[ Tiger&Honey ]







バニーは、かわいい。




そんなことを言い出せば、まさしく何を今更。
彼が可愛いのは誰もが知る(!)、紛れも無い周知の事実であって、
この期に及んでそんな当然のコトを虎徹が言ってのけることもない、のだけれど。
しかし。
だからこそ、あえて確認。 あえて是認。 自認。




バニーちゃんは、かわいい。








例えば。








困り顔も、かわいい。
困って、困りきって下手に出ていたって、かわいい。




















「で、ですから虎徹さん」
「あー、バニーにとって俺との約束が、どんな程度のモノだったのかこれでよーくわかったぜ・・・」
「で、ですから、すみませんでしたと何回も・・・・!」
「あんな強風の中、三時間半も待ちぼうけでなあ・・・・」
「だ・・・・だから、携帯のバッテリー切れに気が付かなくて、セットしておいたのが携帯のアラームで、」
「つまり、バニーにとっちゃ俺とのデートなんざ、目覚ましが鳴らねーとすっぽかされちまう程度のモノなんだな・・・・ショックだぜ・・・・」


五月も終盤に差し掛かり始めたとある日の夕刻、
すでに誰も居なくなったアポロンメディア内、トレーニングルーム休憩室に残っているのはいつもの二人。
今日も普段と同じく出社して、特に何事も出動もなく定時を迎え、
他のメンバー達はとっくに帰途に着いた後であるこの時間、
何故にこの二人だけが残っているのかといえば。


「本当にすみませんでした虎徹さん、僕の完全なミスで・・・・」
「俺のガラスのハートは粉々だぜ・・・・」


この二人でいる場合、普段は大抵十中八九、バーナビーの方が虎徹を尻に敷いている感は否めないパターンが常套であるはずなのに(※ベッドの中以外)、
今日に限っては三十路やもめに対し、珍しくも始めから最初から全面降伏、
平謝りで下手に出まくり状態のバーナビーに比べ、
それとは真逆に虎徹はなんやかやブツブツ文句とぼやきを口にしているものの、
その表情はどこか何だかやたらと楽しげだ。
実際、この原因、こんな出来事の起因といえば、
話はつい昨日、そこにさかのぼる。





















