そこでやっと。


「いい加減に起きて下さい!」
「・・・・・・・ッ!!?」


高らかに(?) 叩き起こされ、ここで、やっと。


ユメじゃ、ない。


そう気付いたと同時、急激に虎徹を襲ってきたのは現実感と通常、俄かには理解しきれないこの現状というか状態というか、
「な・・・・なんでお前が・・・・」
弾みでがばっとベッドから毛布ごと跳ねのける勢いで飛び起きれば、眼前には。
「やっと起きましたか」
見慣れた、整いまくったカオ。 しかしちょっと怒っていそうな歳若いうさたんが一匹、
・・・・・・いや、バニーちゃんが一人。
「なんで・・・・」
まるで何かの一つ覚え、なんでバニーがココに? と三十路はただ繰り返してしまう。
一応、間違いないとわかってはいるものの、どこまでも確認のために周囲をきょろきょろと見回してみても確かに、確かにココは間違いなく自分の部屋のロフト上、そしてベッドの中で、
なのに不思議なことに、眼前にはバーナビーが立っている。
「夢か・・・・?」
つい先ほど、夢じゃない、と自分で思ったにも関わらず、やっぱまだ夢ん中なのか俺、
などと混乱しかけ、ブンブンとついつい頭を振ってしまうと。
「虎徹さん・・・・・・、」
はぁ、とバーナビーは小さな溜め息を、ひとつ。
「な、何だ?」
「どうやに全く覚えていないみたいですね、その様子だと」
と、バーナビーは虎徹の様相を見て取ったらしい。
もう一度はぁ、と溜め息をついてその延長上、呆れた口調で。
「虎徹さんが、入って来いと言ったんですつい先ほど」
「・・・・・あ?」
ちょっと待て俺そんなコト言ったか? と口許に手を当てて、しばし考え込んでみても、
さっぱり覚えていない。
えーと今日は休みの日、で、確かにきっちり施錠もしてたハズだよな、と、
「どーやって入ってきた?」
思い当たって訊ねると、今度は溜め息の延長上どころか、むしろ溜め息に混じって言葉が、といったバーナビーが。
「合鍵、貰ったじゃないですか・・・・」
「そ、そそそ、そうだったな」
ああそれは覚えている。
前回、妙な夢を見たあと、怒らせてしまったバニーちゃんのご機嫌取りと実益(?) を兼ねて、渡した。 少しばかり失念していたがそれは確かだ。
「それで、電話で話したことは、覚えていないんですか?」
「〜〜〜〜〜〜」
覚えていない。
「一時間前、僕からかけたときに、何かもごもご言っていましたけど」
まっっったく、覚えて、いな、


・・・・・・・・・・ン?




一時間、前。
確か、
鳴ったような気がした携帯と、
何かしら喋ったような気がする、しかし全く持って定かではない、記憶。




「・・・・・・・・・」




それらはどうやら、全部が全部現実で、気のせいなどではなかった・・・・らしい。




「・・・・・あ、」
「思い出しましたか」
朝、だったし。
昔から、決してそこまで寝起きが良いという方ではなかったし。
「悪ィ・・・・寝ぼけてた・・・・」




がしがし、と寝癖混じりの頭を掻きながら、正直に虎徹がそう答えたら。
「全く・・・・」
最大級のの溜め息が、バーナビーから返された。
「それじゃ、僕と待ち合わせをしていたことも全部忘れていた訳ですね」
「え、・・・・あ、そ、それはだな・・・・・」
「ちなみに、待ち合わせの時間は9時半でしたが」
「それはだな・・・・」
「それは?」
鸚鵡返しで訊かれてしまい、三十路、こうなったらもはや全面降伏。 白旗をあげるしかなく。
「・・・・・・・・・・・・今、思い出した・・・・」
そう、つい昨日、帰りがけにしたオフの日の出掛ける約束。
昨日、ベッドに入るまでは確かに、確かに覚えていた所謂デートの約束。
揃って午前中から出掛けるのは随分と久しぶりのはずで、
だからしっかり目覚ましもかけていたハズ、なのだが。
なのに。
「うう・・・・ホント、悪い・・・・」
がっくり頭を抱え、項垂れる虎徹に、ここで怒っても今更仕方がないと思ったのかバーナビーは。
「まあ、まだ間に合いますから。 とりあえず、顔でも洗ってきたらどうですか。 待ってますよ」
「ん・・・・そうする・・・・」
もっと怒られる、もしくは拗ねられる、
かと想定した虎徹の意表を突く形での彼の提案におとなしく従い、
もそもそ起き上がって、じゃぶじゃぶカオを洗って、しっかり歯も磨いて、きちんと服も着て、
きっちり眠気を覚ましサッパリしてもう一度、ロフト上まで戻ってみると。
「目は覚めましたか?」
当たり前だがバーナビーはそのまま其処にいた。
いや、あえて言うならば、さっきとは少しだけ場所を移動していたが。
先ほどまでは枕元に立っていたのだが、ベッドにの端に腰掛けていた。
虎徹が下階でカオを洗っている間、そうやって携帯をなにやら操作していた模様で。
「・・・・・・・・・」
「それじゃ、行きましょう」
「・・・・・・・・・」


目の前にはいとしのバニー。
withベッド。
そして本日は丸一日オフ。


・・・・・・朝、だ。
・・・・・・寝起き一番、だ。
・・・・・・眼前にはバーナビー、だ。


なんといっても、
誰が何と言おうと、
かわいくてかわいくて仕方のない相棒、だし。


「・・・・・・・・・・・・」


今日の寝坊は100%自分の落ち度、
本当にすまねぇ悪かった、なんて謝罪の言葉なんて、そう自覚した途端に全て吹っ飛んだ。


「バニー」
不穏な思考を感付かれないよう、努力して平静を装いながら名前を呼ぶ。
同時に不自然な動きにもならないよう、尽力しつつ自分もベッドに腰をおろして。
「何ですか?」
微塵も疑いもせず、携帯をしまいながら素直にこちらを向くバーナビーにココロの底から悪い、と先に謝っておいて、
そのままおじさんは本能に従った。


細身ながらも、均整の取れた身体を腕の中に閉じ込め、前触れもなく有無を言わさず口付ける。
「ん・・・ッ・・・!」
唐突なキス、突然すぎる行為にバーナビーが驚いて身じろぐけれど、
一度捕らえた口唇をそう易々と逃してやるつもりは毛頭ない。
抵抗を封じるために先手を打って、両腕ごとがっしりと抱きしめてしまっていたがゆえ、
そう大した力も必要としないまま、その心地良い口唇の感触を充分に味わって、堪能し尽くすことができた。
「な・・・・っ・・・」
互いの唾液で濡れた口唇をぺろりと舐め取り、やっと満足した虎徹がようやく口唇を離したときには、
深く長い不意のディープキスに、何の準備も心構えも出来ていなかったらしいバーナビーの目許が僅かに赤みを帯びて染まっていて、そんな表情は思わずゴクリと喉が鳴るほど、そそられる。
「何、を・・・・!?」
なかなか整わない息のもと、バーナビーは驚きを隠さないまま、
とりあえず制止をと腕の中、この降って沸いた窮地から脱しようとするのだが。
「マジ、悪い・・・・このまま、させてくれ」
三度目の正直(※用法に多大なる間違い有り)、悪い、と謝って、
「ちょ、ちょっと待・・・・っ・・・!」
慌てまくるバーナビーをそのまま横倒し、ベッドの上、縺れ込む。
発情して、盛りまくってしまった三十路の勢いはもう自分でも止められないし、止まらない。
「今、一体何時だと思ってるんですか!!? まだ午前中ですよ・・・・!」
「そんなん知ってる」
「だったら!」
「だったら何だよ」
「開き直らないで下さい!!」
寝坊したことは怒らなかったバーナビーに、今ここになって怒られてしまっても、虎徹は全くひるまず。
「お前さんにグラッと来ちまったんだから仕方ねぇだろ」
言い捨てると同時、力任せ勢い任せ、彼の衣類を剥ぎ取るように無理矢理乱し脱がせ、
両脚の間にグイッと自分の身体を割り込ませる。
無論、その間にもバーナビーの抵抗は当然の如くあったものの、最初から本気の程度が違う。
あくまで虎徹は鼻息も荒く(・・・・)、発情しきっているというのに対し、
まさかこんな午前中からこんな目に遭うだなんて露ほども考えていなかったバーナビーが、力任せに暴れられるわけもなく。
せいぜい口で文句を言う程度、それ以上は本気で抵抗するタイミングも与えられないまま、
まあ所謂いつものセオリー、なし崩しパターンなのだけれど。
効き目は甚大、バニーちゃんは勢いに弱い。 そう虎徹なりに学習し、承知しているから。
「・・・・スキで仕方ねえんだって」
本音本心、呟きのような囁きを送りつつ、往生際も悪くいまだ緩い抵抗で身じろぐバーナビーの動きを手っ取り早く封じようと、
するりと下肢に腕を伸ばして少し強めに彼の中心部を手の中に包み込んだ。
「・・・・ッ・・・!」
途端、腕の中でビクンと戦慄く身体。
ただ触れただけ、それだけにも関わらず、いつだって最初は慣れずに、
まるでバージンのような反応をいつもいつも返してくるから、余計に触れていたくなる。
本当に、本当にいつだって瑞々しくて飽きることがない。 カワイイ。