昨日は揃って久々のオフ、
振り返ってみればそこそこ多忙だった先月から二人揃っての休日はなかなか取れなくて、
指折り数えてみれば三週間ぶり、やっと一緒に取れた丸一日の休日、
つまりそれはそれは希少価値の高い高い一日だったわけで。
そんな休日をわざわざ無駄になどするはずもなく、
午前10時に待ち合わせ、まるっと一日一緒に過ごす予定でそのつもりの二人、だったのだが。
あろうことか最悪のタイミングで起きたアクシデントが一つ。
よくある話といえばよくある話、なのではあるけれど、
バーナビーが休日ゆえに普段より遅め、8時半に設定しておいた携帯の目覚ましアラーム。
こんな日のそんな時に限って、その携帯のバッテリーが気が付けば切れてしまっていて、
鳴らないまま時は刻々と経過。
たぶんバッテリー切れの警告アラームは音を立てていたのかもしれないが、
それにも気が付かないまま昏々と眠り続けてしまい、そのまま待ち合わせ時間を過ぎてしまった。
加えて更に不運は重なるもので、10時半を過ぎても連絡もなく姿を現さないバーナビーを心配すると共に、痺れを切らした虎徹が何度も何度も連絡を入れてきていたというのに、
そもそも携帯が全くの役に立たない状態であるため、イコール繋がるはずもない。
待ち合わせた駅構内、三十路一人ぽつんと待てども待てども姿を現さない相方、
そしてかけてもかけても繋がらない携帯を手の中で持て余しながら延々と待ちぼうけをくらったオジサンの心知らず、
何にも邪魔されることなく柔らかなベッドの中で至福の時間を過ごしていたバーナビー、
自然に目が覚めたときにはとっくのとう、約束の時間を三時間半も経過してしまっていたという事実。
当然、
目覚めて気が付いた直後に慌てふためきつつ、
「すみません虎徹さん・・・・!!」 と焦りまくりながら何とか連絡を取ってみたのだが時、すでに遅し。
遠く離れた駅のホームの雑踏の中、『・・・・今日はもう、帰るわ俺』 と三十路に思い切り思いっ切り思い切りッ切り! 不貞腐れられ、その後遺症は一日経過した翌日、
つまり今日になっても引き続き絶好調(?) 続行中、なのである。
普段、通常であれば、たとえ虎徹が何かの理由でここまで拗ねまくったとしても、
「もうそろそろいいでしょう?」 とか、「いい歳をした大人なんですから!」 とか、
そこそこ諌めるような態度にも出られるはずのバーナビーであるはずなのだけれど、
今回ばかりは、今度ばかりは流石に分が悪い。
あからさまに落ち度はほぼ100%、自分の方にあるのであるからして、
「・・・・本当に、すみませんでした」
ここはもう、三時間半と三十二秒も待ちぼうけをくらわせてしまった虎徹に対し、
とにかくとりあえず謝り続けるという手しか選びようがない。
だから、二人だけになってから(もちろん朝イチで謝罪もした・しかし周囲に深く詮索されるとこれまた面倒なことになりそうなため、本格的に謝り始めたのは周りが全員帰宅したあとのことで)、
とにかくずっとこうやって、謝罪の意を伝え続けているというのに。
なのに当の虎徹は、わざとらしくブツブツぼやき続けた挙句、
時折にんまり楽しげに笑ったりしながらも、なんのかんの四の五のごねまくって今に至る。
こうなるといい加減、非があるはずのバーナビーだって、痺れを切らしてくるのも無理はなく。
虎徹が本気で怒っているわけでは勿論無い、ことは当たり前にして承知の上ではあるのだが。
休憩室、椅子に座ってスポーツドリンクのストローを咥えかけた虎徹に正面から向き合い、
「もう、いい加減に・・・・!!」
そもそも虎徹さんだってつい先日、待ち合わせに寝坊して僕が乗り込んでいったことだってありましたよね!!?(※『Lovely Bunnnnny!3』 参照)
と、いわゆる逆ギレモードに突入してしまいかけた、その時。


「あー、わかったわかった、もう怒ってねーよ」


ずずず、とドリンクをすすっていた虎徹が口を開き、いつもの軽口調で何を言うかと思えば。


「本当ですか」


「そもそも最初っから本気で怒ってねえって。 けど、三時間半待たされたってのは事実だからな、」


おじさん、今がチャンス、得たりとばかり。


「・・・・・・・・・・・・」


「その事実への詫び、ってコトで。 ・・・・イチャイチャさせろや?」


「え・・・・!!?」


金髪碧眼うさたんは、かわいい。


驚いたカオも、かわいい。
慌てまくり、
動転しまくりのカオだってかわいい。


「いいだろうが。 待たされた三時間半分、きっちり引っ付かせてもらったって」


あっけらかんと、虎徹はいつもの軽口調。
けれど、
けれど、
だけれども、


「今、ここで、ですか・・・・!?」


「とーぜん」


家まで待てるかよ、と告げてくる虎徹の言は本物のようで、


「ど・・・・どこまで本気で言っているのか・・・・」


わかりません、と伝えようとしたところで。


「バニー」
「はい?」
「お前さん、ほんっとカワイイな」
「うわッ・・・・!!」


名前を呼ばれ、条件反射でついつい素直に返事をしてしまったその隙をつかれ、
がばッ、どさっ、とこれまたどこも身体を痛めない程度に巧く、
しかしながら強引に床に縺れ込まさせられる。
挙句、すっかりその気の虎徹の手がするり、とシャツの隙間から胸元に侵入してきた。
広くはないが決して狭すぎもしない会社の休憩室、
そんなところでこんなことになるだなんてバーナビーは信じられなくて、
「待ってください! こんなところで・・・・!」
本当に嬉しそうに楽しそうにベタベタ引っ付いてぺたぺた触って来ようとする中年(・・・・) を必死に振り払おうとするのだが、
「イヤなら能力でも使って押し退けろって。 ま、そしたら俺も能力発動して押さえ付けるけどなー♪」
ごろごろ甘えてくる虎のオジサン(・・・・) に余計な台詞を突き付けられてしまい、
否応なく諦めざるを得なくなってしまう、ような、予感。
「で、ですけど・・・・」
もうここまで来てしまったら覚悟を決めるしかないであろうことも、大体分かってしまってもいるのだけれど、やはり一応、一応、本当に一応は最後の抵抗もしてみないわけにはバーナビーの性格上、いかなくて。
「やっぱり場所が、いくらなんでもここは・・・・!」
拙い。 もし万が一にも誰かが戻ってきたり、入ってきてしまったりしたら。