「しつこくしねぇから。 ・・・・な?」
耳元で響く虎徹の声が、至近距離から甘く鼓膜に届いてくる。
「・・・・頼むから」
普段より格段に低めのトーン、声色にその分プラスされているのは隠そうともしない情欲。
もう今更ここまで来た時点で、それは決して嫌なものではなく。
怒涛の展開でこんな状況に陥らされてしまったけれど、
正直な話、バーナビーだって十中八九、今夜はこんな展開になるだろうと予測していたわけで。
ただそれが、『今夜』 が 『午前中』 に少しだけ前倒しされただけのことであって。
「全く・・・・、」
表向き、渋々口調を作りながらも、ゆっくり抵抗をやめる。 意識をそちらに切り替える。
自ら眼鏡を外しつつ、
「せっかく、今しがた着替えてきたんじゃないですか・・・・」
二度手間でしたね、と笑ってやる。 それは暗黙のオーケーのサイン。
結局、いつも、いつでもこうなるのだ。
彼が、虎徹が 『欲しい』 と求めてくるのなら、もう朝でも昼でも夜でも、たとえさっきまで完全に寝ぼけていた中年だとしても。
「さっすがバニー♪」
満面の笑みで笑い返してきた虎徹に、もう一度キスを貰った。




「・・・・ん、」
貰ったそのキスから自然と移行される、首筋への愛撫。
ちゅ、と僅かに濡れた音を立てながら、強く弱くしかし跡は残さない程度に吸い上げられては徐々に肩口に移動していく虎徹の唇の感覚に、肌が粟立つ。
時折ぺろりと舐め上げられていく合間にも、
虎徹の手は同時にせわしなく裸の胸元を動き回り、そちらにも意識が乱された。
「・・・・ッ・・・!」
胸元と鎖骨とを撫でていく手のひらが止まり、ぷくりと形作られ始めた乳首をくりくりと指先で捏ね回すかのように、そこに狙いを絞って愛撫を送られると、
弱い弱いその箇所から下半身へ、ストレートに刺激と快楽とが直結してしまう。
どうしようもない、疼いて痺れて、それでいて甘い感覚。
「ッ・・・あ、ぅ・・・・っ・・・」
乳首への愛撫が片方だけでなく、もう片方にも及ぶにつれて、
下半身へと伝わる疼きと痺れが熱に変わり、甘い快楽だったものがもどかしくてどうにもならない域へと変化していく。
この段階に、何故だかバーナビーは何度回数を重ねても慣れるということがない。
「・・・・っ、は・・・・ッ・・・」
直接下肢に触れられて感じさせられる感覚や、
虎徹自身を受け入れて直に内側から齎される快楽とは違い、
全てが中途半端、なのにしっかり身体は反応してしまって逃れようのない、
なのに完全に追い上げられるまでは到達しないという、曖昧さ。
しかし実は実際のところ、その部分をこうやって愛されるのも決して決して心底イヤという訳ではなくて、
「んッ・・・・!」
しっかり硬く形作られた肉粒を、こうやってぺろりと舌先で舐め上げられるのも本当は絶対に嫌だという訳でもなく、
「や・・・め・・・・ッ・・・!!」
けれど今のようにちゅうっ、と唇まで使って強く強く吸い上げられたあと、
離されないまま再度ころころと舌先で弄られてしまうと、そうそう感覚にも耐えることが出来なくなり、
「ッ・・・・は、・・・・っ」
自らの意思とは関係なしに、腰が揺らいだ。


「しつこくしねえって言ったもんな」
バーナビーの細腰が揺らぎ始めたのを合図と受け取り、虎徹は散々愛しまくっていた胸元からようやく唇を離す。
そしてまたも顔を寄せて、整いまくったバーナビーのその頬に触れるだけのキスを送ったあと、
とっくに反応を見せ、勃ち上がって息づく彼自身へと手を伸ばした。
「んあッ・・・・!」
指を絡ませれば、すでに先端は先走りの蜜が滲み出ており、
二度、三度軽く手のひらで全体を扱き上げるとびくびく反応をかえし、
合わせてとろりと蜜が滴り落ちて虎徹の手指を濡らしてくる。
「ん・・・・トロトロ・・・・」
別段、揶揄や他意があったわけでない。 
ただ単純に、その様相を思わず素直に口にしてしまった三十路。
しかし無論、もちろん、バーナビーがそう受け取れるはずもない。
「誰、の・・・せい、ですか・・・・っ・・・」
耳ざとく聞きつけてしまい、頬どころか耳のふちまで真っ赤にして言ってくる。
そんなバーナビーに、
「・・・・・・俺?」
あえて茶化して疑問符をつけ、宥めてやりながらも虎徹の指は絶えず彼自身を刺激していき、
時折敏感な先端を突ついてより多くの体液を滴らせ、
ゆっくりと自分自身を埋める段階への準備を整えていく。
次第に止まらなくなり、溢れ出続ける先走りの蜜を全体的に塗り込め、そしてその後ろの最奥までも持って行って。
「っ・・・・あ、ぁ・・・っ・・・虎徹、さ・・・・っ・・・」
そうこうしているうち、いつの間にかバーナビーの艶声にも濡れたものが混じる。
どうやら、後ろへの準備に気を取られて少しばかり焦らしてしまっていたようで、
今になって虎徹が 「あ、」 と気が付いても時すでに遅し。
これから一度ラクにしてやって、とも一瞬考えたには考えたのだけれども、
虎徹的には、今日は自分も早急に、入りたい。
寝起き一番だからか何故なのか、いつものような余裕が今日は無く。
「・・・・ちょっと待ってな、指、挿れるぞ?」
「っあ、あッ・・・・!!」
普段より完全完璧自分本位、強引なるダメダメ三十路やもめっぷりを最大限に発動、
バーナビーが止める間もなく、くぷりと人差し指を内側に埋め込んだ。
「狭・・・・」
「・・・・く・・・・!」
経験は重ねているとはいえ、やはりいつだって最初だけは異物感に眉根を寄せるバーナビーに、
虎徹も始めはさすがにゆっくりと、丁寧に抜き差しを繰り返し、
それから徐々に深く浅く、挿入を試みる。
その度に肌と肌の擦れる音、濡れた音とが室内に響き、重なるバーナビーの喘ぎも更に荒く、
忙しないものにすり替わって。
「ん・・・・ッ、ん、あ・・・・っ、ぁ・・・・!」
「悦さそう・・・・だよな?」
「あぁッ・・・・!」
埋めた指で感じ取る、内壁がほぐれていく感触と、バーナビーの唇から漏れる喘ぎに甘さも増していくのとを耳で確認し、
「もうちょっと、な」
更にもう一本、今度は中指を加えて埋めてみても、バーナビーの身体から拒絶の意は汲み取れない。
・・・・それなら。


「う・・・・あぁ・・・・ッ・・・!!」
内側で、二本まとめた指で奥まった箇所を強く突かれ抉られ、
今にも達してしまいそうなほど感じてしまって、悲鳴混じりの嬌声をバーナビーはあげてしまう。
「っ・・・は・・・っ、ぁ、・・・・も・・・・っ・・・」
まだ一度も達することができていないのに、突然内側の弱いところをピンポイントで刺激され、
火照った上半身を汗が伝い落ちる。
それと同時、今の刺激で限界まで張り詰めたバーナビー自身の先端から零れる、しとどに溢れて止まらない先走りの蜜。
「虎・・・徹、さ・・・・ッ・・・・」
脈打つそこを滴る自らの体液すら、快感の一端として受け取ってしまい、彼の名前を呼ぶ。
「も・・・ぅ・・・・ッ・・・!」
内側に二本埋まっている長い指の感覚と、その指先が与えてくる快楽にたまらずかぶりを振って、ねだる。
今はただ、この上ない快楽と、その後に訪れる解放まで導いてほしくて。


懇願される虎徹としても、
すでに、いや最初から? 欲望はとっくに限界を迎えていたから。
一度軽く息を吸い込み、
「バニー」
囁きながら、ゆっくり指を抜く。
挿入前、こうやっていつもいつも名前を呼ぶのは、もうクセのようなもので。
いつもいつも、この瞬間までは、
これから自身を埋めても、自ら快楽を追い求めながらも、どこまでも優しく丁寧に扱ってやりたいと思っているのに。 なのに。