「誰も来ねえよ。 ・・・・たぶん」
なのに、なのにその訴えは即座に否定&却下されてしまい、
「ま、もしも誰か来ちまったら、スキンシップだとか適当に言っときゃなんとか・・・・」
「なりませんよ!!」
「だよなあ」
速攻返した叫びに苦笑されつつ、ぐぐぐと顔が近付いてくる。
「虎徹、さん・・・・ッ」
兎にも角にもすっかりその気モードの虎徹に対し、何とか暴れて抗議の意を示そうとしたバーナビーだったのだが、
「バニー、」
ふっ、と普段よりもワントーン低く、一瞬だけ真剣さを含んだ呼び声に捕らえられたと思ったら。
まるで噛み付いてくるかのような素早い動きで唇を唇で塞がれていた。
「・・・・・っ!!」
不意打ちのキスに驚いて、閉じる間もなかった唇の隙間から簡単に侵入してきた虎徹の舌は、
逃げることの出来ないバーナビーの舌を絡めて強く吸い上げる。
乱暴ではないけれど、丁寧とはとても言えないディープキス。
困ったことに、決して、決して嫌というわけではないから、余計意識が乱される。


「・・・は、・・・・っ・・・」
思いきり味わった舌と唇とをやっと解放した途端、
どちらのものか判別できない唾液がバーナビーの唇の端から顎へと細い筋を作って伝う。
それを彼が懸命に手の甲で拭っている隙に、虎徹は周囲を見回し、
手の届くところに無造作に放置してあった自分の大判のタオルを発見。
まあ何にも無いよりマシだろ、とバスタオルサイズの厚みと大きさのそれを器用に床に敷き、
どっこいせ、と驚くほど自然に二人揃って移動。
ここまで来てしまえばバーナビーの抵抗ももはや姿を消し、
それに更に気を良くしてバニーちゃんを賞味しようと、胸元への愛撫を開始する。
「・・・・・っ・・、」
シャツをたくし上げ、白い肌に跡を残さないよう気を使いながらも次々と口付け、
戯れるかのごとく胸の肉粒を口に含んで吸い上げると、
「ん・・・・!」
甘い声と同時、ピクンとその身体が跳ね上がった。
みるみるうちに硬く尖りをみせるそれを舌先で愛撫する間にも手は抜かず、
きっちり脇腹のあたりを撫で回しながら、虎徹はもう片方の肉粒を空いている方の指先で摘まみ上げ、くいくい弄り始めた。
「、っ、あ・・・・!」
堪えきれない、甘い声。
そんな可愛い相方に、虎徹はよりご機嫌になる。
「・・・・ん。 バニーの、ニオイがすんな・・・・」
世界でたぶん、虎徹にしかわからない、虎徹だけが知り得る匂い。
嬉しくて、ぽろりとそう呟いた途端。
「な・・・・っ・・・」
当のバーナビーは、そうそうその一言を看過することが出来なかったらしい。
「・・・・ッやめ、やっぱり・・・・!」
何故って、今になって気付いた。
虎徹の呟きで、現実が舞い戻った。
何故って、だってよくよく考えてみればシャワー前。
数時間、しっかりきっちりトレーニングをこなした後、通常ならさっぱりシャワールームで汗を流して、
それから帰宅するのがセオリーだったのだけれど、
今日に限ってはそんな余裕もないまま、冒頭のよう、ずっと虎徹に謝っていたのであるからして。
「虎徹さ・・・・っ・・・」
一度意識してしまうと、鼻先を掠める虎徹の微かな匂いにも気付いて感化されてしまい、
頭とは別に身体は勝手に熱を持ち、一方的に敏感さを増していく。
「や、め・・・・っ・・・」
それでも残った理性で、自分の胸元に顔を埋めている虎徹の髪の間に手を入れ、
軽く引っ張って制止しようとするのだけれど。
「だーいじょうぶだって。 集中してくれよ」
「違・・・・!」
そういう意味合いで言ったわけじゃない、せめて、せめて一度汗を流してから、と、何とか伝えると。
「あ? ・・・・・・ちがうちがうこっちこそそういうイミじゃねえって! だからその、汗のニオイとかじゃなくてだな、バニーの、なんつーか、〜〜〜〜俺だけがわかる、こう・・・・」
あああ何だか聞いているバーナビー当人すら気恥ずかしくなってくる、そんな台詞。
しかして 「僕だって同じです、」 だなんてそうそう明け透けに口になんて出せるわけもなくて、
「・・・・・・・・・・・・」
あわあわしつつ、口ごもって沈黙。
結局、
結局、
何だかまるで互いにあらためてラブっぷりを確認(・・・・)、
ハズカシイコトを恥ずかしげもなく(・・・・) 再確認しただけで収束してしまい、
結果、
虎徹はより眦をふにゃりと下げ、
バーナビーはかあっと耳まで赤くなる、といったパターンに落ち着いて、
顛末はといえば。
いそいそと服を全て脱がせにかかる年上、
対して脱がされている間、
明るい照明の下、露わになっていく下肢にここまで来ても羞恥は拭い去ることは出来なくて、
床に敷かれた虎徹のタオルをぎゅっと掴んで手の中で握り締める年下。
それでもバーナビー自身は熱を湛えて勃ち上がりの様相を見せ始めていて、
「ッ、んぅ・・・・っ・・・・!!」
つうっと虎徹の人差し指が軽く昂ぶりを確かめるために下から一撫ですると、
ただそれだけでびくん、と一回り大きさを増した。
虎徹はそんなバーナビーの耳元に、そっと唇を寄せる。
「・・・・バニー」
「・・・・っ、」
「長くごねちまって、悪かったな」
「ん・・・・ッ・・・・!」
耳元で囁かれ響く甘い謝罪と、耳朶に吹きかかる吐息、加えてバーナビー自身に添えられた指で先端部を優しく撫でられ、それが引き金となり、とろりと透明な蜜が大量に滴り落ち、虎徹の指先を濡らした。
その蜜から感じ取れる体温に虎徹は嬉しげに目を細め、そうっと。
「こっちは・・・・」
僅かに後方に滑らせた指で、奥まった箇所を探る。
「・・・・ッ・・・」
最奥の入口を突付いて二度、三度と人差し指の腹でなぞると、
堪えられないバーナビーの下肢が揺れ、その箇所はヒクンと戦慄きをみせる。
「力、抜けよ」
告げて、バーナビーの頬に落とすだけのキスで触れたあと、
虎徹は押し当てた指をそのまま素早く挿入させた。
「ぁ、あっ・・・・ッ・・・・!」
まだ潤いのない、狭いそこに押し入ってくる異物の感覚に、たまらず声をあげてしまうバーナビー。
虎徹の指を飲み込んだ内壁は、確実に深い位置へと侵入してくるそれを最初こそ拒むように固く締め付けて来ていたのだが、
ゆっくりと解していくうち、今までの慣れも伴って、受け入れた指をより奥まで誘いいざなってくるかの如く、柔らかく蕩けて絡み付き始めてくる。
「・・・・ふ、っ・・・・ぁ、あ・・・・っ・・・」
見計らい虎徹が、中に埋める指をもう一本増やしてみても上がるのは鼻にかかった声だけで、
すでに拒絶も苦痛も訴えることはなく、バーナビーはただひたすら後ろに与えられる快楽を受け止めて。
「ん・・・・っ・・・・!」
迷わず追加された三本目の指も、簡単に受け入れる。
が、次第に与えられる熱と欲を、疼き続ける身体が抑え込みきれなくなってくる。
「も・・・・う・・・・っ・・・」
小さく首を横に振って促す仕種と、生理的な快楽に、僅かに目尻にうっすら溜まった涙はその証拠。