「・・・つ・・・っ・・・ぅ、ぁ・・・・」
曝け出させた最奥に、自ら腰を押し進め、僅かに指で押し広げたその部分に切っ先を埋め始めた途端、中のあまりに絶妙な柔らかさ、それでいてきつく締め付けてくる度合いの快さ、
そして温かさが快楽を紡ぎだし、
「あ・・・・ッ!? 待っ・・・・!!」
急激に質量を増した虎徹自身に、たまらずバーナビーが制止の声をあげても聞き入れてやる余裕は残らなかった。
「痛く、ねぇ・・・・?」
「ッ・・・・! く・・・・っ、あ、ぁぁッ・・・・っ・・!」
気づかいながらもそのまま、わずかな肉壁の抵抗にさえ逆らって、根元まで一挙に埋め込み、がくがくと腰ごと大きく揺さぶりをかける。
「ん、んッ・・・・!!」
揺らされた腰から、かなり強引に貫かれた衝撃と、それを大きく越えて打ち消す途方も無い快感にバーナビーも飲み込まれかけ、咄嗟に両腕を虎徹の背中に回してしがみ付いた。
そんなバーナビーに、より発情させられた虎徹が、今度は腰を押し付けながら、小刻みに動けば、
貫かれたまま深いところを連続して刺激されるうさたんは、もう声を堪えることも出来なくらしく、
眉根を寄せながら快感を伝えてくる。
「ぁ・・・・っ、あ、あぁッ・・・・っ・・・・ッ」
虎徹としても、余裕がないながらもその艶声をもっと聴きたくて、より悦い声をあげさせたくて、
揺らし続けていた腰の動きを一旦止め、ずるっと半分ほど自身を引き抜き、
それから再び強く強く打ち込めば、
「ッ!? ひ、ぁッ!!」
ビクン、とバーナビーは全身を仰け反らせ、今まで以上に過敏な反応を見せる。
「ん? イイとこだったか・・・・?」
無論、そこを穿ったのは意識したわけではなく、たまたま偶然。
「も・・・・っ、無理・・・で、す・・・・っ・・・」
しかし偶然とはいえ、一番弱くて悦がるトコロを刺激されてしまったのは本当で、
今にもバーナビーはすぐにでも達してしまいそうなほど、追い上げられている。
その証拠に、互いの身体の間で屹立し解放を待ち望む彼自身は限界まで膨れ上がり、
「虎、徹さ・・・・ッ・・・、ッん、ぁ、あ・・・・っ・・・!」
寸前の甘い苦しさと、過ぎる悦楽に翻弄されて言葉にならない。
そんな状態で挿入を繰り返し、揺さぶるたびに押し寄せるこの上ない快感を重ねていくうち、
虎徹にも、絶頂が訪れる。
「・・・・ッ、バニー・・・・」
「っあぁ・・・・!」
最奥まで埋め込んだまま、一際強く大きく、乱暴なほど腰を使えば、虎徹自身に一層きつく絡み付いてくる瑞々しい内壁。
「・・・・ッ!!」
「―――――― ッッ・・・・!」
直接的に高め合い、到達したのはほぼ同時。




力を失って沈み落ちる身体を抱き止め、それから自らを引き抜き、
オジサン、寝起きの運動これにて終了。




(・・・・・このまま夜までずっとベッドで、って言ったらバニーもさすがに怒るよなあ)




腕の中でくたり、と力の抜けてしまっているバーナビーを見やり、ふと、そう思った。




(けどまあ、言ってみるだけならタダだよな)




そうも思って、バーナビーの息が収まりかけた頃、切り出してみた。




そうしたら、「節度ってものを少しは考えて下さい!!」 と、やっぱり怒られた。
怒られついで、
「それと、虎徹さんに、どうしても一つだけ言いたいことがあります」
「な・・・・何だ?」
今更なんだよ、と少しだけ狼狽しつつ、腕の中の、膨れっ面バニーちゃんを見やれば。
「・・・・いくら何でも、僕がロフトに上がってくるまで、眠りこけて気が付かないというのは、職業的にもどうかと思うんですが」
防犯面とか、無用心とかいう問題ではなく虎徹さんそのものの警戒心の薄さに問題がとか云々エトセトラetc.などなどそうこうどうこう以下略。


結局、このあと揃ってシャワーを浴びて、
午後になって出掛けるまでずっとずっとバーナビーのお小言は続いたそうな。



























オジサンは、朝に弱い。




別段、低血圧気味だとか、寝起きの機嫌が悪いとか、そういった類のものではないのけれど、
割合と朝、弱い。




が。




そっちの方面では朝でも、ツヨイ。(?) 朝だからこそ、強い。(・・・・???)
そうバーナビーが身をもって思い知ったのは、本日のことである。










なんかもうタイトルを考えることを放棄しました(笑)。
とにかくイチャこらしてたら全部もうこのタイトルシリーズでいこうと思います。
ということは 『続くよ!マンネリ作文☆』 てことですね・・・・