かわいい。
バニーの、そんな涙を浮かべたカオは壮絶に可愛い。


「もうイイのか? それじゃ指、抜いちまうぞ?」
バーナビーの求めるものが何なのかわかりきっているくせ、あえて煽るよう、
遠回しに焦らす台詞が口から出てしまうのは最早オジサンの性、としか言いようがない。
待ってろな、と告げながら、絡み付いてなかなか離そうとしない内壁からズッ、とまとめて指を引き抜く。
「く、ぅ・・・・・っ・・・」
その感覚に、必死で唇を噛み締めるバーナビーから、漏れる熱い吐息。
我慢できない、とばかり懸命にかぶりを振って感覚を逃そうとするその身体を見れば、
もう限界近くまで張り詰めた彼自身。
虎徹の指によって蓄積された欲望に急かされ、小刻みに震える身体と腰は、失ってしまった内部への快楽を取り戻そうと必死で。
ずっと手の中で握り締めていた虎徹のタオルに懸命に爪を立て、
ともすれば体勢を崩して、バーナビーがそこに顔をも埋めたくなったとき。
さりげなくベルトを外し、衣服を緩めていた虎徹が猛りを見せている自身の先端を、
柔らかく綻んだその入口に、そっと添えた。
「、」
一瞬だけ息を詰め、そしてそのまま一気に根元まで押し進めて貫き通す。
「ーーーーあ・・・・っッ・・・・!!」
熱くて硬い虎徹が身体の中に割り入ってくると同時、喉の奥から込み上げる嬌声。
「っ、く、・・・・・っあ、ぁ・・・・ッッ・・・・」
指では届いてくれない奥の奥と、比べ物にならない熱との発する圧迫感の生み出す内壁を擦り上げられる強い強い快楽に、堪えきれず耐え切れず、泣き声のような声が漏れる。
虎徹も欲動に突き動かされるまま、細腰を両手で掴みしっかり固定し、
思うまま強く容赦なく己を突き立て、高みを目指していく。
と、一際大きく突き上げた途端、
「ひ・・・・ッ、っあ、あ・・・・ッ!」
二人の身体の間でバーナビー自身がたまらず弾け、白濁の蜜が散った。


が、彼が一度達しても虎徹の動きは止まらず、
続けざまに内部を掻き回し、蹂躙し続けてくる。
「ぁ・・・・あッ!? うあ、あ・・・・っっ・・・・!!」
律動を繰り返されながら、達したばかりの敏感この上ない自身を手のひらで包まれ、
きゅ、きゅっと数回扱かれ、我慢できるわけがない。
吐精直後、力を失いながらも真っ赤に色付いたその箇所は普段にも増して快感を受け止め、また集め始めてしまって。
「・・・・あっ・・・、あ、ぁぁ・・・・っ・・ぁッ・・・・!」
目も霞む性感に、バーナビーの全身ががくがく大きく揺らぎはじめた。
同時に、受け入れている虎徹自身をきゅうきゅうと粘膜が締め付ける。
「悦すぎ、だろ・・・・」
「うあッ!!」
満足げな吐息混じりの声に、突然激しく強く最奥を抉られた。
間髪入れず、連続して凶暴なほど荒々しく腰を使われ、
奥の悦いところを続けざま刺激され、また引き抜かれて。
「ん、んッ・・・・!」
ずるり、と入口付近まで虎徹自身が引き抜かれた際、括れの部分がまた別のポイントを引っ掛けて、その刺激にもビクビク仰け反ってしまう身体。
苛烈ともいえるほどきつく揺らされて、またも膨れ上がり先端に蜜を滴らせ始めたバーナビー自身に指が絡んでちゅくちゅくと愛撫を送られ、今にももう意識が飛びそうで。
「虎、徹さ・・・・っ、・・・・ッ!」
名前を呼んで、懸命に縋り付きでもしないと何もわからなくなってしまいそうなほどの快感。
虎徹はそんなバーナビーに軽く触れるだけのキスをして、
それからその身体を支えるよう、両腕を回した。
「バニー」
「・・・・ふ・・・・っ・・・」
呼ぶのに付随して寄せた唇で耳朶を二度、三度と甘噛みしてやると、
くすぐったいのか小さく首を振る。
と同時、中の自身を捕らえて離れない内壁粘膜もびくびく蠢動し、バーナビーだけでなく虎徹にも快楽が押し寄せ、包んだ。
「あっ、あ・・・・、もぅ・・・・っ・・・・」
再び張り詰めたバーナビー自身も、もう限界だ。
寸前まで迫った絶頂に、ぶるっと全身が戦慄く。
それは虎徹もとっくのとう、同様で、
「ん・・・・じゃ、一緒に、な・・・・?」
バーナビーに添えていた指先、人差し指と親指とを使って強く強く先端部を揉み込めば、
「ひ・・・ッあ、あ、あぁぁ・・・・・ッ・・・・っ・・・・!!」
掠れた声を追いかけて、虎徹の手を汚して吐き出される白い蜜。
一瞬置いて、自らの身体の奥で熱い飛沫が敏感な部分を灼いたのを感じ、
バーナビーはほんの僅かだけ、意識を飛ばした。




























バニーちゃんは、かわいい。




怒ったカオだって、とてもとてもかわいい。








「そ、そこまで怒ることねえだろ、バニー・・・・!」
「・・・・・・・・・・・・・・」




事後、
なんのかんのと片付けやら掃除やら後始末やら(・・・・)、
ほとんど虎徹一人で諸々を終わらせ、
こうやって一緒にシャワールームで汗やら体液やらを流せるようになった頃には、
気が付けばそれ相応に遅い時間にもなっていた。
最初といつの間にか立場は逆転、むくれるバーナビーに対し、謝り倒す虎徹、という図式になっている。
「ほら、まだ頭に泡が付いてっから・・・・!」
「・・・・・・・・・・・・・・・・」
「もっかい流せって、んな、そんな急いで出たって大して時間は変わらねーって・・・・」
「・・・・・・・・・・・・・・・・」
「もうそろそろ機嫌直せよ〜」
「・・・・・・・・・・・・・・・・」
「なあ、バニー?」
「・・・・・・・・・・・・・・・・」
「バニー?」
「・・・・・・・・・・・・・・・・」
「バニー・・・・」
「・・・・・・・・・・・・・・・・」




とりあえず、文法的にも立場的にも、『とりつくしまがない』 とはきっとこういった状態を指すのである。




とはいえしかし、




「じゃ、昨日の仕切り直しは今週末、ってことでいいよな?」
「休日、重なっていましたっけ」
「俺の記憶だと日曜、ピッタリバッチリ重なってたぜ、確か」
「わかりました」




一時間後、
揃って帰途に着いた時点で気がつけば再びいつも通り、
ギリギリ日付が変わる前までには、互いの部屋に戻れそうだ。




「って、今気付いたんだけどな、」
「?」
「日曜に出掛けるなら、土曜の夜から一緒にいりゃ、もうどっちも待ちぼうけ喰わずに済むよなあ」
「それは、まあ、そう、ですね」
「というわけで、今週は土曜の夜から一緒に過ごそうぜ? それで一件落着だろ。 よし決定!」


自分の提案に、自らナイスアイディア、とうんうん頷く虎徹に。
なんだかこれまた上手く(?) 誘い込まれて引っ付かれる破目に陥りそうなプラン(・・・・) に、
どさくさに紛れて巧みに誘導されたような気もしないでもなかったけれど、


それもまあ別に嫌という訳ではなかったから。


「はい」


素直に頷いて、小さくバーナビーは笑ってみせた。




























バニーは、かわいい。
バニーちゃんは、かわいい。


困り顔も驚いた顔も焦った顔も、
泣き顔だって怒った顔だって、どんなカオをしていたってとことんカワイイ、と思っていたのだけれど。








やっぱり。
やっぱり撤回。 ここに来て前言撤回。












――――――――― そんなふうに笑った顔が、何より一番可愛い。













誰もが一度は考えつくであろうけれどもあえて使わないようなタイトルにしてみました。
いつにも増してとことんハズカシイ野郎共だと思いますが、ワタシノセイジャナイヨ
ナカヨシスギル二人ガワルインダヨ  ソウダヨ キット ソウナンダヨ